近年、ご自宅に薪ストーブやペレットストーブを導入されるご家庭が増えてまいりました。しかし、それと同時に思わぬご近所トラブルも増えています。

 薪ストーブやペレットストーブを規制するような法律・条例は現状存在しません。そのため、このようなトラブルはご近所同士で解決していくことが必要ですが、まずは設置・使用している側の気遣いにより、そもそもトラブルにならないように心がけてください。

 薪ストーブやペレットストーブを使用する時期（主に晩秋～早春）に、その地域で吹く風向きを調べ、煙が発生した際の行く先を把握しましょう。

 その際に近隣の住宅の窓に煙や煤が向かうような煙突の設置は避けてください。煙突の向きや高さを専門家等と慎重に検討してください。

 煙突内で排気が停滞して冷えてしまうと、煤や付着物が増えます。熱いうちに排気できるまっすぐな構造にするよう、心がけてください。また、二重断熱構造の煙突素材等を使用し、排気の保温と万が一の煙道火災にも備えてください。

 排気の温度を高温に保つこと、煙突を高くすること、これらを行うことで排気がスムーズに上昇します。但し、ひな段状の住宅地に設置する場合には、上昇した排気が思わぬ遠方からの苦情を招くこともあります。専門家を交え、慎重に検討してください。

 施工前に、ご近所の方へ説明を行いましょう。そこでご理解を頂かないと、使用後にご近所トラブルや苦情の原因となってしまい、使用できなくなる場合もあります。

 また、ご近所の方に呼吸器系の持病がある場合などには、設置を断念する決断も必要になります。事前にお話をすることで、初めて分かることもあります。事前のご近所への周知は、とても大切ですので、必ず行うようにしてください。