令和3年度町長施政方針

令和3年度(2021年度) 町長施政方針

葉山町長 山梨崇仁

 令和3年度予算案の提出にあたりまして、施政方針を申し述べる機会をいただき、感謝申し上げます。

 昨年1月、国内で初めて確認された新型コロナウイルス感染症との闘いはいまもって、世界中が大変なときを過ごしています。罹患され苦しまれている方々の一日も早い回復を祈念し、また、その治療に当たられている医療従事者の皆様をはじめ、支援にあたる関係機関の皆様に、深く感謝を申し上げます。そして、明確な治療薬も確立されておらず、世界中で不安と悲しみの中、お亡くなりになりました多くの方々に、謹んで哀悼の意を表します。

 町民、国民それぞれが感染拡大の抑止に取り組みました。緊急事態宣言も発出され、不安と迷いの中で日々を過ごしました。その影響で経済活動や外出の自粛要請により、事業運営や家計の収入が圧迫され、立ち行かなくなった方々が多くいらっしゃいます。また、人と人とが会って、ともに行動することで成り立っていた地域活動など、多くの社会のあり方も変化せざるを得ず、その在り方が問われています。これまでの感染症拡大防止に伴う様々な制約による精神的、経済的な疲弊が国民一人ひとりに非常に重くのしかかっています。国や県、市町村の政治判断は慎重に、しかし明快かつ迅速な決定と行動が求められていると強く感じます。

 マラソンの伴走のように支援する、と考えておりますが、行政自身も前例のない、未知の局面に幾度となく直面し、ときには迷い、ときにはお叱りをいただきながらも、町民の皆様とともに乗り越えてきました。たくさんのご寄付もいただきました。今後もそういった力を得ながら息切れすることのないよう、ペースを守りつつも各方面にできる限りの支援を行い、必ず訪れるこの災害の収束まで皆様とともに長い道のりを走りたく思います。

 残念なことに町という小さな自治体では、未知の感染ウイルスに対する医療関連の独自の知見は乏しく、また大きな資金や権限を用いるなど社会経済全体への強い影響力を発揮することにも力が弱いと言わざるを得ません。しかし、これまで培った地域との信頼関係のもと、葉山町の社会秩序の在り方を示し、人々の暮らしの安定に重要な役割を果たすことはできます。また、葉山町の代表として国や県と連携すること、そして町民の皆様へ将来への希望を伝え、それを少しずつでも実践することで、うつむきがちな日々の暮らしに希望の光を灯すことができるのではないかと考えています。

 具体的な葉山町における支援につきましては、令和2年度内において、学びを止めないプロジェクトやひとり親家庭の支援、事業者への定額給付金、バスやタクシー事業者支援、高齢者の健康アンケートなど幅広く行いましたが、目下、このように感染が拡大している現況においては、継続して随時判断をし、迅速かつ慎重に予算の計上やルールの見直しなどを行い、コロナ対策に最優先で対応してまいります。

 役場の勤務体制としましては、職員の健康管理と感染拡大予防のため、行政サービスが低下しないよう注意をしつつ、在宅勤務やテレワークの推進などを適宜図っております。庁舎内もビニールシートによる仕切りなどを設けており、ご来庁の皆様にはご不便をおかけしておりますが、来庁者の体温を計測するサーマルカメラの設置や、トイレ等洗面台の自動水洗化工事を進め、可能な限り衛生面での感染リスクを減らせるよう引き続き努めてまいります。

 そして全国、各地方自治体において令和3年3月頃から始まると見込まれているワクチン接種事業につきましては、国や県のガイドを受けながら逗子市、医師会、薬剤師会など関係機関と連携して進めてまいります。ワクチンに向けられる期待と不安は国や県からの情報にも織り込まれており、特に副反応などの見定めはとても重要です。効率的に迅速に接種できる環境を目指しつつも、慎重に事業を完遂させていく覚悟です。なお、昨年から葉山町が独自に取り組んでいる肺炎球菌ワクチンの接種については、世界的なワクチンの不足により、十分な供給ができない状態が続いていますが、現在、医療機関や製薬会社など、各方面の機関がそれぞれにワクチン確保に尽力してくださっているところであり、なるべく早期に供給ができるよう努めています。

 今年の夏に予定されているオリンピック・パラリンピックにつきましては、その盛り上がりとアフターコロナを見据え、適正な時期においてプレミアム電子商品券の交付による景気回復・刺激策とオリンピック・パラリンピック機運の醸成を図る事業を町独自で取り組みます。さらに、花火大会の実施も準備を進め、町民の皆様が元気の出る企画も考えてまいりたいと思います。なお、仮にオリンピックが開催されなくとも、これら葉山町の動向は変わるものではありません。適宜施策の細かな点を修正しながらでも、柔軟に町内経済の喚起ができるよう取り組みを進めます。

 これまで「御用邸の町」が世界に向けてアピールをし、その結果国内で広く認知されることを目指して、国内外とのコミュニケーションを図ってまいりましたが、議会の皆様の多大なるお力添えをいただき、同じ国内の御用邸設置市町である栃木県那須町と御用邸友好都市の協定締結に向けて準備を進めております。その後、静岡県下田市とも連携ができればと考えておりますが、別荘地、癒しや安らぎの地としての価値や情報を共有し、発信することで、ともにお互いを高めていける関係になれれば素晴らしいと考えております。「休日を葉山で過ごそう」、「いつかは葉山へ」の2つの視点を磨き、葉山町の品格を守る責任政治を全うしてまいります。

 さて、昨年からコロナウイルス対策に大幅な時間を割かねばならないうえに、感染症対策のための行動制限や財政的な先行きの不透明感から十分な行政運営ができませんでした。大規模事業として議論を進めてきた給食センター建設やクリーンセンター解体の事業休止をはじめ、海水浴場は開設せず、ビッグレスキューかながわは延期、小中学校の修学旅行すら行えませんでした。庁舎内でも必要最低限の会議しか行えなかったために、みんなの公共施設未来プロジェクトなど、大変重要なテーマでありながらも、会議を開催できず議論を進められなかったことが、他にも多々あります。私自身も対話をテーマとした意見交換や情報収集の機会も令和2年の3月頃までは持ちましたが、庁舎内の各部署や社会福祉協議会までにとどまり、町民の皆様や他の関係団体の皆様とは機会を持つことができなかったため、様々な点において、本年こそはと強く願っているところです。

 令和3年度においては、感染予防対策をとったうえでできることは着実にこなし、少しずつでも平常時の行政機能を発揮し、事業が推進できるよう前向きに業務に取り組みたいと考えております。ただ、そのような意気込みではありますが、執行におきましては、先行きの極めて不透明な中、当然コロナウイルスの収束状況と6月以降の本年の課税状況を見なければなりません。現実に即して見直すことも視野に入れておりますことを改めて申し上げます。

 国や県の令和3年度予算編成に向けた考え方を見ると、昨年12月に取りまとめられた国の「令和3年度地方財政対策」では、新型コロナウイルス感染症の影響により地方税等が大幅な減収となる中、地方が安定的な財政運営を行うために必要となる一般財源総額について、令和2年度の水準を下回らないよう実質的に同水準を確保することを基本とする考え方が示され、地方交付税及び臨時財政対策債の増額を中心とした措置が講じられました。一方、神奈川県の「令和3年度予算編成方針」では、概ね1,100億円の財源不足を見込み、今後の新型コロナウイルス感染症の感染状況等によっては、更なる税減収や追加の財政需要が見込まれるため県財政は危機的な状況にあるとしています。町においては、新型コロナウイルス感染症の影響による先行き不透明な財政状況が今後数年先も続くことを前提に、これまで以上に自主財源のみならず国や県の財源措置を十分に活用していくことが重要になってきます。持続可能な財政運営を行うことができるよう職員一丸となってこの難局を乗り越えていく覚悟を持たなければなりません。

 さて、海外では本年1月20日にはアメリカのバイデン新大統領が誕生し、即日パリ協定への復帰を表明されました。世界第2位の温室効果ガス排出国が参加することは当然のことと思いますが、これにより世界的な温暖化対策がさらに加速することを強く願っております。SDGsの2030年のゴールまで9年となりました。本町でも温暖化対策やプラスチックフリーの「はやまクリーンプログラム」を進めてまいりましたが、合わせて2050年二酸化炭素排出実質ゼロを明記した「気候非常事態宣言」を発出し、令和3年度はそれらを踏まえた再生エネルギーの利用促進、プラスチックを利用しない、作らせない社会を目指した取り組みやごみ分別の見直しによるゼロウェイストの推進などを行います。また、環境省や民間企業との連携や協力関係を増やし、社会的インパクトのある環境関連事業を進め、地球環境への意識啓発、環境保全などに精力的に取り組んでまいります。

 では、その他、多くの課題に向き合った予算編成の主な事業やその視点について、以下、第四次総合計画の4つの基本理念に沿って、ご説明申し上げます。
 

 1点目、「人を育てる葉山」につきましては、令和3年度が第三次葉山町教育総合プラン(第二期葉山町教育振興基本計画)の初年度にあたります。

 学校教育の充実につきましては、未来につなげる教育施策の推進として、まずは、今年度に実施した小中一貫教育在り方検討会議の協議を踏まえ、本町における小中一貫教育の制度構築に向けた準備を開始するとともに、「地域とともにつくる学校」の理念の下、全6校のコミュニティ・スクール化を目指し、パイロット校として南郷中学校に学校運営協議会を設置します。加えて、新しい時代に必要となる資質・能力の育成に向け、GIGAスクール構想に基づいて整備した校内LAN・タブレット端末を活用し、ICT教育の推進に努めます。また、令和2年度に試行した「学びを止めないプロジェクト」の経験を活かし、児童の放課後の学習の場として、放課後サポート教室を各小学校に順次開設してまいります。

 中学校施設管理事業におきましては、コロナ禍にあってもトイレの改修工事を着実に推進し、生徒たちの生活、衛生環境を向上させてまいります。本年度は葉山中学校トイレの実施設計を行います。また葉山中学校におきましては屋内運動場の外装等改修工事も行ってまいります。

 懸案であります学校給食センターの整備は、新型コロナウイルス感染症拡大が未だ予断を許さない状況であり、本町の税収入に大きな影響を及ぼすことが懸念され、事業停止を余儀なくされております。しかしながら、センター方式については、町の規模、児童生徒数の推移、コストや将来的な学校の適正配置等を勘案し決定したもので、最適な給食提供方法であるとの認識に変わりありません。一方で、学校給食センター整備の着手が長引いた場合、社会的要請とも言える中学校給食の早期実現には至りません。そのため、コロナ禍においても、可能な限り、暫定的・緊急的な中学校給食の提供方法を検討してまいります。

 生涯学習の振興につきましては、地域と学校を結ぶコーディネーターとして、地域学校協働活動推進員を置き、併せて学校運営協議会の委員としても委嘱することにより、コミュニティ・スクール化の基礎づくりを強化します。

 生涯スポーツ活動の推進では、葉山町スポーツ推進審議会において、令和元年度から協議を進め、令和3年度を初年度とする葉山町スポーツ推進計画に基づき、本町のスポーツ振興に関する基本的な施策を総合的かつ計画的に進めてまいります。さらに、図書館サービスの充実では、葉山町立図書館あり方検討委員会からの答申に基づき、将来の図書館運営の方向性について検討を進めてまいります。

 保育園や放課後児童クラブ(学童クラブ)はコロナ禍においても、開園をつづけ、日々緊張の中、徹底した感染防止対策を行ってまいりました。医療機関と同様に基本的な機能を止めるわけにはいかないことから、国・県の補助を受けつつ、引き続き感染防止対策経費を助成することにより、安心・安全な子育て環境の維持・促進を図ります。
 

 2点目「暮らしを守る」につきましては今年度、高齢者福祉計画・介護保険事業計画の改定作業を行い、第8期の事業計画期間が4月から始まります。本町は、これまでもできる限り地域で暮らせることを中心に計画運用を進めてまいりましたが、第8期計画においてもこの趣旨を継続して取り組むこととしております。特に、訪問系、通所系の在宅サービスの利用が伸びていることを勘案して、在宅介護を推進するためにも「看護小規模多機能型居宅介護支援事業所」の整備を目指してまいりたいと考えております。

 また、介護保険料については、高齢化の進展を背景に、要介護・要支援認定者の増加に併せて国の介護報酬が増改定され、本町においても少なからず増額しなくてはなりませんが、そのような中でも少しでも負担を少なくできるよう、現在の保険料段階14段階を16段階に細分化し、所得層に合わせた細やかな調整を図ることといたしました。同様に、障害者福祉計画も令和3年4月から新しい計画期間に入ります。既存の障害者計画、障害福祉計画、障害児計画を一体的にした計画への改定を行っております。障害のある人もない人も人格と個性を尊重しながら、住み慣れた地域で互いに支え合い、ともに安心して自分らしく暮らせるまちづくりの実現を目指してまいります。

 ごみ処理につきましては、2市1町ごみ処理広域化実施計画や、逗子市との共同処理により、安定的な処理ができるものと考えておりますが、更なる効率化を目指し、引き続き検討を重ねてまいります。

 クリーンセンター再整備事業では、コロナ禍による経済的影響を見定めたうえで、設計・施工一括方式による業者選考を予定していますが、再整備期間中の対応や再整備後の利便性、維持管理と安定処理が確実に行えることを基本原則としたうえで、効果的・効率的な事業推進が図れるようさまざまな角度から更なる検討を進めてまいります。

 また、資源ごみの分別につきましても、資源ステーションの開始から7年を経て、より分かりやすい分別や処理の面で変更を検討する項目があることから、生ごみ分別への試行も含め、クリーンセンター減量推進会議を中心に町民の皆様のご協力をいただきながら、分別方法の変更の検討に臨んでまいります。

 合併処理浄化槽設置整備事業は、水環境の更なる向上のため、アクションプランに基づき、引続き国や県と連携して進めてまいります。公共下水道事業も同様に、アクションプランや今年度策定したアセットマネジメント計画により、安定した事業運営を図り、施設の機器類等の更新を順次、進めてまいります。

 次に、消防力の総合的な強化として横須賀市、三浦市と共同で運用している消防指令システムが更新時期を迎えるため、実施設計を行い、令和4年度に更新工事を行ってまいります。救急体制につきましては、救命率向上を図るため、救急救命士の増員や救急講習などによる応急手当の普及、促進に努めてまいります。

 地域防災力の中核を担う消防団については、今年度手当の見直しや資機材の整備を行うなど処遇の改善に努めてまいりました。今後も組織力の強化を図るため、様々な手段を講じて消防団員の確保に努めてまいります。

 災害に強いまちづくりの推進につきましては、いつ発生してもおかしくない大地震や地球温暖化の影響により大規模化する風水害に備え、町民一人ひとりの防災意識を高め、自助・共助・公助がしっかりかみ合った地域防災対策を推進してまいります。具体的には、今年度中止・延期となった、神奈川県との合同防災訓練「ビッグレスキューかながわ」を実施します。

 なお、神奈川県が令和2年度中に告示する予定の土砂災害特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンに指定される区域の情報については、速やかに町民の皆様へ情報提供するとともに、この状況を踏まえ町としてハザードマップの更新など対応してまいります。

 また、災害発生時の避難所運営は、新型コロナウイルスなどの感染症対策を講じる必要がありますが、今年度策定した「避難所における新型コロナウイルス感染症対策マニュアル」をもとに、万全の体制で複合災害に対応してまいります。

 さらに、複合災害対応で課題となる避難所収容人員の制約に対応するため、避難者の親族や友人宅に加え、ホテルや旅館等の宿泊施設を避難先の選択肢の一つとする新たな補助制度を創設します。


 3点目「活力を創造する」につきましては、魅力ある公園創出のため、より安全で利用しやすい公園や一般的な公園用途に留まることなく様々な視点から公園の再編や廃止も視野に入れ検討し、計画的に整備を進めてまいります。

 街路灯点検業務は、3か年計画の最終年度となります。防災、安全の観点を含め、台風や異常気象などの自然災害、老朽化や経年劣化による支柱の倒壊や断線などを未然に防ぐため、点検調査結果に基づき事前措置修繕を必要な判定箇所について、随時、実施してまいります。

 芝崎地区の外周護岸工事は、新型コロナウイルスの影響により工程変更となりましたが、神奈川県は本年1月に工事事業者と契約し、工事に着手することとなりました。昨今の大型台風による外周道路や住宅地への越波対策として神奈川県と歩調を合わせ取組んでまいります。

 また、密漁対策につきましても、対策強化のため、海上保安庁、葉山町漁業協同組合やダイバーの協力を仰ぎ、海上からの警戒をさらに強めつつ、従来のパトロール体制を強化して陸上からも対応します。特に密猟者が多い場所は、その時期に合わせて禁止、注意看板を設置するなど周知・啓発を徹底してまいります。

 海水浴場開設や花火大会開催につきましては、新型コロナウイルスの影響により、昨年度は中止となったことから、今年度は感染対策を徹底したうえで、無事に開催できるよう願っております。また、アフターコロナに向け葉山町観光協会の組織体制を見直すとともに、収益確保の方策を官民連携のもと練ることなど、協会を支援してまいります。

 リフォーム助成制度につきましては、コロナ禍による在宅時間の増加がニーズとして顕著に表れました。地域経済の活性化、居住環境の向上のための増加している助成のご相談に着実にお応えできるよう事業継続してまいります。

 臨御橋架け替えプロジェクトは、昨年末までを寄付受付期間としておりましたが、コロナ禍による影響を勘案し、期間を延長することといたしました。引き続きの周知活動を行いつつ、工事に向けた準備は進めてまいりますので、皆様のご厚意で無事に架け替えが完了するよう事業の推進を図ってまいります。

 旧役場前のバス停上屋整備も同様に、コロナの影響もあり令和2年度の工事着手に至りませんでしたが、職員による設計に対する専門家の構造計算や神奈川県横須賀土木事務所への建築確認申請を終え、令和3年度に工事着手することとし、可能な限り早期完成を目指します。

 併せて、地域交通環境の向上を目的として、有識者や関係機関、町民代表委員からなる地域公共交通会議を立ち上げ、様々な角度から検討してまいります。
 

 4点目「みんなでつくる」につきまして、広報広聴事業では昨年に引き続き、本町の広報紙が神奈川県広報コンクールにおいて3年連続の最優秀賞、7年連続の入賞を果たしました。また、インスタグラムへの取組みも人口を超える34,000人(令和3年1月30日現在)の方々にフォローしていただいており、町内外の皆様へ町の魅力や動向を分かりやすく伝える手段として、さらに磨きをかけてまいります。今後はさらにSNSを活用した新しい広報について検討を進めてまいります。

 行政組織の充実では、新型コロナウイルス感染症のまん延により、新たな生活様式の実践が求められ、役場組織においても感染防止対策はもとより、テレワーク、押印廃止によるペーパーレス化、ICT化の推進など、従来の仕事の進め方を踏襲するのではなく、固定観念に囚われず時代の要請に合致した行政運営を展開してまいります。

 昨年、新型コロナウイルス感染症緊急経済対策として実施した「特別定額給付金」支給事務や「ワクチン接種体制整備」のように、組織横断的にプロジェクトチームを結成し、柔軟かつ迅速に対応するなど、新たに生じた課題に即応できる組織運営にも務めてまいります。

 公共施設の有効かつ適正な管理では、コロナの影響により十分な行政内での議論が叶いませんでしたが、町の将来を見据え、令和元年度に実施した劣化状況調査結果をもとに、内部でのデータ収集や先進事例の研究などに努めてまいりたいと考えております。

 県・他自治体との連携・協力においては、様々な事業運営において引き続き取組むとともに、予断を許さないコロナ対策についても、医療分野に限らず様々な分野での連携に努めてまいります。
 

 終わりに、本町の住民基本台帳人口は令和2年1月の32,994人に対して令和3年1月では32,916人でした。建築や開発件数も減少傾向にあり、引き続き、わずかずつですが人口減少が進んでいます。しかし、コロナウイルスの影響による社会変化が様々な場面に及んでいる中、リモートワークや在宅ワークの進展で東京近郊の都市に移住する人や移転先を探す企業の視点は三浦半島地域にも確実に注がれました。報道等でもご存知の通り、町内や近隣の不動産業者によれば、地価の高さやニーズとのミスマッチがあってなかなか成約にはつながりにくいものの、問い合わせはとても多く、コロナ禍にあって葉山の魅力が人々を惹き付け、憧れの土地であることには間違いないとのことでした。

 今後も葉山が好きで、ともにこの町を守ろうとしてくれる仲間が増えるよう、様々な思考を巡らせ、工夫を凝らし、その魅力を磨き、発信してまいります。

 昨年に引き続き、葉山の穏やかさと美しさに包まれながら、町民の皆様が健康第一にお過ごしいただき、またマスクなしの笑顔でお会いできる日を楽しみに、価値ある町政とまちづくりに全力で臨んでまいります。本年も何卒よろしくお願いいたします。

  • 町長施政方針は、下記からダウンロードできます。

 過去の施政方針等は下記よりご覧ください。

更新日:2021年03月22日