登録文化財 山口蓬春記念館(旧山口蓬春邸)画室

山口蓬春邸画室

種別 国登録有形文化財(建造物)

登録年月日 令和5年2月27日

所在地 葉山町一色

構造 木造平屋建、瓦葺、63平方メートル

時代 昭和28年建築

登録基準 造形の規範となっているもの

概要

  旧山口蓬春邸画室は、山口蓬春の邸宅の一部で、主屋の西側に南向きに建てられています。主屋の東西軸から13度南側に内転して配置することで、画室から庭園や遠景への眺望を調整しています。建築家の吉田五十八が設計し、施工は水澤工務店が担当しました。また、画室の家具は岡村辰雄の多聞堂が製作を担当しました。

  吉田五十八による画室増築は、昭和23年に主屋を購入した時点ですでに計画されていましたが、昭和28年7月に上棟し、同年12月末に竣工しています。平成28年にジャッキアップを含む床の補強工事が行われ、内部の仕上げの補修、ベランダ手摺や建具レールの取り換え、外壁の再塗装などが施されました。

  画室は木造平屋建切妻造で、むくり屋根としています。約17畳大の板床画室と書庫からなり、床は桜材の寄木張、壁は全面大壁、天井ともに京壁仕上げとして、線のうるささを排除し、穏やかで端正な画室となっています。北側庭への眺望や海への眺望に優れた開口とするため、南面のベランダを一段下げて設け、建具は全て引き込み戸とし、南側に奥行き4尺のベランダを設けています。

   旧山口蓬春邸画室は、著名な画家の画室を複数手掛けてきた吉田五十八が最後に手掛けた画室建築であり、大壁の徹底的な採用による線のうるささの排除、段差を設けた床面、引き込み式の建具、欄間障子と一体化させた荒組の障子など、吉田が推し進めてきた数寄屋の近代化を見事に具現化した作品として高く評価できます。

山口蓬春邸画室

山口蓬春記念館(旧山口蓬春邸画室)

山口蓬春邸画室

山口蓬春記念館(旧山口蓬春邸画室)

地図

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更新日:2023年04月25日