登録文化財 旧金子堅太郎葉山別邸米寿荘

旧金子堅太郎葉山別邸米寿荘

種別 国登録有形文化財(建造物)

登録年月日 令和3年2月4日

所在地 葉山町一色2311-6

構造 木造二階建、瓦葺、建築面積169平方メートル

時代 昭和15年頃/昭和25年頃増築、平成18年改修

登録基準 造形の規範となっているもの

(注釈)一般公開はしておりません。

概要

旧金子堅太郎葉山別邸米寿荘は、昭和15年頃、金子堅太郎が後妻のための住まいとして恩賜松荘の北側に建てた住宅です。金子堅太郎揮毫による「米寿荘」の扁額が存在することなどから、金子が米寿の年に建設されたと考えられます。

敷地東側に建つ主屋となる建物は、1階が京都の民家の部材を使用し、2階は近隣の小倉房蔵別荘の建築部材を使用したと伝えられます。1階は民家の四間取り平面を踏襲し、各室とも少しずつ意匠を異ならせ、梁組を露出させた上に天井を設け、指鴨居、骨太の建具などを用いながら、上質で落ち着いた空間としています。2階は銘木を用いた数寄屋風の意匠とし、1階とは対比的です。

昭和初期には、既存の民家を移築改修した田舎風の建築が流行しました。金子別邸と隣接する團琢磨の葉山別邸内には、小田原近郊入生田から移築した民家を仰木魯堂が修築した民家があったとされ、金子と同郷でともに米国留学し、のちには義弟となった團琢磨とは終生親しく、米寿荘にみられる民家風意匠にはこうした時代背景とともに、團別邸から大きな影響を受けた可能性も考えられます。

旧金子堅太郎葉山別邸米寿荘は、金子堅太郎が最晩年に設けた住まいとして、葉山の別荘史の中で、また、湘南の別荘史の中で貴重な建物です。また、1階を民家風、2階を数寄屋風の意匠とするなど全体として意趣に富んだ嗜好は、昭和前期という時代をよく反映しています。

地図

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更新日:2021年02月08日