国指定史跡長柄桜山古墳群(ながえさくらやまこふんぐん)
長柄桜山古墳群とは?
長柄桜山古墳群は、今から約1600年前(4世紀後半ごろ)に築造された、現存する県内最大の前方後円墳2基で構成される古墳群です。平成11年3月に現在の第1号墳で、葉山町在住の東家洋之助さんが埴輪(はにわ)を発見したことをきっかけに、その存在が知られることになりました。三浦半島ではそれまで大型の前方後円墳が存在しないとされていたことから、歴史を書きかえる大きな発見となりました。
平成14年12月19日に国の史跡に指定を受け、葉山町と逗子市が協力して第1号墳の保存整備を進め、令和6年4月20日から供用を開始しています。
第1号墳
第1号墳は、全長91.3m、後円部径52.4mの大きさで、現存する県内の古墳では最大です。墳丘は岩盤を削り出したのち、後円部と前方部の上に盛土をしてつくっています。墳丘は後円部三段、前方部二段に築かれており、古墳の上には円筒埴輪(えんとうはにわ)と壺形埴輪(つぼがたはにわ)が立て並べてありました。後円部の中央では、納められた木棺が腐って落ち込んだ、長さ7mの陥没坑(かんぼつこう)が発見されています。部分的な発掘調査によって、粘土槨(ねんどかく)と呼ばれる、木棺(もっかん)を粘土でおおった構造の埋葬施設が1基築かれていることがわかりました。
第1号墳のくびれ部で見つかった埴輪
第1号墳で出土した円筒埴輪
第2号墳
第2号墳
第2号墳は、全長約88m、後円部径約50mの大きさで、第1号墳に匹敵する規模をもつ前方後円墳です。小規模な調査しか行われていないため、詳しいことがわかっていませんが、第1号墳にはみられない葺石(ふきいし)が存在することがわかっています。葺石は、古墳の表面に石を貼り付けて古墳を飾る築造技術です。また、第1号墳とよく似た円筒埴輪(えんとうはにわ)と壺形埴輪(つぼがたはにわ)が見つかっており、古墳の上に立て並べられたと考えられます。
みどころ
整備された第1号墳は、古墳の上に登れる階段を設置し、後円部の頂上には木の棺(ひつぎ)が埋まっている場所を表示し、埴輪のレプリカや説明板も設置しました。後円部の頂上からは相模湾に浮かぶ江ノ島、そして天気の良い日には富士山までが一望できるようになりました。
第2号墳は緑豊かな自然環境のなか、築造当時の姿をよく残しています。前方部の正面に立つと第1号墳と同様、逗子湾を眺めることができ、江の島や富士山まで望むことができる絶好のロケーションとなっています。2基の古墳をつなぐハイキングコースが逗子市によって整備されており、間近で県内最大級の前方後円墳を見学することができます。
1号墳(写真は逗子市提供)
2号墳から望む江の島、富士山
整備された第1号墳
第1号墳頂上に立つ埴輪のレプリカ
ボランティアパトロール
貴重な古墳を守るため、市民町民によるボランティアパトロール活動が行われています。
古墳ボランティアパトロールの活動に興味、関心がおありの方は、葉山町教育委員会生涯学習課、逗子市教育委員会社会教育課にお問い合わせください。
パトロール有志による古墳の雑草取り作業
(令和元年6月18日)
作業後みんなで記念撮影
(令和元年6月18日)
アクセス・注意事項
付近に駐車場はありません。最寄りのトイレは蘆花記念公園内のみです。
葉桜側のぼり口は住宅地と接しています。見学に際しては、地域の方のプライバシーに十分配慮してください。
◆1号墳へ
- JR逗子駅前バス乗り場、4番「葉桜(逗17)」行きで終点「葉桜」下車(約8分)。葉桜住宅端ののぼり口まで西へ徒歩約6分
◆2号墳へ
〇逗子側から
- JR逗子駅前バス乗り場、1番「南郷中学校(海岸回り)」行き、3番「葉山(海岸回り)」行きで「富士見橋」下車(約5分)。蘆花公園内のぼり口まで約5分、そこから階段路を約10~15分のぼる(高さ約90m)。
〇葉山側から
- JR逗子駅前バスのりば、1番「上山口小学校」行、「衣笠」行、「湘南国際村(山手回り)」行、2番「葉山(山手回り)」行、「大楠芦名口」行、「横須賀市民病院」行、「長井」行、「佐島マリーナ」行、「電力研究所」行で、「長柄交差点」下車。桜山トンネル脇ののぼり口まで徒歩約3分、そこから階段路を約10~15分のぼる(高さ約90m)。
地図
リーフレット
リンク
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お問合せ先:生涯学習課
〒240-0112 神奈川県三浦郡葉山町堀内2050番地の9
開庁時間:8時30分~17時00分
閉庁日:土・日曜日、祝祭日、年末年始
電話番号:046-876-1111
更新日:2024年04月24日