総務建設常任委員会会議録 平成20年4月22日

開催年月日

平成20年4月22日(火曜日)

開会時間

午前10時00分

閉会時間

午後0時19分

開催場所

葉山町議会 協議会室1

付議案件

(1)所管事項調査
長者ケ崎の町有地について
(2)その他

出席並びに欠席委員

出席8名 欠席0名

出席並びに欠席委員の詳細
役職 氏名 出欠
委員長 待寺真司 出席
副委員長 加藤清 出席
委員 鈴木知一 出席
委員 土佐洋子 出席
委員 近藤昇一 出席
委員 畑中由喜子 出席
委員 伊藤友子 出席
委員 森勝美 出席
オブザーバー 議長 笠原俊一 出席

傍聴者

守屋亘弘議員 山梨崇仁議員 鈴木道子議員 阿部勝雄議員
一般傍聴者 1名

説明のため出席した者の職氏名

説明のため出席した者の職氏名の詳細
役職 氏名
参考人(弁護士) 小林嗣政
町長 森英二
総務部部長 根岸隆男
管財課課長 小坂満理子
管財課課長補佐 千葉和久

会議の書記

議会事務局局長 上妻良章
議会事務局次長 山本孝幸
議会事務局局長補佐 高橋孝行

会議録署名委員

委員長 待寺真司

会議の経過

委員長(待寺真司君)

おはようございます。委員さん全員出席でございますので、本日の総務建設常任委員会の会議を直ちに開催いたします。(午前10時00分)
本日お手元に式次第のほうを配付させていただいておりますが、議題といたしまして所管事項調査の長者ケ崎の町有地についてを議題とさせていただきます。また、(2)としてその他、何かございましたら御発言を願います。
では、本日長者ケ崎の町有地についての所管事項の進め方でございますが、前回委員さんから出席要望のございました前町の顧問弁護士でございました小林嗣政弁護士が本日参考人として出席をいただいております。まず最初に小林弁護士のほうとの質疑応答をおおむね1時間程度を予定しておりますので、よろしくお願いします。その後、森町長に御出席をいただいて、今後長者ケ崎の町有地について、町長かわられた後どのような見解を持って臨まれるのかについて町長からお考えをいただき、そして質疑応答の時間も設けておりますので、またその際は職員のほうも出席をいたします。よろしくお願いいたします。以上のような進め方でまいりたいと思いますが、よろしいでしょうか。
それから、委員長から1点ほどございまして、本日その小林弁護士との質疑応答のやりとりを行わせていただくんですが、持ち出し厳禁でコピーもしてはいけないということで、資料を置かせていただきましたが、先週ですね、検討した結果、その小林弁護士と町管財課との相談内容のやりとりの資料が中にございました。こちらのほうについては一応コピーを事務局のほうに申し出て許可ということでお願いをしておりましたが、本日小林弁護士と事前にお話をした中で、この相談内容について若干補足説明をしたいという申し出がございました。この資料をお持ちいただいてないとちょっと若干その補足がおわかりにならないかと思いますので、全員に配付するというような形で、必要な方は…何部、全員分用意して…傍聴議員さんの分もありますか。(「はい」の声あり)であれば全員配付していただいて、目を通して、ちょっと時間がないかもしれませんが目を通していただいて、今後の質疑応答の中で、また小林弁護士から補足説明ということで説明がございますので、よろしくお願いいたします。
(資料配付)
それでは本日の議題についての調査を進めてまいりますが、本日傍聴希望がございます。執行機関の職員の傍聴希望並びに一般傍聴の希望者がおりますので、入場を許可したいと思いますが、よろしいでしょうか。よろしいですか。はい、それでは傍聴を許可いたしますので、職員及び傍聴者の入室のため暫時休憩いたします。(午前10時03分)

委員長(待寺真司君)

それでは休憩を閉じて会議を再開いたします。(午前10時04分)
それでは、本日は参考人として前町顧問弁護士の小林嗣政弁護士の出席をいただいておりますので、参考人入室のため暫時休憩いたします。(午前10時04分)

委員長(待寺真司君)

それでは休憩を閉じて委員会を再開いたします。
(午前10時04分)この際、参考人の小林嗣政弁護士に一言ごあいさつを申し上げたいと思います。本日はお忙しい中にもかかわらず、本委員会のために御出席をいただき、まことにありがとうございます。委員会を代表して厚く御礼を申し上げます。
それでは早速ですが、長者ケ崎の町有地の不法占用にかかわる土地明け渡しに関する契約書の解釈等について、また、当時平成13年の契約書締結の状況や、そのときの先生の御見解及び契約書につきまして当委員会でその内容が明らかになった後に、管財課職員との相談内容に関する資料に関しまして補足説明をいただいた後に委員の質疑にお答えいただくようにお願いをしたいと思いますけれども、よろしいでしょうか。
それでは、まず小林弁護士のほうから経緯など、それからまた補足説明などをいただきたいと思います。よろしくお願いいたします。発言の際は…ではよろしくお願いいたします。

参考人(小林嗣政君)

それではお手元にあります2008年3月19日の相談のまとめをごらんいただきたいと思うんですが、(「3月26日の」の声あり)3月19日…(「付のですね」の声あり)付ですね。(「鑑がついていないと思いますので、3月26日」の声あり)あ、そうですね。3月26日、相談日ですね。これの3枚目の一番下のほうにですね、町の職員の方の質問というのか、「平成13年当時は既に相手方が占有して10年以上経過していたので、相手方が妥協せず契約を締結することができなかった場合は善意による時効取得の対象となっていたと考えられるが」と、こういう質問があって、それに私の答えが、「相手は町有地を使用していることを認めていたのだから時効取得にはならない」という答えをしているわけです。これが平成13年に町のほうで心配していた第一の問題だと思うんですね。つまり、町有地を相手方が長い間無断で使っていたから時効取得しても町の財産にならない、相手方の所有になってしまうんではないかということを一番心配をしていた問題。
それから、当時そういう問題があって相手方に明け渡しを求める、あるいは明け渡しを相手方が拒否した場合どうするかというような、この土地について問題があって相談を受けたわけですね。それで、この時効取得の問題は相手は自分の土地と思って占有していたわけじゃないから、これは時効取得はならないと。時効取得というのは、他人の土地であってもある期間の経過によって自分の土地に法律上なってしまうというのが時効取得なんですが、そういうことにはならない。つまり、町有地が相手の所有になるということはないと、これが第1点で、平成13年当時もそういうお答えをしていたわけです。
さらに続けてですね、13年当時私が答えた主要な点は、まず裁判をして明け渡しをさせるということは可能だろうと。ですから、裁判をすればこの不法占有の土地を取り戻すことはできるだろうということ。で、ただ、裁判をしないで何らかの解決をするというのであれば相手方といろいろ話をしてその解決のための条件を整えるということは一つの円満な解決方法としてはあり得るから、その条件についてお話をされたらどうでしょうかというようなことをしたわけです。
それで、いろいろ町のほうでは相手方と話をした結果ですね、これは何回か相談を受けて、もう7年くらい経過しているから私もはっきりとは覚えていませんが、何回か相談をした結果、相手のほうは、いや、どうしてもこの土地を今明け渡すというのは難しいから何とか使わせてもらいたいということを非常に強く希望されたという。それから、当時町としては必ずしもそこをすぐ取り戻さなくても特に問題はないから、将来この土地が町でどうしても使わなきゃならんと、公共目的などで使わなきゃならんというようなときには明け渡しをしてもらうことは必要だけれども、平成13年当時は必ずしもそういうことではないから、今すぐ裁判をして明け渡すということは考えていないと。では、それではどうしたらいいかというと、町としてはけじめをきちっとつけておきたいということが1点と、けじめというのはその土地、不法占有している土地が町の所有の土地であるということ。それからやはりこの行政財産であるから、ただで使っていられるのは困るから、何らかの対価は取りたいと。それから将来返還をさせることができるような話をまとめたいと、こういうような希望であったわけです。
そこでこの今のページの上から2行目ですね、裁判をして明け渡しをさせることは可能なので、平成13年当時に裁判についての話をしたが、町側としては裁判をしないで話し合いで解決したいということで合意点を探ろうとしたと。その後ですね、最初の契約を結んだ平成13年当時としてはどのような状況であったのかというところで、その平成13年当時の状況で私の記憶としては、それ以前は不法占有であることも明確になっておらず、また、占有による対価も取っていなかったので、町としては不法占有を認めさせ、けじめをつけること、それから占有の対価を取りたいとの意向であったと。また、当該土地にはいろいろな絡みがあるため、町としては裁判による強硬な立ち退きは行わないという意向であったと記憶していると。これはことし町の担当者に私が相談のときに答えた内容ですが、当時こういう状況であったと記憶をしているわけです。
このような条件の折り合いをつけるために契約書をつくろうというのがこのお手元にある、これは19年4月1日付ですが、13年の何月か、これと同じような契約書が最終的につくったわけです。それで、契約書の作成については今のような条項…条件を入れて担当の方が相手方といろいろ話をして、私の記憶では最初の契約書案はもうちょっときつい内容であったと思います。きついというのは、相手がこの本件土地を無断で使用している、不法占有しているということをはっきりと書いて、そして後続けたというような案だったと思うんですが、話し合いの中で無断占有とか不法占有というのは非常に言葉がきついということで、この最終的には相手方と町との話し合いの中で、第1条、本契約締結の目的というところにその趣旨は入れたんだけれども、言葉としてはかなりやわらかく書いたというような記憶があります。厳しく書く場合には、甲所有の本件土地上に乙所有の建築物等が不法に占有しているというような、「不法占有」というふうな言葉、あるいは「無断占有」という言葉を入れるのが一番きついんですが、それは話し合いの中で取ってその趣旨を第1条に入れたというような記憶があります。
さらに先ほど言った一つの本件土地が町の所有土地であるということを認めさせ、それから将来明け渡しをするということを考えた内容としての考えた骨子は、第1条に書いてあるように、相手は本件土地を町に明け渡す義務があるということを一つうたったわけです。これは不法占有ということですね。義務がある。それから、契約の骨子としては普通は土地を使うということは賃貸借とか使用貸借とかいろいろあるんですが、本件の契約書のスタイルは、相手は本件土地を使用する権限はないと、これが一つの基本な考えですね。使用する権限はなくて、町は…しかしすぐ返させるんじゃなくて明け渡しを猶予すると、そういう契約の骨子をとったんですね。使用とか賃貸借ではなくて相手方は本件土地を使用する権限はない。したがって本来は返すべきなんだけれども、町がその明け渡しを猶予すると、そういう形をとったわけです。これはよく裁判所の和解などで使う慣用的なやり方なんですが、賃貸借とか何らかの使用契約をしてしまうと、そこに使用する権限というものが明確に出てくるからそういう形をとらないで、使用する権限はないけれども町が明け渡しを猶予する、ある期間猶予すると、猶予期間という形をよくとるわけです。そういうふうにしました。
それから、第4条の使用損害金という言葉は、普通賃貸借だと賃料とか使用料とかという、使用の対価として払う金額地代を書くわけなんですが、本件の場合には使用する権限がなくて明け渡しを猶予するという、そういう猶予期間については本来使用する権限がないものをそれだけ期間を猶予するんだから損害金を請求するという、そういう理屈でなるわけです。だから、使用料という言葉とか賃料という言葉じゃなくて、明け渡し猶予期間中の使用損害金、つまり町に損害を与えているという、損害金という、これも普通の和解などの慣用語なんですが、そういう形をとりました。しかし、この使用損害金という理屈はペナルティー的な考えですが、実質は使用料と考えていいと思いますね。それは今言ったように、使用契約ではなく猶予契約だからその猶予期間中、土地を使うということについての損害金を町に払うと、そういうスタイルをとったわけです。それで、あとはこの条文…各条文にあるようにですね、明け渡しのときはどうするというのをいろいろ何回か相手とやりとりをされたようですが、最終的にこういう形でやるということです。
それから、第3条のところがこの契約の一つの問題になると思いますけれども、町のほうではこの土地はいずれは町の行政の目的として使う必要が出てくるんで、そのときは明け渡しをしなきゃならん、だけれども今のところ相手が返さなくても困らないから、その間は明け渡しを猶予しよう。だけれども、そのまずはっきりしているのは本件土地を公共目的その他の行政目的として使用するということが確定しない間は一つの猶予の対象にはすると。だけれども、確定しないから、その間確定しない限りは相手に明け渡しを請求できないのかと、そういうことではなくて、甲乙協議の上、明け渡し期限を延期することができるということで、1年刻みで町がもう返してくれというときには返させるという、そういう内容にしたわけです。ですからもう一度言うと、町がその土地をどうしても使うということになった場合には、これは明け渡しを請求をすると。しかし、そういう目的がまだ出ていなくても、この1年の猶予期間が切れた段階では明け渡しを請求すると、これは町の裁量であると、そういうような意味を第3条は書いていると。そういったところがこの契約の大きな要素になっていると思います。大体以上です。(「期待権」の声あり)あ、期待権ですね。
この期待権というのは必ずしも決まったものではなくてですね、法律の理屈としてはいろんな角度から見て、相手方がこうなることを期待するのはもっともだというようなときには、そのもっともだという考えを尊重しようというのが法律の原則の一つにあるわけですね。ですから、必ずしも契約書を取り交わさなくてもいろんな状況から見て相手がそういうことを期待することが、また期待することが当然であり、それが情義にも合っているし、もっともだと思われるようなときにはその期待する気持ちを尊重しようと、それが尊重がもっと強くなってくると一つの権利として認めていこうという、そういう法律の考え方があるわけですね。
で、私がこの2回、昨年の11月とことしの3月の2回で説明をしている中で、昨年のこの説明の内容でこの2ページ目に…2ページ目かな、(「11月9日の2ページ」の声あり)これですね、相談日が19年11月9日の2ページ目の強制撤去についてというところにちょっと太字で書いてあるところに…書いてあるのは、これはちょっと私の説明が言葉足らずであったのかもしれないけども、ちょっと正確でないのでこれは一応置いてですね、もう一つの、ことしの3月26日の相談の2ページ目に期待権についてという書いてあるの、このほうが内容としては正確になると思いますが、言っていることはこういうことですね。この契約書によって相手が期待権が生ずるということではなくて、平成13年から1年刻みで更新をしてきたと。そうすると14年の4月にまたじゃあ1年間明け渡しを猶予しましょうと、それでそれが7年続いているということになると、この猶予期間というのは毎年毎年1年更新で来ている、だから1年来れば猶予期間は切れるわけなんです。だけれども、それが過去6回、7回と更新されていると、相手はじゃあ…今の時点で言うと来年の3月になってもまた1年間更新してくれるだろうと、そういう気持ちを持つ、期待を持つということはもっともなわけで、これが1回更新してもう来年はだめだよというのなら、これは相手も予期していることだけれども、6回も7回も更新していると、また来年も更新してくれるだろうという、そういう期待は持つのはもっともだろうから、それは尊重をしていかなきゃならないと。
そういうことになると、それじゃあ返してもらえないのかというと、返すことを請求できないのかというとそういうことではなくて、例えばことしの12月の末ごろになって、平成21年の3月で明け渡し猶予が切れるけれども、もう4月1日以降は更新しないよというのは相手にとってちょっと酷ではないかと。やはりもう少し早めに、相手が期待することはそれはもうしませんよということを言っておく必要はあるだろうと。だから少なくとも期限は何カ月ということはそれは断定はできないけれども、6カ月前とか8カ月前とか、できればことしの更新のときに来年はもう更新しませんよと言うのが行政としては親切ではないか。そういう相手の期待する気持ちを尊重して、その用意をさせるためには数カ月以上の予告はしておく必要があるじゃないかというのが私の説明した内容の骨子なわけです。その期待権というのはこの契約書によって期待権が生まれるんじゃなくて、過去5回、6回と更新をしてきたこの経過によって期待権が生まれてくると。そういうものは尊重しなきゃならない。こういうのを1カ月前にもう、平成21年2月になってもう3月以降更新しませんよということになると、これを仮に裁判した場合に、ちょっとここのところは必ずしも明け渡しが3月が認められるかどうかということになると少し難しいのではないか。もう少し早めに、その相手の期待する気持ちを、そういうことはできませんよということを言っておく必要がある、そういうことが期待権の骨子であります。

委員長(待寺真司君)

小林先生ありがとうございました。かなり条文解釈等について委員会の中で出ていた疑問について今冒頭お答えをいただきました。それでは委員さんからの質疑に入りたいと思いますけれども、念のために申し上げさせていただきますが、参考人は委員長の許可を得てから発言をしていただくようお願いします。また、委員に対しては質疑ができないことになっておりますので、小林先生御了承のほうお願いいたします。それからまた本日傍聴ということで職員が入室しております。委員の皆さん、職員への質問はこの場ではできませんので、この後また町長が入られますので、その際にお願いをしたいと思います。
では、小林先生のほうにこの条文解釈等を含めまして今いろいろと詳しく御説明いただきましたが、質疑のある方の挙手を求めたいと思います。

委員(土佐洋子君)

明け渡しを猶予するということですが、やはり7年も経過しているということにびっくりさせられるんですね。第3条について町が不利になるような条文ではないということですが、これがとてもネックになっていると思うんです。それで、なぜこの契約書をつくったときに最初から更新はしないというようなことを入れなかったのでしょうか。

委員長(待寺真司君)

町の見解の部分なので、それを先生が町からそういう相談を受けていたのかいないのかも含めて、今の御質問にお答えいただけますでしょうか。

参考人(小林嗣政君)

先ほど申しましたように、この相談を受けたときは、相手がすぐに明け渡さないというのであれば裁判をして明け渡すことはまずできるだろうと、これが一つの答えですね。それから、そうでない場合には、相手との話し合いによってしかるべき条件のもとでどうするかを決めていくという方法があると。今の御質問で、この契約書作成に至ったのはその後段のほうで、相手方との話し合いによってその条項、内容を詰めてまとめたというものです。ですから、その話し合いの中には来年明け渡しをしてくれということを言われたのか、3年だけで言われたのか、そこは私はわかりませんが、その当時の担当者の話を記憶の限りでお答えすると、先ほども言ったように、町としてはすぐすぐ明け渡しをしてもらわなくてもいいと。しばらくは使っていてもいいけれども、けじめをつけたいということで、この3条の内容は相手方との、何ていうの、話し合いの妥協の中で言ったと思います。そうなると、これは私の推測だけれども、1年で明け渡しをしてくれということを町で相手に請求したのかどうかはわからないし、で、仮に請求したとしても相手はそれは勘弁してくれと、もう少しゆとりを持った条項にしてくれと言われてこの3条になったのかもしれないし、それは私としてはわかりません。

委員長(待寺真司君)

よろしいですか。はい、他に。

委員(伊藤友子君)

一つお伺いいたします。土地は…土地明け渡しに関する契約書についての条文解釈だというふうに思いますが、一番最初に葉山町それから相手方の乙とは公有財産(別紙記載の土地で以下「本件土地」と言う)の明け渡しの猶予について、次の事項により契約を締結すると。猶予についてという前書きがございまして、それから本文に入るわけですけれども、本契約締結の目的の第1条とそれから本件土地の返還第9条がですね、幾ら私が読みましても矛盾を生じるのではないかというふうに私は考えられます。なぜかというと、先ほど先生がおっしゃいました、これは非常に緩やかに書いているので、もっと強く書くならば乙所有の建築物等が不法の…その一番きつく書くとですね、不法に所有しているというふうに書くべきところだがというふうにおっしゃいましたけれども、その平成20年3月31日まで猶予すると、第1条なっておりますね。しかし、平成20年3月31日が経過した場合、21年度の…21年度というんですか、またその後の契約が履行されていなければ乙の負担において直ちに地上の物権を撤去し原状に復して本件土地を返還しなければならないとなっております。となりますと、既に3月31日が過ぎた現状においてですね、次の契約ができてないわけでございますよね、今はね。そうすると、直ちに乙は返還しなければならないということになると思いますが、この辺の解釈というんですか、どういうふうに考えたらよろしいんでしょうか。

委員長(待寺真司君)

今、伊藤委員が御質問の趣旨でございますけれども、その現状ですね、4月過ぎててもまだ更新がされてないというような状況において、この9条が効力を発するのではないかということの認識でいてよろしいのかということだと思うんですが、この9条のその重さというか、強さって、この条文解釈について先生の御見解をということでございますけれども、よろしいでしょうか。

参考人(小林嗣政君)

これは今、御質問のあったとおりですね、本来は今まで毎年更新をしてきたとすれば、多分4月の初めに更新契約を…更新契約というのか、明け渡し猶予の契約の再締結をすると思うんですよ。で、どうして4月が過ぎてそれをしていないのか僕にはわかりません。それから、この契約書の条文上矛盾するということはありません。ただ、契約が過ぎて宙ぶらりんの状態になっているという事実はわかります。それは私には、それをどうしてかということはここではわかりません。ただ、推測するとすれば、今まで何回か更新をしてきたのが、そのことは問題になったために今どういう状態にしようかということを検討されているんじゃないかというのが、私のこれ推測ですけれども。で、その場合に9条が生きてきてですね、つまり明け渡し猶予期間が平成20年3月末で切れたからもう契約を…契約というのか、猶予が終わったから明け渡しをしなきゃならないというのは契約書上は出てくると思います。ただ、それでもう更新はしないよと、猶予期間が切れたから明け渡しなさいと、これからそういうことをした場合にさっき御説明したとおり、今まで何回か更新をして相手方が平成20年度も更新されるんじゃないかと考えている、その期待する気持ちを一方的に拒否するということが妥当なのかどうかということは私はあると思うんです。あると思うんです。ですから、今これからやるとすれば、妥当なのは、来年は更新しないよというのを今のうちに相手に通告して明け渡しの準備をさせるというのが、現実の対処としてはいいのかなとは思います。重ねて言いますが、契約書で矛盾することはありません。ただ、中途半端な状態に今置かれているという状態だけです。

委員(伊藤友子君)

そういうふうに解釈するのだなと思いますが、まだ釈然としないのはですね、土地は明け渡しに関する契約書ですから、そして年限、月日切っているわけですからね、そうすると行政上のミスということになりますね。この契約書に、甲が葉山町ですから。もう3月31日が来たら、このかなり穏便であるという契約書にもですね、乙に対して期待感も持たせているような契約書に対して、履行してくださいというその期限を切っているにもかかわらず、何もこれでいいんだというんですか、行政上のほうがですね、何もペナルティーを科さない、そういうところはそれでよろしいんですか。そうすると契約書というのは何だろうというふうに素人考えでは思ってしまうんですが。

委員長(待寺真司君)

よろしいですか。

参考人(小林嗣政君)

先ほどから言っているように、契約書上、期待権を持たせるということはありません。これはさっきから説明しているとおり。何回か更新してきたという経緯によって相手が20年度も更新していくんじゃないかなという期待を持つのは、契約書によって持つのではないんです。今までの更新をしてきた実績によって持つと、これが一つですね。それから、契約書は何の効力があるかないかっていうのを疑問に言われます、そういうことは全くないです。契約書…この契約書のとおりです。先ほどから言っているように、20年4月を経過した場合どうかというのは、それは行政のミスとかそういう問題ではなくて、例年ならば多分更新をしてきただろうと思うんですよ、それはわかりませんが。ただ、ここにきてこういうことで更新はどうかという問題が生じたために、町というのか担当者がそれを一応保留しているんじゃないかと、これは僕の推測ですから、正確でないかもしれませんが。そういう事実上の問題は今あるんじゃないかと思います。

委員長(待寺真司君)

伊藤委員、前回の委員会のときもさかのぼって、日にちはね、さかのぼって契約できる、過去にもそういうことが、過ぎてもね。

委員(伊藤友子君)

だから契約書の効力と契約書のそのあれですね。それは伺いましたから、はい。直前ですいません、結構です。

委員長(待寺真司君)

はい、ありがとうございます。

委員(畑中由喜子君)

基本的にまず小林弁護士がいつごろからこの問題について町から相談をお受けになったのかということなんですけども、不法占有はこれまでの議会に対する町側の説明によれば、昭和63年ごろから発生しているということでございました。で、実際に契約書は平成13年になって初めて登場するわけですけれども、それまでの間も町からの御相談ということでは弁護士にお願いがあったんでしょうか。

参考人(小林嗣政君)

僕もね、記憶はそこら辺はっきりしないんですよね。それで、今言われた63年ごろからあったということだと、契約…その最初の契約が平成13年ということになると随分かかっているから、そんなにあったかなというのは今思っていますけども。今記憶している限りでは13年に最初のこの明け渡し猶予の契約ができたとすれば、それのどのぐらい以前からあったかということは、よく記憶にないです。ただ、半年くらいの…13年4月以前、半年くらいの間で話が煮詰まってきたという記憶はありますね。ですから、その前にじゃあ5年前、6年前にあったけれども、間欠的にあって、何か解決しないまま立ち消えになったのかもしれないけども、ちょっと私、いつごろからあったというのは記憶ははっきりないです。

委員(畑中由喜子君)

そうすると、その契約書に至る最初の町からの御相談なんですけれども、それはこの立ち退かせるためにはどうしたらいいかという御相談であったのか、あるいは町の財産を失うことなく居続けさせるというと変かもしれませんけれども、そういうための方策についての御相談だったのか。そしてその結果がこの契約書ということで、それは弁護士のほうからの御提案だったのか伺います。

委員長(待寺真司君)

はい、お願いします。

参考人(小林嗣政君)

そこのところの記憶ははっきりしませんが、立ち退かせるということが主眼であるよりも、最初は時効取得されるんじゃないかと、町の財産が何か相手が大分古くから建物を建てているから、時効取得されるんじゃないかというのが一番懸念されていたポイントだと思いますね。それから、それの別の問題としては、時効取得がないというのであればけじめをつけたいと。不法占有をされたまま、土地の範囲もはっきりしていなかったのかもしれませんけれども、土地の範囲を明確にすることと、相手が時効取得されないように不法占有であるということを認めさせること、それから町の財産をただで町民が使っているというのはよくないから、それについてはしかるべき対価をもらうと。言うなればけじめをつけたいと。それでけじめの中には早く話し合いで返還されればそれはいい、非常にいいんだけども、たしかその今御質問のあったように、かなり以前から途切れて相談があったとすれば、その間いろいろ交渉されていたんじゃないかと思いますよね。で、その中でどうしても相手はすぐ返還できないから何とか猶予をくれというようなお話で少し長引いたのかもしれないけど、今言ったように、不法占有で時効取得をされないこと、それから範囲とか使用料を決めてけじめをつけたいと、これはかなりポイントとしては心配をされていたと思います。

委員長(待寺真司君)

あと…よろしいですか。先生からこの契約を結んだほうがいいというふうに町に提案したのか、町が契約書を、こういうのができましたということで、それに対して先生が御意見を言ったのか、どちらかという御質問でございますが。

参考人(小林嗣政君)

話の内容が決まったらば、それは文書にしておいたほうがいいですと。それで、大体ほかの相談事でもそうなんだけども、原案は町の担当者がつくってきます、大体。だからこのときもそうだったと思って、僕が手直しをして、その手直しも最初はかなり不法ということで厳しい文書を書いたような記憶がありますが、相手がちょっとこれきついからもうちょっと勘弁してくれというようなことで、やわらかい文書に直ってきたような記憶はありますね。だから今言った契約書の内容は、ほかの場合もそうだけども、大体担当者がまずつくってきます。で、僕が手直しをするというのが普通多いですから。これもそうだと思います。

委員(畑中由喜子君)

先ほども第3条のことで御質問出ておりましたけれども、私もちょっと知り合いの弁護士の方に御相談したりしてみました。で、やはりその使用目的が確定しないときは協議の上、明け渡し期限を延期することができるというこの部分なんでございますけども、町の使用目的が確定たとえしなくても、公有財産でございまして、あれを取得したときの状況からして、やはりあそこが葉山町の中での景勝地、一等地であるということも含めてね、景勝…景観保全あるいは環境保全という目的のために買い入れたということも一方で言えると思うんですが、そういう行政目的の部分をきちんと発揮するためであっても、明け渡しを求めるということはできるんではないかというふうに思われますけれども、その点についての御意見はいかがでしょうか。

委員長(待寺真司君)

はい、お願いいたします。

参考人(小林嗣政君)

今の場合、簡単に結論を言えば私はできると思います。明け渡しは、この条項で。それで、ただ話し合いで明け渡しをするということ以外で裁判でするということになるとすれば、裁判所の判断ですから、いつの場合でも100%できますということは言えませんが、この第3条で明け渡しはできると思います。ただその場合に、先ほどから言っているように、期日間際になって、もう来月から更新しないよというのはちょっとやはり難しいんじゃないかと。相当の期間を持って、前に相手に予告をして明け渡しの準備をさせるというのは必要であろうと。そうであれば3条で明け渡しは可能だと思います。

委員(畑中由喜子君)

ちょっと私の質問とずれているかなという部分もあるんですけども、そうするとこの第3条、土地の明け渡しのこの契約についてですけれども、部分はその町の意向で入れられたということでございましょうか。

参考人(小林嗣政君)

先ほどから言っているように、話し合いですから、妥協の中でこういう形になってきたんだろうと思います。ですから、1年間明け渡しを猶予して平成13年の4月に契約したとすれば14年の3月で明け渡すということもあり得たでしょうし、2年間の明け渡し猶予期間で相手が明け渡すということで話し合いがまとまればそういう契約になったと思いますから、3条になってきたというのは相手方との話し合いの中で(テープ1-B)

委員(近藤昇一君)

(テープ1-B)若干弁護士とも相談させていただいたんですけども、町の姿勢の中でどうしてもこの3条についてのね、うちの弁護士は理解できないと。本当にこの立ち退かせるつもりがあったのかどうかというのが非常に疑問だということなんですけども。先ほどのお話で確認ですけども、更新…一番最初のときは御相談を受けられましたけども、その後についての相談は、更新のときのそのたびの相談というのは受けてないということでよろしいでしょうか。

委員長(待寺真司君)

更新をするたんびには。

参考人(小林嗣政君)

契約書作成以後は相談を受けていません。

委員(近藤昇一君)

それで、先ほどの期待権の件なんですけども、ここ7年続けている…7年かな、続けていると思うんですけども、そういうことでのその…例えば1年だった場合ね、その期待権どうなのか、今、7年たって期待権はどうなのかという面ではどのようにお考えでしょう。経過してしまったという…。

委員長(待寺真司君)

年数経過による期待権の膨らみ度合いみたいな。

参考人(小林嗣政君)

期待権については先ほどから言っているように、ある年数、ある回数を重ねていけば相手にそれだけ期待する気持ちは出てくるから、それは尊重しなきゃいけないと思います。ただ、3条に書いてあるのは、相手がいつまでも使えるということではなくて、町の裁量でやめにすることはできるという、これは原則ですから。ですから、この3条で明け渡しは可能だと思います。ただその場合に、何回も同じことですが、そういう相手が期待する気持ちをわずかな期間、予告期間でもう来月からだめだよというのはちょっと難しいから、現実的には相当月数前にね、来年度以降は更新しないよと言っといた…言っとく必要はあると思う。重ねて言いますが、いろいろ別の弁護士さんにも相談されているというお話ですが、3条で明け渡しはできます。

委員(近藤昇一君)

それで、その3条の最後のところのいわゆる使用目的が確定しないときはこの期限を延期することができる規定ですよね。それで、できる規定なもんで、例えば3月31日ことしので契約が切れたと。で、契約更新しないと。そしてもう新たな契約をしないよと、こちらでもって一方的に、これはあくまでもできる規定ですから、しないよといった場合に、そうするとこの9条の2の明け渡しの遅延が生じたときという、使用損害金の2倍の遅延金をという、これに該当するのかどうかという、御見解いかがでしょう。

参考人(小林嗣政君)

ここで整理したいのは、明け渡し猶予の期間がいつ切れたかという、ここが問題になる。だから、明け渡し猶予の期間がいつ切れたかによって、その翌日以降は2倍の損害金になるわけです。で、明け渡し猶予期間がいつ切れたかというのは、契約で更新をしてくる…きてとすれば、これの、この契約書でいけばことしの3月で切れたというふうになれば4月1日以降が今度は2倍の損害金だと。で、私がさっきから言っているように、相手が契約が何回か更新されたことによって生じる期待する気持ちが尊重されなければならないということになると、今からいってことしの3月でもう終わりだよということでは難しいということは、明け渡し猶予期限がことしの3月31日で切れてないという解釈になるわけです。期待権を尊重するとすれば、ね。そうなると4月1日以降の2倍のペナルティーはないわけです。つまり、まだ明け渡し猶予期限が到来してないという解釈になるわけ。そこの違い。

委員(近藤昇一君)

それはあくまでもその期待権の大きさの判断に任されるということじゃないかなと私は思うんですけども。というのは、この3条ではできる規定で、確定しなければその期間を延長するとかね、しなければならないという規定ではないはずなんですよね。ですから、どちらか一方が延期をもうしないよと一方的に宣言してもできる規定ではないのかなと。そうなればことしは遅延損害金を取れるんではないかと私どもは解釈をしたんですけど、あとはそのお互いのその向こうで相手方の言う期待権、その大きさの判断になるのかなと。請求はできるんではないかと解釈するんですけど。向こうがその期待権を振り回してとんでもないという可能性はありますけども、そこは争いになると思うんですけど。

委員長(待寺真司君)

まあ、こちらから…はい、どうぞお願いします。

参考人(小林嗣政君)

同じことを言って、僕の説明が下手なのかどうか、同じことを言っているんですが、ちょっと角度を変えてお話をしますとですね、期待権というのは大きさの問題ではないんですよね。つまり、期待権が尊重されるということは更新権が生まれてくるわけです。したがって、もしその期待権が仮に裁判所で認定されるとすれば、ことしの3月31日には明け渡し猶予期限が徒過しちゃっている。まだ終わってないことになる、法律的には。ですから、この契約書ではことしの3月31日に明け渡し猶予期限が到来したけれども、その期待権が尊重されるとすれば、それはちょっと酷だよということになる可能性があるわけです。そうすると、契約上明け渡し猶予期限がことしの3月31日であるにもかかわらず、まだ終わってないという解釈が生じる可能性があるわけです。そうすると、それはいつかというのは難しいんですけれども、仮にそれがことしの10月31日で半年延びたとすると、ことしの10月31日までは明け渡し猶予期限が延長されたと見る可能性もあるわけです。あるいは1年更新だから来年の3月31日まで明け渡し猶予期限が延長されたと、更新されたと見られる可能性があるわけです。そうすると、それ…その期日までは明け渡し猶予期間中なんです。ですから、ペナルティーの問題生じないんです。生じないんです。そういう解釈なんですけど。

委員(近藤昇一君)

例えば民間同士だった場合に、可能性としては今の御説明ね、あるかもしれないんですけど、地方自治法で言うその238条の5ですか、で言っているその公有財産上の公益優先の原則、あくまでも公有財産の場合は正常に貸し付けた場合でも町のほうが一方的にその町のほうの理由で契約を解除することができるというのがあるわけですよね。で、そういう公益優先の原則から見た場合に、これはあくまでも正常な貸し付けではないというところから見たらね、私の見解が通るんではないかと。これね、幾らやっても平行線かもしれませんけど。あとはその町がね、そういう立場に立つかどうかという問題だと思うんですけども。
もう一つ伺っておきたいのは、これはもうあくまでも小林弁護士の見解、私見になるかもしれませんけども、今回のこのような事態については、財産管理上の怠る行為に当たるんではないかと。そうした場合に監査請求の対象になるとも思われますし、義務づけ訴訟のね、対象になるんではないかと、一日も早く立ち退かせろと、町長に対して。その辺の見解はいかがでしょう。

委員長(待寺真司君)

はい、お願いいたします。

参考人(小林嗣政君)

前段のこれは公有財産だから普通のあれと違うという点ね、それは私もそうだと思います。ですから、普通の民間のこの貸し借りの場合に生ずる期待とこの公有財産の期待とは、それは仮に裁判になった場合、裁判所の判断が違ってくる可能性はあると思う。で、具体的には返還させるという方向に有利に働くことはあると思います。ただ、俗っぽく言えば、7年も更新してきてそれで今後徒過してね、もう3月31日でだめだよと、いかにもそれは行政としては不親切でよくないのかなと。で、先ほど言っている期待する気持ちは公有財産だろうと私有財産であろうと使っている人はそう思うでしょうから、やっぱりこれは尊重してあげなければいけないのかなというのは、それはやっぱり考える余地はあるんじゃないかと思うんですよね。ですから、今言われたような公有財産であるからその期待権をそんなに簡単に持っちゃいけないよという点では町に有利だろうと、それは思います。(「監査請求のほう」の声あり)あ、これね、監査請求は僕はちょっとここではお答えしたくないです。

委員(近藤昇一君)

補足しておきますけども、正直言いましてこの契約書、我々議会のほうが見たのが3月になって初めてだったんですよ。それで議会のほうとしては多分皆さんだれも見てない…私だけじゃないと思うんだけど。そういう面では議会自体がもうあわてているというのが実態なもんで、そのことをちょっと申し添えておきます。

委員長(待寺真司君)

あと…。

委員(畑中由喜子君)

ずっとお話を伺っておりまして、弁護士…小林弁護士に御相談の初めがとにかく町としてはその時効取得されることの懸念とか、それからけじめをつけたいという部分での御相談だったということはわかりましたけれども、ずっと町の顧問弁護士というお立場で町の公有財産をきちんとした形で保全していかなければならないという、町の基本的なこれはもう姿勢、あるべきでございますよね。その町の顧問弁護士というお立場で、こういう事案が発生し、確かに職員からの御相談というのは先ほど来の、私がもう今申し上げました2点、非常に強く出たのかなというふうには思いますけれども、その顧問弁護士というお立場で町の公有財産、どのような形で保全していったらばいいのかという部分でのお考えは当時からいかがでいらしたのか。早く取り戻すべきだというお考えであったのか、それとも町の職員に聞かれたことに対しての対処だけをお考えでいらしたのか、その辺の基本的な部分でお聞かせいただけたらと思うんですが。

参考人(小林嗣政君)

これはなかなか難しいあれで、基本的にどうかということになると、間違って、明らかに違法であるということについては、これは法律に違反だから正さなきゃならないという助言はします。それから、町の財産をどう使われているか、あるいは今後どうするかというのは私が立ち入る問題ではないと思うので、つまり、不法占有というのは法律的には違法なんですよ、違法、悪いことなんです。ただ、使っているほうから見れば、相当前から使っていたらしいんですが、どういう経緯で使ったかわからない。だからそれを正すということは当然私も助言しなきゃいけないと思うんです。それで、正し方については相手が、わかりました、じゃあ明け渡しましょうということであればそれはそれで結構なんだけど、それがだめな場合には裁判で明け渡させることはできます。ですから、一番最初にもお話ししたように、この本件については訴訟手続で明け渡すことは可能ですと。それからもう一つは、相手方との間に話し合いをして、しかるべき内容で解決することもありますと。それをどちらをとるかは町の問題ですから、いずれをとってもいけないということは僕はないと思うんです。ですから、これは明け渡さないで今までおいたことがいいとか悪いとかという問題は、私としてはそうは思ってないで、けじめをつけて対価を取って、そしてそれについて町がどうしてもここが必要であるということでなかったとすれば、それはそれで一つの行政のあり方ではないかなと。そのことについて私がいついつ相談したことはどうなったかということはほとんど聞かないです。相談を受けるときにはこういうことでどうですかということは言うけど、終わった後についてあれがどうなった、更新何回しましたということは聞いたことはありません。

委員(畑中由喜子君)

私の認識とはちょっと大きくかけ離れるところがあるんですけども、そうするとその公有財産のあり方という点について、こういう不法占有が発生しているというようなことを正すべきだというお立場ではないということ。

参考人(小林嗣政君)

だから、正すべきではないということは言ってないんですよね。不法占有は悪いんです。ただ、行政としてそれにどう対応するかは町の姿勢のあり方だから、いろんな解決の仕方あるわけ。で、同じことを言って申しわけないけども、法律的な手続どんどん進めて強制的にも明け渡すことは可能だと思います。そうでなくて、相手と話し合ってしかるべき内容で和解というのか、その財産のどういうふうに処置をしたかというのも一つの解決だから、どちらがよくてどちらが悪いということは僕はないと思います。

委員長(待寺真司君)

よろしいですか。

委員(森勝美君)

20年の3月31日が期日となって猶予期間が切れている。しかし、今後明け渡し契約書の中で更新をしないということを改めて明記すれば、行政目的として使用しなくても、期間の延長をしなくても…しなくてもよいということで、その第3条の条文を変更することと同時にそれをすれば、次回の更新はないというふうに考えてよろしいんでしょうか。

参考人(小林嗣政君)

だから、2つあると思うんですよ。で、一つは毎年明け渡し猶予の更新をしてきたのと同じ相手と話をして、今まで更新してきたけども来年はもう更新しませんよと、それで相手もわかりましたと言って契約をしてしまえば、それはそれではっきりします。もう更新ないと。それから考えられるのは、相手はそれは困るよと、今まで何回か更新したのにまだうちは使いたいから何とかしてくださいといって契約書にサインをしない場合もあると思うんですよ。だからそのことを、先ほどから言っているのは、そういう場合にも明け渡しは可能だと。ただ、同じことを言って恐縮ですけども、差し迫ってもう更新しないよというのは少し不親切だから、相手が新しい契約にサインしない場合には、こちらから一方的に来年21年の3月で明け渡し猶予はしないというはっきりした意思表示を、普通内容証明とかそういうのやりますが、そういうはっきりした意思表示をしておく必要はあるんじゃないかと、そういうふうに思います。だから2つですね、契約上更新しないということと、それから通知で更新はしないという意思表示をするか、どちらか。

委員(近藤昇一君)

すいません、5条なんですけども、この契約書の。で、この本件土地の形状を更新あるいは工作物の修繕、これを規定しているんですけど、これは平穏にね、一般的に貸し付ける際の条項ではないかと思われるんですよね。明け渡しを求めているのに、まずその土地の形状の変更とか工作物の修繕という…を認めること自体が私おかしいと思うし、この条項がなぜ入るのかと。入っているということは土地の形状とか工作物の修繕、これを認める可能性があるというふうになってしまうんですけど、この辺の見解いかがでしょう。

参考人(小林嗣政君)

承認しなきゃいいんです。承認しなきゃいいんです。5条に書いてあるとおり、承認を得るものとするだから、承認しなければ、不都合ならば。ただ、相手が工作物をやっている場合、雨漏りがするとかそういう場合でも、何回更新するかまだわからないし、来年明け渡しをしてもらうかもしれないからだめだよということもできるし、当面まだ二、三回町としては更新してもいいと思って修理を…雨漏りの修理を認める場合もあるし、それはそのときの裁量で、だめならば承認しませんということでこの条文はできるわけですから、全く不都合がないです。

委員(近藤昇一君)

逆に言えば、この条文があることによって相手方は期待するんじゃないかなと。可能性があると。もう一切認めないよという1年間ではないのかなと私は思っているんですけどね。それは見解の相違になりますか。

参考人(小林嗣政君)

いや、見解の相違じゃなくてね、承認しなければいいんだから、別に問題はないですよ。承認をしないだけの問題だから。だから、ただ、この条文があるためにね、町は承認してくれるんじゃないかとかそういう考えを持つと、それは期待権とは別なんです。この条文によって相手が長く借りられるとかそういうことは全くないです。

委員(畑中由喜子君)

今の部分なんですけども、例えばこの条文が維持保全するものとする…維持保全するものとするというのは当然だと思うんですけれども、ただし、本件土地の形状変更あるいは工作物を修繕するということは認めないというような条文というのはあり得ないんでしょうか。そのほうが期待もされないし…。

参考人(小林嗣政君)

あり得ます。だからさっきから言っているように、もう一遍言いますと、何にも認めないで明け渡しをさせるのは裁判ではできます。そのほかは町と相手との話し合いでしかるべき条件でけじめをつけるというと少し俗っぽいですけども、さっきから言っているように、町の土地を相手は占有していることを認めた、だから時効取得はないと。それから、明け渡し猶予ということで使わせるんじゃないよということですね。それから適正な対価を取ると。これを盛り込んだ…これは盛り込まなきゃならない。あとは相手との町との話し合いで内容を固めていったということです。

委員長(待寺真司君)

つまり…おおむねちょっと1時間なんで質疑のほうそろそろと思うんですけど、最後。

委員(畑中由喜子君)

そうするとこの条項もまた町の意向によって入れることになったという解釈でよろしいでしょうか。

参考人(小林嗣政君)

町の意向じゃなくてね、第1番目は訴訟で明け渡させる、そのほかは相手と町との話し合いの中でしかるべき内容をまとめて和解…和解というのか契約をすると。その後段のほうのいろいろな問題の中で町と相手が話をして、そういう内容を固めたわけです。だから町の意向じゃないんですよ。話し合いの内容。

委員長(待寺真司君)

他に委員さんのほうは。

委員(加藤清君)

1点だけ確認なんですけど、不法占用しているから時効取得はないということですから、例えばこれ…先ほど契約をしなかった、相手も拒否した場合。で、今後の問題なんですけど、それでも相手が不法占用を認めているので時効取得はできない、発生しないということでよろしいでしょうか。

参考人(小林嗣政君)

できません。時効取得というのは人のものを自分のものと思って占有する場合ですから。もうこれははっきりと自分のものと思っていないから、時効取得の要件はないわけです。ありません。

委員長(待寺真司君)

では、委員の皆様、質疑のよろしいですか。それでは委員外議員から挙手がありますが、発言を許可してよろしいでしょうか。では、簡潔にお願いします。

委員外議員(鈴木道子君)

ありがとうございます。最初のほうのお話で小林弁護士がこの契約書について見せられて、行政のほうから見せられて手直ししたというようなお話がありましたね。それでその手直しの一つでしょうか、第1条で、例えば乙所有の建築物等が不法に占有しというようなことはきつい言葉だから、これはないほうがいいだろうというようなことをおっしゃったというふうに受けとめましたが、まずそれをお伺いいたします。(「これは反対なんですよ」の声あり)反対なんですか。

参考人(小林嗣政君)

僕が最初に、相手がこの土地を不法占有しているということを冒頭に書いて、本件土地を相手が不法占有してその上に相手所有の建物を建てているという、そのお決まりの、我々は和解する場合にははっきりと不法占有ということを書いてやるのが普通。そういうふうにしたんだけれども、相手のほうがちょっときついんじゃないかということを言ったらしくて、それでその「不法」という言葉は取って、しかし第1条でその趣旨をうたったという記憶はあるんです。だから、一般に我々が不法占有の場合にはそこをはっきり大体書くのが常套ですから、それを私が助言というのか、したと記憶はあるんですよね。

委員外議員(鈴木道子君)

これはじゃあ私の勘違いで、先生のほうからそういうふうに助言をなさったということだというふうに受けとめました。で、先ほどのお話の第5条についてなんですけれども、これ…こういう文面を行政側から提示されて、それに対する御助言ということはなさらなかったんでしょうか。つまり、本件としての形状を変更をする、または工作物を修繕するというような文面は行政側としては必要ないのではないかというような御助言はなされなかったんですか。

参考人(小林嗣政君)

この点ね、僕ははっきり覚えていないんですがね、普通の我々が裁判なんかでやる和解のときには明け渡し猶予期限…期間内はもう建物の変更とかそういうのはまず原則は認めないというのが普通なんです。ですから、ここに置いてあるのは多分相手の希望でそれを認めたのかなという気はします。ちょっと記憶ははっきりしないんですがね、原則的には普通は明け渡し猶予の場合には建物の形状に変更しないというのはかなり書くのが普通なんです。で、それがここにはこういうことで書いてあるところを見ると、相手が希望したんじゃないかなと。ただ、先ほどからお話ししているように、事前に文書をもって甲の承認を得るものとするというから、不都合な場合は町はだめだよという条文にしておいたというんじゃないかなと。

委員外議員(鈴木道子君)

では、最後の質問は、最初の今までのお話ですと最初の時点でこういう契約でどうかというふうに行政から提示をされたというようなふうに受けとめますが、最終的にこういう契約書をつくるんだと、で、これでどうだろうかという提示を受けたという御記憶はありますか。

参考人(小林嗣政君)

最後はそうだと思います。こういう契約で相手も調印するということでどうでしょうかというのは、締めとしては僕は見たと思います。

委員外議員(鈴木道子君)

それをごらんになっての…それはごらんになっただけ。そのときのアドバイスというのは、最終的なアドバイス、または御懸念の部分がある場合は町に対してのその部分を提案したというようなことはございませんでしたんでしょうか。

委員長(待寺真司君)

最後を見て町に対する助言ですね。

参考人(小林嗣政君)

その点もね、はっきり覚えていない。たしか1回じゃなくて何回か契約書の変更された案を持ってきて、そして先ほどから言っているように、私が一番覚えているのは…覚えているのは、一般的には不法占有の場合には不法という言葉を入れるのが相手の希望でもう少しやわらかくしてくれというのは多分あったと思うんですよね。そのほかは何回かそういう条文があって少しずつ変わってきたんじゃないかと。それで最終はこれで調印しますよというのは見たから、そのときの助言というのは、今までこうやってきた中の集約されたものだから、最後に見たということだろうと思いますね。それで、余りはっきりした、最後にどこを言ったかという、そういう記憶はちょっとないですけども、そういう経緯の中でまとまってきたんだと思います。

委員外議員(守屋亘弘君)

3月26日のほうの文書の中で、先ほど参考人もたしか読み上げたと思うんですが、最後のページの最後の2行目、「当該土地にはいろいろな絡みがあるため、町としては裁判による強硬な立ち退きは行わないという意向であったと記憶している」と。この、土地にはいろいろな絡みがあるというのはどういうことだったんでしょうか。

参考人(小林嗣政君)

具体的にどういうことがあったっていうのは今…今というのか、このときの相談でも覚えてはいないんですが、たしか非常に古くからこの土地を相手方が使っていて、何かいろんな担当者が話をしていたけども、こういう経緯があるんだから使わせてくれとかいうようなことで何か長引いたような記憶があるんで、こういう言葉で言ったんじゃないかと思いますね。だから、昨年不法占有して今問題にしているっていうんじゃなくて、大分以前からあそこを使っていて、使わせる使わせないというようなことで何か大分担当者が話し合いに行ったけど解決しないというようなことがあったと記憶でこういうふうな表現をしたのだろうと、具体的な絡みの内容というのはわからないです。

委員長(待寺真司君)

町道の廃道とかの問題だと思いますので、経緯で。

委員外議員(守屋亘弘君)

いや、余り記憶がはっきりしないっていうんならそれはそれでいいんですけれども。11月9日の例の先ほどちょっと冒頭に触れられた文書の中で、舌足らずだったというようなお話なんですけれども、勝訴の確率は50%以下だと思うとここにはっきり書いてありますが、現時点でもそのような御判断でしょうか。

参考人(小林嗣政君)

僕が舌足らずだって言ったのは、契約書に基づいて今裁判を起こしたらどうこうということではなくて、いきなりもうことしの3月までで終わりだからだめだよというようなことはちょっとまずいんじゃないか。そうなると裁判所がそれを認めるというのは、かなり低くなる可能性はある。だからその期待するという、期待しているということを尊重するならば、相当予告期間を言って、もう来年は更新しないよということを言わないと勝訴率というのは下がるんじゃないかと、そういう説明を私はしたと思うんですが、あるいは十分でなかったのか、こういうまとめにはなっています。

委員外議員(守屋亘弘君)

ですから、今もってその50%以下だとお考えでしょうかということをお聞きしているんです。

参考人(小林嗣政君)

だから、前提があってですね、今もう3月31日が終わりだからだめだよといった場合に裁判所がどう判断するかというと、ちょっと僕は心配だなということです。

委員外議員(守屋亘弘君)

だから、心配は心配でわかりましたけども、勝訴する確率っていうのは50%以下ですか。なおかつこの時点においてもそのようにお考えですかという。

委員長(待寺真司君)

先生の見解を。

参考人(小林嗣政君)

そうですね、やっぱり私、50%という数値はなかなか難しい数値なんだけれども、勝訴率は下がるだろうなということですね。

委員長(待寺真司君)

大分ちょっと時間を押してますので簡潔にお願いします。

委員外議員(山梨崇仁君)

私もちょっと先生に、自分も町民の代表で出てきていますので厳しい質問になるかもしれませんけども。先ほどから先生の言葉の中でですね、「町側が」という言葉が幾つかございまして、その町側の意向だというふうに説明されたんですけれども、我々町民からすればですね、先生は顧問弁護士、町の顧問弁護士ということで、あくまで先生も町の側の立場であると私は認識をしておりました。その中で先生が、町側がこういう提案をしていると、こういう思いを持っていると、そういったことに対してこれは明らかに違法行為だと、それをこういうふうに改善していくべきだと、そういう指針に対して積極的におっしゃった機会というのは、再度の質問なんですが、なかったんでしょうか。またそうなりますと、今後ですね、顧問弁護士というものについての考え方も考え直さなければいけませんので、先生その辺の御見解を伺いたいと思います。

参考人(小林嗣政君)

どういうふうに答えていいかわからないけども、先ほどから言っているように、違法行為だからそれを即やめさせなければならないという、そういう違法行為もあればですね、違法行為だけれどもこういう解決をしようというような解決の仕方もあって、一義的ではないと思うんですよね。ですから、不法占有だからすぐに裁判やっても明け渡させなきゃならんかどうかっていう問題は、そのケース、ケースによってはやっぱり対応の仕方が違ってくるんじゃないかと僕は思いますね。ですから、先ほどから言っているように、町側、町側というのは行政ということと、それから私は助言をしたり意見を述べたりする立場ですけども、決定されるのはやっぱり町でいろんなそういう助言を聞いたり状況を見て決定されるとか、それは私がこうしろというような立場ではないから。本件の問題についてももう同じことを言うようですが、これは絶対許せないから明け渡しをしなきゃ…させなきゃならん、それについては裁判をやりましょうというところまでは言っていません。裁判をして明け渡させるという方法もあるし、相手と話をしてしかるべき内容の解決をするという方法もあります、こういう助言はどういう場合でも…どういう場合でもしていると思います。ただ、絶対これは放置はできないという問題についてはそれは裁判をしてもやったほうがいいです、あるいはやるべきですよというような、そういうことを、ケースもあるとは思います。それはだけどケース、ケースでそんなに違法だから何が何でも、いつも強制的に解決しなきゃならんというような狭いものじゃないんじゃないですか。

委員外議員(山梨崇仁君)

すいません、時間がない中で。となりますとですね、ちょっと本件からそれるのかもしれませんけども、先生は7年間…7年前にこれが違法状態であることを認識し、それを契約書の作成に携わられて、町のほうで後は意向に任せたという御発言がありましたけども、本件以外にですね、現状先生が3月退任されるまでに町が違法状態にあるということを先生が認識された事案というのはほかにはあったかなかったで結構ですので、せっかくですので教えていただけますでしょうか。

委員長(待寺真司君)

ちょっと別な質問で、長者ケ崎町有地とには関係直接ないものなので…(「あったかなかったかだけでも」の声あり)どのような案件で、裁判になるような案件ということですか。

委員外議員(山梨崇仁君)

違法だということを把握された上で、これをわかる方もいらっしゃらないので、ほかには。

委員長(待寺真司君)

要するに、違法行為であることをされているけれども町が看過しているものが事案として先生のところに報告があったかどうかということの確認ですか。

参考人(小林嗣政君)

僕はその違法で…やっぱり大小いろいろあるでしょうからね、違法ということになると範囲が限りなく広くて、例えば公租公課を払ってないのも違法と言えば違法でしょう。だから、それはじゃあ徴収しなきゃならんということまで僕が言うのか言わないのか。だからそれは限りなく広いから、ちょっとお答えしかねるんじゃないかな。

委員長(待寺真司君)

違法行為の限定性がちょっとないので、この段階ではちょっと難しいと思いますので。

委員外議員(阿部勝雄君)

すいません。2点お伺いしたいと思います。この更新の契約は一般的な賃貸、そういうものとほとんど変わってないような内容です。今回の不法と一般的なその解釈…やめたという契約破棄ですか、それとの違いで裁判上どういう有利な点があるのか、まず第1点。それと、先生が先ほど来ずっと言ってこられた契約更新が7年も続いてきたというのは、先生の立場から見て想定外だというふうにお考えなのかどうか、2点お願いしたい。

委員長(待寺真司君)

はい、お願いします。

参考人(小林嗣政君)

この一般の賃貸借と明け渡し猶予の契約書との違いというのは、これも先ほどからお話ししておりますが、一般的な賃貸借というのは契約上その土地を使う権利を認めて、そしてその条項を決めるのが契約ですよね。それから、不法占有で明け渡しを目的にする場合には、不法占有であるという、つまり権限がなく使用しているということを認めさせて、その明け渡しについての条項を決めるということで、基本的に違いますよね。だから、したがって、明け渡しの内容によっては相当強く盛り込むこともあれば、これはさっきから言っているように話し合いによる妥結ですから、双方の条件を織り込むということで、それはいろいろなケースがあると思います。
それから、7年が想定外ということは、一般的には明け渡しを猶予するということでの7年というのは長いと思います。裁判なんかで明け渡し猶予期間を決めるというと、やっぱり3年とか、私の扱った中では5年というのもありましたけども、かなりそれは長いほうですね。これはもう5年先に明け渡すということをもう決めちゃって、そういうのでやるから、7年というのは一般的なあれから見れば長いと思いますね。

委員長(待寺真司君)

よろしいですか。ちょっとテープ交換のため暫時休憩します。
(午前11時29分)

委員長(待寺真司君)

では、休憩を閉じて委員会を再開いたします。(午前11時29分)
それでは以上で参考人に対する質疑は終了させていただきます。
それでは最後になりました。参考人に対し委員会を代表して一言御礼を申し上げます。本日はお忙しい中、当委員会に御出席いただき、ありがとうございます。なお、また、当時の貴重な御意見等をいただきました。心から感謝をいたします。当委員会としましても、本日小林参考人からいただいた御意見等を委員会の調査に十分生かしていきたいと思っております。本日は本当にありがとうございました。
では、参考人退出のため、暫時休憩いたします。(午前11時30分)

委員長(待寺真司君)

それでは休憩を閉じて委員会を再開いたします。
(午前11時33分)
それでは森町長本日はお忙しい中、当委員会からの出席要求におこたえいただきまして、御出席を賜りまことにありがとうございます。長者ケ崎の町有地問題につきまして前段で小林弁護士から当時の経緯等について委員会のほうで調査を行いました。その委員会の中でまた今後その長者ケ崎町有地について、現在使用目的がないということで先方との契約期間が7年間、1年更新で延びてきております。今後町長がかわられまして、町長の方針として長者ケ崎町有地についてどのようにお考えになられているかということを委員の皆様お聞きしたいということできょうは御出席をいただいておりますので、町長から御発言をいただきたいと思いますが、職員のほう既に入場しておりますので、私のほうからちょっと紹介をさせていただきますが、総務部長の根岸部長、それから管財課長の小坂課長、課長補佐の千葉さんでございます。で、町長から御説明いただいた後、質疑という形で補助職員のほうから質疑を行っていただきたいと思います。それでは森町長、御発言のほうをよろしくお願いいたします。

町長(森英二君)

どうもおはようございます。御苦労さまでございます。
昭和50年に買い取りを行って以来三十数年、そのまんま、夏の間は駐車場に使っていけるということで、通年で有効活用という面では、今までそのまま過ぎたのがちょっと意外な感じがします。私としましてはこの貴重な財産といいましょうか、土地をですね、そのままにしておくのは非常にもったいないということで、特にこの財政が非常に厳しくなっていることと考え合わせますと、何か有効な活用はぜひここでしたいというふうに思っております。もちろんこの貴重な場所、ああいう特異な場所にありますので、その立地を生かした活用、また場合によっては売却ということも含めたすべてのあらゆる案を考えていきたいと。そのために差し当たってはとりあえず町内でこの町有地…長者ケ崎町有地の有効活用検討会というようなものを立ち上げて、そこで検討を進めたいというふうに考えております。

委員長(待寺真司君)

それではただいま町長から…ごめんなさい。この長者ケ崎町有地についての町長のお考えを伺いました。なお、質疑なんですけれども、町長公務お忙しいと思いますので、町長のまずただいまの御説明に対する質疑をまず行わせていただきまして、先ほどの弁護士に関する件で職員への質問等あろうかと思いますので、それは町長御退席後ということにさせていただきますので、御協力をよろしくお願いします。
それでは、ただいまの町長の御説明に対して質疑のある委員さんの挙手を求めます。

委員(近藤昇一君)

活用についてはね、当然もう今まで議会の中で何人もの議員がね、どうするんだっていうことは言っているんですけど、今、我々問題にしているのはやはり不法占有の問題がね。これにどう対処するのかっていうのを町長の姿勢を伺いたかったんですよ。

町長(森英二君)

この今までのこの契約書といいましょうか、ものを見ますと、町がこの町有地を活用する方法といいましょうか、具体的な案が出てきたときにはそれが退去するということになっているように理解しております。ですから、活用方法が決まれば当然そこの時点で立ち退いていただくということになろうかと思います。

委員(近藤昇一君)

前顧問弁護士である小林さんの、参考人の発言の中でも、たしか活用の目的が、その…ね、理由にはならないっていう見解もここで、いつのやつだったかな、出ているんですよね。それと、我々が解釈しても、一つには先ほども小林弁護士にも話しましたけども、あの…何ていうか、環境を保全していく、そういう面でもそれも一つの大きな目的だしね、行政目的として。で、何ていうの、保全していく、それも行政目的だし、ここで言う3条が立ち退きの支障にはならないという見解がね、あるわけですよ。そういう面で、具体的に伺いますけども、町長の考えとして今交わしている土地明け渡しに関する契約書、これを更新するのかどうかなんですよ、一つには。先ほどの見解ではもう7年も更新しているというのは、小林弁護士も異常だったと。ですから、こんなに長く…最初は相談を受けたけども、更新のときには一切相談を受けてないから、こんなに長く更新するってことは想定外だと明確に言っているわけですね。自分の扱った事案でも5年が限度だと。普通は1年とか2年とか3年。それが7年も続いているっていうことはやっぱり異常だっていうことをはっきり言っているんですよ。ですから、この契約を更新するつもりがあるのかどうか。当然これは町長の決裁もありますから、町長が判を押さなければ契約は成立しないと思うんですよ、お互い町長印でもってやっていますから。その辺のお考えを伺いたかったんです。

町長(森英二君)

この契約書の第1条でことし20年の3月31日まで猶予すると、1条なっていますね。そして3条、第3条で第1条の明け渡し期限までに町の使用目的が確定しないときは期間を延期することができるという、できるということになっています。で、現に3月31日はもう過ぎているわけですね。これが事実、3月31日もう過ぎているわけですから、今回は更新をしなければいけないのかなと。この解釈上ではそうなる。

委員(近藤昇一君)

これはできる規定なんですよね。ですから、あと町の意思でこれ以上は契約はしないよということもこれはできるわけで、現にこの契約自体はもう既に切れているわけですね。で、契約というのは両者が合意しなければ契約というのはね、結べないわけですよね。相手が一方的に、じゃあこれでね、契約結んでないけども、例えば土地の貸借みたいな形でね、契約結んでなくても金さえ納めれば、供託でもすればね、権利が発生するかというと、そういう権利は発生しない土地なんですよ。で、そういう面では町の意思さえね、あれば、今後は契約しませんと。ですから、仮に契約するにしても例えば半年間しか結ばないよ。で、この3条はもう削除すると。延期することはあり得ないというような契約は私はあり得ると思うんだけども、同じ契約をまた結ぶっていうことは、また来年の3月ごろになってね、また目的がはっきり…町長そう言ったけども、はっきりと目的が決まるか決まらないかによってはね、また1年延びるわけですよ。そういう中でますます相手方には期待をかけてしまう。期待権が発生してしまうっていうことになると、逆に相手に対して迷惑もかかるし、場合によってはあれですよ、町に対してね、監査請求もできるだろうし、いろんな新たなその自治法の改正の中によって義務づけ訴訟ですか、これもできるわけですから。今のね、町長の考え一つでもってこれについては大きく前進すると思うんですよ。その辺の決意を聞かせていただきたいなと思って町長においでいただいたんですけど。

町長(森英二君)

ことしじゅうにはですね、今年度中にはその使用目的を明確にしていきたいなと思っております。ですから、それを前提としてこの契約、明け渡しを要求するということも可能かなと思っていますが。

委員(畑中由喜子君)

すいません。その使用目的なんですけれども、何年間、何年来あそこの使用目的が定まらなかった中で、どのようなものになっていくかというのはこれから検討会というふうにおっしゃっておりますけれども、ここにきてものすごく急いで、何ていうんでしょう、全体の合意に至らないような形でもしもね、その目的を定める、その明け渡しを求めるがためにというようなことになったら、これは本末転倒だというふうに思いますよね。で、この条文の解釈ですけれども、先ほど来近藤委員がおっしゃってましたけれども、ここはあくまでもできる規定であって、それで私も先ほど申し上げましたけれども、私も弁護士…別の弁護士にも御相談したんですよ、このことに関して。そうすると、その明らかな使用目的、例えば何か建物を建てるだとか、公園にするんだとかっていうもう図面ができるような形までのものがなかったとしても、あそこはもう町の本当に景勝地、一等地ですよね。で、あれを買い入れた経緯というのもその辺も十分含まれていると思います、当時のことを考えても。で、それこそがあそこの目的であって、あの土地を町が所有していることの目的であるということを私は十分主張できると思うんですね。そういう部分で、何も焦って使用目的をここで定めるまでもなく、その契約の、これ以上続けないということ、明け渡しを求めるということが私は可能だと思うし、その部分で町長には決断をしていただきたいなというふうに思っているんです。
で、明け渡しの義務を求める義務というものが私は町長にはあると思いますし、それがその自治法の改正によって町長に対してその住民からね、明け渡しを求めなさいよという、その義務づけの訴訟を住民側から起こすという権利もあるわけですから、そういうことにも至らないとは限らないわけです。だから、そこら辺も十分考慮なさって、私はもう直ちに明け渡しを求めるという方向で行くべきではないかと。もう現実遅過ぎるぐらいですよね。町長かわられたばっかりでその前のことについての責任ということは町長におありになるとは思いませんけれども、やはり行政の継続性の中で今度変わられて、やはりここではきちんとした意思表示をするべきじゃないかなというふうに考えるので、その点の町長のお考えを改めてまた伺いたいんですが。

町長(森英二君)

私も明け渡しの要求をするのは遅過ぎたぐらいだと思っております。はい。ですからそういう方向で行きます。要求をしていくと。だからそれは同時に、その明け渡しの要求をすると同時に、活用方法ですね、今の1,118坪の土地の有効活用をしていくと、活用方法を考えていくという、両方です。

委員(畑中由喜子君)

すごく気になったのがね、売却も含めたとおっしゃったんですよ、さっき、町長が。で、そのことは私はもうぎょっとしているんですけども、議会では売却ということは一切反対だということで、この不法占有している地主さんにその占有されているところだけでも売却してほしいという希望もあって、町は一時期それを検討した経緯があるんですよ。それ議会はとんでもないということで、それをとどめました。そういう経緯もあるんです。で、あそこを町が売却するっていうのはちょっと考えられないことなんですが、何のために購入したかっていうことも考えればね。それが先ほどの環境を、町の景観ですよね、それから環境も保全するという大きな意味を持った部分かなって私は考えているんで、必ずしも今ものすごく焦って急いで使用目的を限定するっていう必要があるのかどうかっていうのは非常に疑問です。そこまで行かなくても明け渡しを求められると私は解釈していますし、町長はだから今まではずっとその使用目的を定めなきゃっていうふうにこの条項を見て、ごらんになってそう思われたんだと思うんですけども、きょうのその小林元顧問弁護士のお話を伺ってもそうじゃないんじゃないかっていうことが出てきているわけです。だから、また改めてね、そこら辺は考えていただきたいと思うんですけど、いかがですか。

町長(森英二君)

ですから、先ほど言いましたように明け渡しの要求は要求で遅過ぎたぐらいだから行っていくということが一つ。それと土地をそのまま三十有余年ずっとそのままにしていたわけですよね。余りにももったいないじゃないかという感じがしているわけです。ですから、この財政が非常に厳しいということとあわせ考えると有効な活用をこれも考えていく、そういう意味です。

委員(畑中由喜子君)

じゃあもう一つだけ確認させていただきたいんですけど、その明け渡しを求めるについて、その有効利用の目的ができ上がらなければ求められないと思ってらっしゃるわけじゃないっていうことでよろしいですね。

委員長(待寺真司君)

確認ですが。

町長(森英二君)

はい、そのとおりです。

委員長(待寺真司君)

よろしいですか。伊藤委員、さっき…いいですか。

委員(近藤昇一君)

私のほうちょっと考え方だけね、表明しておかなきゃいけないと思いまして。あくまでもこの契約の更新については私は反対です。すべきではないと考えていますんで、最終的に町長がどう判断されるかはわかりませんけども。そのことは申し述べておきたいと思います。すいません。

委員長(待寺真司君)

他に御質疑。

委員(土佐洋子君)

町長の言われた売却というのは、あの土地すべてですか。その不法占有されているところの場所だけのことですか。

町長(森英二君)

不法占有されている建物に隣接した非常に…単独では有効に活用できないような土地もありますよね。それは向こうが買い取りを要求しているというような背景も聞いておりますので、それは即売却してもいいと思います。(私語あり)その隣接している場所ですよ。非常に細長かったり…。(私語あり)

委員長(待寺真司君)

土佐委員、いいですか。

委員(近藤昇一君)

公文書の中にちゃんとね、あそこに出ている文書を全部読んでみればわかるんですけども、決算・予算の特別委員会、総務建設常任委員会…総務委員会かな、それから本会議でもっていう書き方で相手方にはお断りしているんですよ。相手方から払い下げしてくれないかっていう中に、この文書の中にちゃんと出てきています。この文書については公文書公開でもって出していただいた文書ですけども、あそこに議会事務局のほうに出されている文書の中にはちゃんと議会の中でわざわざその…決算だっけ、決算特別委員会、どこかにあると思うんですけど。それから常任委員会、そして本会議、そこで議会としては反対の意思表示が出てるんで売り払いについてはできませんと。それで今度、森町長になったら売ってくれたなんて話になれば、これは大きなマイナスだと私は思いますよ。だからその辺はもう少し過去の経過も調べていただかないと、森町長になったら売ってくれた、守屋さんのときは売ってくれなかった、いや、森さんいい町長だなって言うかどうかね。

町長(森英二君)

その辺の議会での議論の経緯、結果、そういったものをよく見させていただきたいと思います。

委員(伊藤友子君)

ちょっと心配になりましたので。かなり畑中委員がきちんと言ってくだすったので、私はもういいかと思いましたけれど、今、町長のほうで一部売却のようなことをおっしゃったけど、あそこは一切ですね、売却などということはお考えにならないでいただきたい。じゃないと議会と大変な問題になると思います。なぜかというと、すっかり…決めたばっかりです、今、近藤委員がおっしゃったように。そこをよくごらんになってください。そしてこの問題につきましては、もう既にみんなが言っているように不法占有だということを相手方が百も承知で不法占有をしているんです。ですから、これをどかすというのは至難なわざだと思いますけれど、町長がかわられて一番のあの町有地をいかに更地にですね、相手方をどかしてもとの町有地にするかということをまず先決としてお考えいただきたいと思います。以上です。

町長(森英二君)

よくわかりました。

委員長(待寺真司君)

他に御質疑は、森町長への。よろしいですか。よろしいですか。
はい、それでは以上をもちまして森町長に対する質疑を終了いたします。それでは森町長ありがとうございました。森町長退席のために暫時休憩いたします。(午前11時52分)

委員長(待寺真司君)

それでは休憩を閉じて委員会を再開いたします。
(午前11時54分)
それでは引き続き質疑の続行をしたいと思います。

委員(近藤昇一君)

先般これに関するすべての資料ということで事務局のほうに置いていただきたいということで今出していただいているんですけど、あれすべてでっていうことでよろしいでしょうか。

委員長(待寺真司君)

資料ですね。

総務部部長(根岸隆男君)

御要望いただいた資料のすべてでございます。

委員(近藤昇一君)

一つには、先ほど小林弁護士からも聞いているように、小林弁護士が案として相手方に提示した契約書っていうものについてはあそこに見えないんだけども、それは破棄されているっていうことでよろしいんでしょうか。

委員長(待寺真司君)

要するに、最初のひな型の契約書ですね。

管財課課長(小坂満理子君)

ただいまのお尋ねでございますが、当時のファイルとかいろいろ整理したのがあの形なんで、それはございませんでした。

委員(近藤昇一君)

葉山町の公文書公開の中では制作…作成過程の文書についても公開対象っていうことですよね。そうすると、それは保存文書じゃないということで。例えばね、あそこの中に出てきた文書の中で相手方からの返事もあるわけですよね。相手方からの返事では先ほど小林弁護士が言いましたように、第1条についてはちょっと厳し過ぎると、文書を変えてほしいと。変わっているんですよ、ね。それで、第9条の返還については使用損害金の3倍の遅延金となっていたんですよね。それが今の契約書では2倍になっているんですよ。だから相手方の要求をのんでいるわけですね。で、13条で協議が調わないときには甲の解釈により定めるものとするとの記載は一方的ですので削除願います。ない…ないんですよ。だから、大もとのその小林弁護士が書いた契約書っていうのはどんなものだったのかっていうのがね、相当薄められているんですよ。全くその破棄っていうのはこれ、どういう過程で…今の3人にね、詰め寄っても何とも仕方がないことなのかもしれないけども、このときの課長だれだよ。これちょっと後ほど見解を聞きたいんだけど、そういったものについての保存義務っていうのはないんでしょうか。

総務部部長(根岸隆男君)

提出した資料にはかなりの、その全部お渡ししている中には念書なんていうのも御承知のとおり入って、その古い時代のですね、そういうものもごらんいただいているわけです。したがって、今、近藤委員が御指摘いただいた原本ですか、その。それはないということで、決して隠しているわけでもないんで。ただ、公文書のその整理というのは、確かにいろいろ理屈から言えば過去にさかのぼってみれば古いのもあるでしょうし、既にもう廃棄された文書もあろうかと思いますが、その時代がかなり古いということもありまして、13年は別かもしれませんけど、今回お渡しした中ではそれがすべてだということで御理解いただきたいというふうに思います。

委員(近藤昇一君)

すいません。契約書を交わすときにはいろいろと協議を相手方としているっていう記録があるんですけども、更新するときに相手方との協議しているっていう記録がないんですけど、相手方との協議をしたっていうその記録っていうのはございますか。それも存在しませんか。

委員長(待寺真司君)

更新時ですね、毎年。更新時の。

管財課課長(小坂満理子君)

それにつきましても今回いろいろ見たんですが、平成17年ぐらいまでですか、全く書類がございませんでした。

委員(近藤昇一君)

ということは、自動的に更新してたっていうことでよろしいんでしょうかね。過去の経過は余りよくわかんないだろうけど。

管財課課長(小坂満理子君)

ということでいろいろ過去のそれぞれの担当職員には口頭での確認は行いましたが、私はやっぱりそういう自動更新とかではなくて、その時点その時点でのやりとりはあったということは確認はしております。

委員(近藤昇一君)

でも、やりとりやったけど記録は残ってないと。

委員長(待寺真司君)

弁護士にも相談してない。他に御質疑。

委員(近藤昇一君)

そうすると、今、現時点でも契約してないということで、相手方とのその話し合いっていうのは何か行われているんですか、契約が切れた時点以降。

委員長(待寺真司君)

ことしの、今年度の部分でですね。

総務部部長(根岸隆男君)

3月にその内容についての話し合いが行われたということは聞いておりますけども、4月に入って、4月1日以降はまだしていないということでございます。

委員(近藤昇一君)

3月に行った話し合いの記録っていうのはございますか。

管財課課長(小坂満理子君)

3月の初旬に一応また明け渡しのお話はしたんですが、その記録はございます。

委員(近藤昇一君)

出てましたっけ。

管財課課長(小坂満理子君)

すいません、平成18年、19年の対応とかについてはまとめたものを委員会の記録とかで前回出したのがあったので、ちょっと今回はそこのところは出しておりません。はい。

委員(近藤昇一君)

で、そういうのは普通…何ていうのかな、例えば相手方と交渉しますね、で、帰ってきて復命書という形でもって出るものではないんでしょうか。制度的にはどうなっているんですかね。相手方と交渉してこういう返事が出たよっていうことを上司に報告するような形になっているんじゃないですかね。

委員長(待寺真司君)

書類として。

総務部部長(根岸隆男君)

会議に行ったとき等々について復命という事務手続というのは当然あるということは承知しておりますが、これまでの経緯の中でその都度その都度非常にその交渉というのは重ねてきたんだろうと思いますが、その回その回においての復命というものとしてはその文書の中には残っていないわけでして、したがって、当然交渉は重ねているけども、その都度ですね、こうだったというのは、その復命という形では残っていないと思います。

委員(近藤昇一君)

どうなんでしょうね。例えば役場の職員の場合ね、異動が相当激しいと、異動するたんびにわけわかんなくなってきて、その前の職員に話を聞きに行かなきゃいけない、もう退職してたらもう手がかりが全くない。例えばその真名瀬のね、放置ボートにしたって、過去何やっていたのか全くわかんないっていう状況もね、生まれているわけですよね。文書も何もないわけだから、交渉の経過も。そういうものっていうのは一つ一つきちっと記録に残す、とどめるっていうのがこの、特に行政のその継続性の上からもね。で、人がかわってもその記録を見れば過去どういう経過だったのかっていうのがすぐわかるというふうな体制は私必要だと思うんだけど、いかがでしょうかね。何かいろいろ問題になるたんびに過去の記録がない、過去の記録がないでね、もうぷっつんしちゃってて全くわかんないというのが状況だしね。我々自身だってことしになって初めてこんな契約書があったっていうのはね、聞かされたわけですよ。それに対するものすごい行政に対する不信感も持っているわけですけども、その点どうなんでしょう。

総務部部長(根岸隆男君)

これもその担当に聞いて…申しわけございませんけれども、議事録等を見ても、その契約書というその文言の議事録の結果は残っておりませんが、決算の中でのその収入の金額の名称であるとかですね、そういったことについては説明させていただいている経緯もありまして、決してこの契約書を議会にお見せしないように努力した経緯などは全くございませんで、もちろんそのときもこちらのほうから積極的に提供すればよかったのかもしれませんけども、そのときであっても御要望等があれば必ずは提出したということで、決して誤解をいただきたくないという、隠していたわけではないということを御理解を賜りたいというふうに思います。

委員(近藤昇一君)

当時の担当でなかったんで申しわけないんですけどもね。少なくとも我々はこういう契約を結んだ上での損害相当金っていうね、金額になったっていう説明は受けてないんですよ。やはり今回、これについては単なる使用料じゃなくて、こういう損害を受けているんだから損害相当金だという説明は受けました、確かに聞いています。だけども、それがこのこういう契約に基づいた金額なんですよっていう説明は一切受けてないはずなんですよ。ですから、こういう契約に基づいてやっているなんていうのは全く気がつかなかったと。で、初めてこれがね、出てきた。これはもう前総務の委員長も怒っていましたけどね。そういう面ではやはり我々としては不信感を持たざるを得ないと。ですから、その文書的にそういう…何ていうのかな、内規的にね、一々記録にとどめるという体制にはなってないんですね。ねばならないという。

委員長(待寺真司君)

ちょっと情報の取り扱いについてですね、非常に議会のほうでも不信感があるという、今、近藤委員のいろんな御質問でございますが。部長、4月にかわられて以降もそういった文書をですね、出張した場合とかそれからだれか相手方と交渉した場合の交渉経緯、こういうものが議会で要求してもなかなか出てこないというのは事実としてございます。その辺を今後、総務部長としてね、どのようにお考えになるかというところをちょっとお聞かせいただければというふうに思いますが。

総務部部長(根岸隆男君)

ひとつ交渉をしてその復命という形で、このような結果であったという決裁をとるように今後明確にですね、残すように努力をしてまいりたいと思いますけれども、長い過去の経緯の中でですね、そういう事務処理というものがとらえていなかったというところはこの今回の部分に限らずですね、あった可能性はあります。それは葉山町のみならず、どの市町村でもそうでしょうけども、そういった部分では今後しっかりやっていきたいというふうに思います。

委員(近藤昇一君)

最後に。部長もね、新しくなられたんだし、やはりこれから開かれた町政ということを今の町長も言っています。開かれた町政というのは、請求された情報については積極的に開示するのが当然のことですよね。ですけども、その開示すべき資料がないっていうのはね、大もとからそれがもう崩れてしまうと。逆に言えば、開示したくないものについては記録に残すなっていう話になっちゃうんですよ。そういう面ではやはり記録に残すっていうことは義務づけみたいなね、それは私は総務部長の職権でもってかなりできる部分があるんじゃないかと思っていますんで、これは期待したいと思っています。よろしくお願いします。

総務部部長(根岸隆男君)

ファイリングシステム等がスタートしてですね、もうかなり長くなりますけども、今、文書保存にはやはり決まりがありましてですね、保存年限というものが定められております。したがって、以前、昭和50年からはあったわけではなく、そういった文書の保存という部分は今ほど徹底はされていなかったと思いますが、今の御指摘につきましては十分理解を…承知をさせていただきたいというふうに思います。

委員(伊藤友子君)

私も意見に近いんですが、最後、先ほど森町長に申し上げればよかったんですが、この問題は平成13年に土地の明け渡し、長者ケ崎不法占有についてですね、13年に明け渡し契約書ができてて、そして私たちがこれを見たのは本当にことしで、7年間もたっています。ということは、おやめになっちゃったから仕方がないけれど、副町長のあの…副町長それから前守屋町長ですね、この時代にやっぱりこの問題をこんなに長引かせた原因の一つは、やはりトップ交渉、トップの姿勢にあったと私は思わざるを得ないんですね。それと同時に、議会のチェック機能が甘かったかなと私は反省しています。もっと早くにですね、この契約書の存在というのを私たちが突きとめて要求をするべきであったんではないかと思いますが、今になってはやっぱり前町長の責任なんて言っても仕方がないので、これを引き継いだ森町長のトップの姿勢にこの解決するかどうかっていうのはかかっていると私は思いますので、総務部長のほうからよくよく町長におっしゃっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

総務部部長(根岸隆男君)

今、伊藤委員が突きとめてという、その発言の内容でございますけれども、先ほど申し上げましたように、決してその隠していたということは全く話を聞いてもございませんので、(私語あり)ぜひそこは御理解を賜りたいというふうに思います。
それから、この契約の更新につきまして、先ほどの御質問で町長は今回は更新をするという答弁を…今回は更新をするという答弁をされたと思いますけども、その気持ちの中にはせざるを得ないというそのお気持ちだというふうに思っています。やはりさっき弁護士さんのお話にもありましたように、今現在これまでの更新の経過の中では、やはり4月に過ぎて、そして調整をして、4月1日の期日で更新をしてきたという経緯もございますので、先ほどの弁護士さんのお話でも、今ここで更新をしないということについては、私は法律はそんな詳しくないんですが、その期待権という部分についても抵触する可能性もあるので、今回については森町長が更新をせざるを得ないというところの指示に従いましてですね、これから対象者と協議をしていきたいと、今年度につきましてはそんなふうに考えているところでございます。

委員長(待寺真司君)

よろしいですか。はい。では、ちょっとすいません、今の伊藤委員の関連で委員長からなんですが。森町長の御見解も伺いましたが、先ほど小林弁護士とのやりとりの中でね、1年間ぐらいの猶予を持てば次年度以降は戻してもらえるというようなことは期待権を加味して上でできるというような見解が示されたと思うんですね。そうすると、町の意思としてもう21年3月以降は更新しない条文を3条に加えてことし契約更新に臨むのか、それとも例年どおりの契約をしといてやるのか、その辺の意思決定をですね、ぜひしていただいて議会…この総務建設常任委員会にまたその交渉経過を報告していただきたいというのがその委員会としてのお願いとして部長のほうに、部長から町長のほうにその経緯を詳しく説明していただいて、どうも先ほどの御答弁ですとここのところが町長はまだ御理解いただいてないのかなという、弁護士の説明がですね、ありますので、その辺を御理解いただいた上で、どう対処するのかを早急にまた委員会のほうに諮っていただくことと、当然もう4月入ってもうきょうで22日ですので、先方だってこのね、契約についてどうなるんだということがね、当然あろうかと思いますので、その辺の交渉については可及的速やかに対応を図っていただきたいのがこの追ってきた委員会としての見解。皆さんのちょっと見解というより委員長が勝手に話してしまって申しわけないんですが、きょうのいろいろな経緯の中からすると、早急にやはり対処しなきゃいけない事案であるというふうに委員会として認識しておりますので、部長、ぜひ対応方よろしくお願いしたいと思いますけど、よろしいでしょうか。

総務部部長(根岸隆男君)

先ほどの町長の答弁に従って更新せざるを得ないという気持ちにおいて進めていくわけですが、この契約書の主に3条部分の内容の変更については、今の御指摘をいただき、また理事者、いわゆる町長と調整を図りつつまた対応を進めていきたい。なお、その状況につきましては速やかに、今言ったように機会をとらえて議会の皆様に御報告をさせていただきたいというふうに思っております。

委員長(待寺真司君)

はい、よろしくお願いいたします。では、以上で職員に対する質疑のほうを終了したいと思います。
それでは職員退室のため暫時休憩いたします。どうもありがとうございました。
(午後0時12分)

委員長(待寺真司君)

それでは休憩を閉じて委員会を再開いたします。(午後0時13分)
では、本日の議題、所管事項調査、長者ケ崎の町有地につきましては、参考人それから森町長、職員との質疑を終えました。何か委員の皆様から今後のこの調査研究について御意見と御要望ございましたら承りたいと思いますが。

委員(畑中由喜子君)

今のやりとりすべて終わった段階ですごく感じたのは、町長がやっぱり顧問弁護士との私たちとのやりとり聞いていらっしゃらなかったから、その辺のニュアンスっていうか、全くおわかりになってらっしゃらないと思うんですね。で、その点、こちらが言うのは非常に差し出がましい話ではあるんですけれども、行政はね…職員は補助職員として町長のおっしゃる形で進めるっていう言い方でございますから、そうなるとこの空気を理解していらっしゃらない町長が判断なさったとおりになっちゃうと、非常にこの議会とのそごっていうことも出てきちゃうのかなっていうのは何か心配としてあります、意見ですけど。だから、願わくば十二分にこの議会の中での議論も精査していただきながら対応していただきたいというのを強く思います。だからそれ何らかの形で、非常に差し出がましいですけどもお伝えしたいな、していただけたらなと思いますので。

委員長(待寺真司君)

そうですね、今、根岸部長に最後私のほうも委員会としてということで御依頼をさせていただきましたので、正・副委員長でしっかりとその今後の対応についてまた部長と、また管財課長含めてですね、話をして、そしてなるべく早く町の見解を議会のほうに示していただきたいということは申し伝えます。

委員(伊藤友子君)

それともう1点は、きょうは問題になってませんでしたけど、この不法占有のね、問題には、県のその廃道だとか、それから県と行政がどのように対応をとってきたかっていうことも、やっぱり解決するために大きな問題だと思うんですよ。その辺も委員長、正・副委員長のほうから町長にやっぱりレクチャーしておいていただきたい…行政がですね、行政がするように、そういうふうにアドバイスをしておいていただきたいと思います。

委員長(待寺真司君)

全般的に森町長に管財課の職員等々がどのような説明をしたのかっていうのは我々はちょっと知ることはできないんですが、きょうの御答弁聞いていると、まだまだ100%に満たない説明状況なのかなという気は私としてしておりましたので、先ほども最後部長のほうにも訴えましたが、すべてですね、御理解いただいて判断を仰ぐべきだということは重ねてお願いをしたいと思います。で、近藤委員、どうぞ。いいですか、はい。それでは畑中委員どうぞ。よろしいですか、町有地については。

委員(畑中由喜子君)

提出していただいている資料なんですけども、一応私、公文書公開条例を使って、必要と思われるところをばっとコピー…公開していただいたんですけども、ちょっとまだすべてっていうわけにはいかなかったので、もうちょっと置いといていただけるとありがたいんですけど、いつごろまであれ置いといていただけるんですか。(「当初の話で10日間ぐらいは大丈夫だというお話聞いておりましたので、それで今月いっぱいぐらいは置いていただけるようには話をします」の声あり)

委員長(待寺真司君)

では4月30日、4月いっぱい置いていただくような形でこちらで見れるようにしておきますので、よろしくお願いします。
では、長者ケ崎町有地につきましては引き続き所管事項調査ということで、また次回委員会、もしくは大きな動きがあったときにはまた早急に皆様のほうにお諮りをして委員会を設けたいというふうに思いますので、よろしくお願いします。
では、その他につきまして何かございますでしょうか。あとは委員長のほうからですけれども、視察ですね、御要望等どんどんお寄せいただければ。近い期日では7月ぐらい、で、それがないと次は11月ぐらいというような形になろうかと思いますので。7月に向けてはいろいろと先方との関係もございます。早めの対応をしたいと思いますので、どこか総務建設関連で候補地ございましたら委員長のほうまでお知らせください。以上でございます。では、よろしいでしょうか。はい。
それでは今度5月15日にまた委員会のほうが現地踏査ということで真名瀬の静穏度を船の上から見るということで委員会が開催されます。きょうその委員会の案内を委員さんのほうに配付をさせていただきますので。で、お気をつけいただきたいのが集合時間が9時半となっておりますので。それから服装のほうについてはカジュアルな格好で結構でございますので、船に乗って海に出ますので、よろしくお願いいたします。(私語あり)ちなみに傍聴議員の方も見れるようには手配になっているそうですから、お時間があったらよろしくお願いします。
では、以上をもちまして本日の総務建設常任委員会を閉会いたします。お疲れさまでした。
(午後0時19分)

 

以上会議の顛末を記載し、その相違ないことを証し署名する。

平成20年6月9日

総務建設常任委員会委員長 待寺真司

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更新日:2018年02月02日