特別市の法制化反対を求める意見書
現在、我が国は急速に人口減少が進み、これに起因する様々な課題が山積している。特に町村をはじめとした小規模自治体では、人材などの資源不足は深刻であり、将来にわたって持続可能な行政運営を継続できるかどうか、まさに危機的な状況に置かれている。こうした状況を乗り越えるためには、市町村と県が垣根を越えて連携し、行政課題の解決に向けて取り組む必要がある。
そうした中、現在、国の第34次地方制度調査会では、いわゆる特別市制度について議論されている。この特別市制度は、指定都市が道府県の区域外となって新たな地方自治体となるもので、仮に、全国の指定都市が特別市になれば、これまで長い歴史の中で積み上げてきた道府県としての一体性が失われ、全国各地で地域が分断されることとなる。
また、指定都市域内の道府県の権限や税財源のすべてが特別市に移譲されるため、道府県の広域調整機能や財政面に影響が生じる。そうなれば、インフラ整備や補助金など、道府県からの補完・支援は減少し、町村部に対して非常に大きな影響を及ぼすことは明らかである。
我が国の高度成長期には、全国各地で大都市の成長を支えるため、周辺の市町村は、労働力や良質な水など、様々な資源を供給し、大都市の発展に寄与してきた。これは神奈川県内も同じである。
こうした歴史を無視し、特別市制度を導入して権限や財源を独占することとなれば、特別市には人口や資源が集中する一方、それ以外の地域では更なる人口減少や経済活動の衰退が進むため、地域間の格差が拡大することは明らかである。特別市制度は、いわゆる東京一極集中で顕在化されている問題を全国各地に拡散させることに過ぎない。
将来にわたり持続可能かつ最適な形で行政サービスを提供するために、大都市制度の見直しを含め、我が国の統治機構を議論すること自体を否定するものではない。しかし、特別市制度は、国との間に広域自治体を置かない一層制の自治体となって地域を分断し、同じ地方同士の税源を奪って権限と財源を独占するなど、極めて大きな課題や懸念があると言わざるを得ない。
したがって、葉山町議会としては、特別市制度には強く反対するものであり、特別市を法制化しないよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和8年6月18日
葉 山 町 議 会
提出先 衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、神奈川県知事
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更新日:2026年06月19日








