鳥獣対策協議会

開催日時
令和7年1月16日(木曜日) 午後2時~3時30分
場所
協議会室2
出席者
鳥獣対策協議会
鳥獣対策協議会会長 沼田 久雄
鳥獣被害対策実施隊隊長 臼井 康之
鳥獣対策協議会副会長/鳥獣被害対策実施隊副隊長 三井 修
葉山町議会(教育民生常任委員会対応)
委員長 石岡 実成
副委員長 星 加代子
委員 金崎 ひさ
委員 笠原 俊一
委員 待寺 真司
委員 窪田 美樹
議長 伊東圭介(オブザーバー)
(議会広報常任委員会)
委員長 荒井 直彦(司会)
委員 三浦 大輝(書記)
委員 山田 由美(書記)
(傍聴議員)
笹本 貢史 議員
中村 和雄 議員
近藤 昇一 議員
次第
1 開会 議会広報常任委員会委員長 荒井 直彦
2 あいさつ 議長 伊東 圭介
鳥獣対策協議会 会長 沼田 久雄
3 出席者紹介 (自己紹介)
4 テ ー マ 鳥獣対策の現状と今後の課題
5 閉会 鳥獣被害対策実施隊 隊長 臼井 康之
あいさつ
葉山町議会 伊東 圭介議長
町民との意見交換会にご参加いただきありがとうございます。この意見交換会は、議会基本条例第5条3項に基づいた葉山独自の制度で、広く町民の意見を聴く機会を設けています。鳥獣対策協議会との意見交換会は2回目となります。鳥獣対策の現状と今後の対策について意見交換をさせて頂きたいと思います。
鳥獣対策協議会 沼田 久雄会長
今回は2回目の意見交換会の機会を設けていただき、ありがとうございます。イノシシ被害を少なくするために、罠かけ、防護柵の設置といった活動をしています。今後も頑張っていきたいと考えています。議員の皆さまにおかれましても、ご支援、ご協力をいただきたいと思います。
テーマ
鳥獣対策の現状と今後の課題
石岡 まず現状報告をして頂き、それから意見交換という流れでお願いします。
臼井 前回の意見交換会でも説明していますが、平成25年に、畑が荒らされる被害があったことから始まりました。現場を見てイノシシ被害と判断したため、小田原市の県立生命の星・地球博物館で、イノシシについて学びました。平成26年に、荒井議員など4名がワナ猟の免許を取り、平成27年には5人でわな猟の会を立ち上げました。更に農林水産省の補助金をもらうために町に協力を求め、30人で鳥獣被害対策実施隊を設立しました。
現在は電気柵を設置したため、農業被害はなくなっています。班を組んで週2回の見回りや、定点カメラ設置、イノシシ処理、草刈りなどを行っています。イノシシ供養も毎年行っています。
隊員の平均年齢は64.5歳になっていて、70代が隊員の半数を占めている状態です。70代、80代が草刈りをしています。これまで怪我人が出ていないことは有難いですが、隊員の補充が課題です。葉山町は日本で一番住みやすい町ということですが、イノシシにとっても同じです。栄養状態がよいため1才で子を産み、最大8頭を出産します。我々の活動が縮小すると、たちまちイノシシが増えてしまいます。
動画上映11分……葉山わな猟の会、活動報告
●活動の柱は3本 【1】監視活動 【2】防護柵設置 【3】駆除活動
町長メッセージを含む 「イノシシ対策は喫緊の課題だ」
三井 この動画は、明日の町内会連合会の会合で発表する予定です。江戸時代にいたイノシシが続いているわけではなく、明治の頃には絶滅しています。今のイノシシは、あるハンターが5頭のウリ坊を育てて、放したのが始まりというのが定説です。本来、町にいていいイノシシではありません。
既に三ヶ岡にまで広がり、6頭いるらしいとわかっています。三ヶ岡には赤樫のドングリが多いので、栄養が取れ、1才ちょっとで子供が産めるようになるのです。その6頭のうち、昨年5月2日に38キログラムのメスがあじさい公園の上で、12月10日に82キログラムのオスがつつじヶ丘で捕獲されました。イノシシは、木の下と三ヶ岡を行き来している様子です。もはや、平気で道路を横断しています。住宅街でも落ち着いて動いています。
既に横須賀方面にも出没し、津久井浜でも1頭捕獲されていますが、大楠山でも繁殖が始まるかもしれません。春キャベツなどを食べて味を覚えたら、農業被害が出るかもしれません。大楠山にはまだ獣道がないので、罠をかけることができない状況です。大楠山で繁殖したら、それが葉山に戻ってくるかもしれません。
トータルで600頭ほど捕獲していますが、令和6年に捕獲しきれなかったイノシシは、二子山の源流部に隠れている可能性があります。ここは県が委託した業者が担当していますが、広すぎて捕獲数は伸びていません。3月後半から出産が始まるので、生息数が100頭を超える恐れがあります。
石岡 昨年2月の意見交換会の後、それぞれ議員側から町に働きかけをしていますが、人員確保や解体場所など、何か進展・改善されたことがあれば教えてください。
三井 全く改善されていません。金崎議員が町に質問してくれましたが、町は、環境課に所属する専門員は要らないと言っていました。つつじヶ丘の件でも、町内会から知らせを受けて出動したのですが、環境課の職員は応援に来てくれませんでした。たとえ来てもらっても、知識がなくて対応できないと思いますが。私とオブザーバーで対応しましたが、彼らは町の保険にも加入していません。自前でボランティア保険に入っているだけです。ワイヤーが切れてイノシシに突進され、怪我をしたら大変です。町には、専門の職員が必要だと思います。我々と一緒に修業してもらい、捕獲の手伝いや住民への説明などをしてほしいのですが、これは町に文書を出して要望するべきですか。それとも、議会に出した方がいいですか。
志願者がいても、すぐに隊員にするわけにはいきません。最低1年間は一緒に活動してもらい、地域貢献だと理解してもらう必要があります。隊員になれば、町の職員として保険に入れます。猟友会のような保険は高額なので、ボランティアの人に払わせるのは申し訳ないです。
大沢谷の解体基地については、電気と水道は引いてもらいましたが、ハイキングの人から見えないようにして作業しています。ここは大和ハウスの土地であり、包括協定によって町が使っていますが、町との住み分けがはっきりしません。環境課に割り振りをしてほしいのですが、動きが見えません。我々は雨ざらし、炎天下で解体作業をしています。
また活動経費については、事態が農業被害から生活被害に代わっているので、補助金をもらう先を切り替えるべきではないでしょうか。
臼井 イノシシが罠にかかったら、まず遠くから見て、前足か後ろ足か、足首から上にかかっているかどうかなどを確認します。足がちぎれてしまったら、こちらに向かってくるので危険です。見極めがついたら、止め刺しの部隊を編成します。イノシシは意外と大きく、向かってこられたら我々でも怖いのです。またイノシシは犬よりも鼻が利くので、ワイヤーや油の匂いで罠に気付き、足を引っ込めることがあります。すると、半端な形でワイヤーにかかってしまうのです。
沼田 先ほど、環境課は手伝ってくれないという発言がありましたが、防護柵設置の時は、女性の課長まで長靴をはいて参加してくれます。職員は一生懸命やってくれます。
石岡 教育民生常任委員会の所管事項となるので、委員会として対応していきたいと思います。
意見交換
待寺 町内会連合会で説明するとのことですが、防護柵の設置を町内会・自治会でしてもらうということですか。
臼井 そういうつもりではありません。現状をまず知ってほしいのです。イトーピアの時は設置を手伝ってもらおうと思いましたが、自治会の役員も高齢で、怪我をされても困ります。そこは悩みの種です。
待寺 生活被害に軸足が移っているので、町内会・自治会でも課題になると思います。防護柵を設置する時など、情報を教えてほしいと思います。
窪田 動画を見て、大変さがよくわかります。荒井議員からも、苦労話を聞いています。議会がご希望に添えていなくて、心苦しいです。自分の家の傍までイノシシが来ているので、どうにかしなければと思います。委員会としてまとめるなど、議会としても頑張る所存です。
三井 死体の処理については、県は埋設と言っていますが、もう限界です。以前はクリーンセンターで丸ごと焼却できるという話だったのに、ちゃんとした説明のないまま、うやむやのうちに変わってきました。若い隊員はジビエとして利用していますが、残渣は出ます。焼却用のボックスに入れるためにも、さばく必要があります。町長が「大沢谷を整備して」と言っていたのに、まだ実現してしません。議会で催促してほしいです。
金崎 今の動画では、町長は「町はもう、するべきことはしている」かのような態度でしたが、課題は残ったままですね。かつて学校トイレが問題になった時は、委員会の総意として改善させました。このイノシシの件も、委員会としてまとめる時期に来たと思います。
三井 床をコンクリートで固めるとか、それができる頃には我々はいないでしょう。議員に現場の視察をしてほしいと思います。想像を絶する世界です。
金崎 あそこは解体施設とは言えません。こちらで課題をまとめるか、それとも、そちらで町に文書を出しますか。
三井 沼田会長の名前で、要望を絞って出すのがいいかと思います。
石岡 それは町に出して頂いて、我々も町と精査していきたいので、宿題として預かります。
三井 町長とは対面で話し、やりますと言われているのに、そのままです。
金崎 町に出した内容を、議会にも出して頂ければ。
待寺 活動費を生活被害に切り替えるというのは、具体的には?
三井 農林水産省の補助金をもらっていますが、農業被害はないので、金の出所と活動内容が合わなくなっています。ただ、それを公には言えない状態です。生活被害の電話は、環境課に10件以上入っています。
待寺 費用自体は足りているのですか。
三井 浄化槽の設置など、解体基地の整備にお金がかかるので、活動費に加えて、整備資金を町に出してほしいのです。我々は、孟宗竹で手作りの屋根をつけたりしています。雨や炎天下で解体作業をしているので、大沢谷の整備をお願いしたい。
伊東 建築確認など、法的な問題があって、難しいのでは。
三井 町長は、大和ハウスとの包括協定があるから大丈夫と言っています。
伊東 大和の土地でも、法の縛りはかかります。我々も判断しにくいので、担当課と話して協議したいですね。死体を丸々業者に渡すという方法もあるかもしれません。県西部ではあると思います。
三井 町が方向性を示さないので、迷走しているのです。今の環境課では知識が足りないので、専門員が必要です。
石岡 我々も動くので、町へ要望書として提出して下さい。
金崎 それで駄目なら、別の方法を検討すればいいでしょう。
閉会
鳥獣被害対策実施隊 臼井 康之隊長
現状は理解して頂いたと思います。水道や電気など、少しずつ進んではきましたが、我々ももう高齢なので、若い人に引き継ぐためにも、よろしくお願いします。

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更新日:2025年02月19日