登録文化財 山口蓬春記念館(旧山口蓬春邸)主屋

山口蓬春邸主屋

種別 国登録有形文化財(建造物)

登録年月日 令和5年2月27日

所在地 葉山町一色

構造 木造平屋建一部2階建、瓦葺、建築面積246平方メートル

時代 主屋:大正前期/昭和32年・同40年増築、平成3年・同25年改修 

登録基準 造形の規範となっているもの

概要

  山口蓬春記念館(旧山口蓬春邸主屋)は、葉山町一色の南側斜面にあり、相模湾を見下ろす位置にあります。近隣には有栖川宮、金子堅太郎、團琢磨などの別荘が設けられるなど、葉山の中でも別荘が集中する一帯となっています。

  昭和23年に山口蓬春が自邸として土地と建物を購入しました。主屋は当初平屋建の建物で、創建後まもなく2階の増築が行われた考えられます。建築年代については、経年感、技法及び間取りの特徴から関東大震災前大正前期の創建と考えられます。

  山口蓬春は、当初主屋の2階座敷を画室として使用していましたが、昭和28年には新しい画室を増築し、主屋は居住空間として使用されるようになりました。昭和32年には、内玄関や茶の間などが改修され、昭和40年には、風呂場が増築されました。昭和46年に蓬春が逝去したのち、平成3年には山口蓬春記念館として開館しました。記念館として改修する際には、展示室が設けられ、玄関やテラスの改修も行われましたが、当初の建築の躯体を極力利用しながら展示室として利用しており、全体として山口蓬春自邸だった当時の雰囲気をよく踏襲しています。

  旧山口蓬春邸主屋は、戦前期葉山の住宅系建築だった建築を吉田五十八の見立てにより山口蓬春が購入した建築です。昭和32年には吉田五十八の設計により増改築され、その得意とする意匠上の工夫が随所に見られる建築として優れた作品です。外観も大壁の簡潔な仕上げにまとめ、吉田五十八らしい建築となっています。 

  旧山口蓬春邸主屋は、吉田が在来のいわゆる伝統的な和風建築を生かしながら、自らの設計手法を用い増改築し、新たな機能に対応すべく再生させた建築として評価できます。 

山口蓬春邸主屋

山口蓬春記念館(旧山口蓬春邸主屋)

山口蓬春邸主屋

山口蓬春記念館(旧山口蓬春邸主屋)

地図

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更新日:2023年04月25日