鳥獣対策協議会

意見交換会の様子

開催日時

令和6年2月5日(月曜日) 午後2時~3時30分

場所

協議会室2

出席者

鳥獣対策協議会
鳥獣対策協議会会長 沼田 久雄
鳥獣被害対策実施隊隊長 三堀 修一
鳥獣対策協議会副会長/鳥獣被害対策実施隊副隊長 三井 修

葉山町議会(教育民生常任委員会対応)
議長 伊東 圭介
委員長 石岡 実成
副委員長 星 加代子
委員 金崎 ひさ
委員 笠原 俊一
委員 待寺 真司
委員 窪田 美樹

(議会広報常任委員会)
委員長 荒井 直彦(司会)
委員 三浦 大輝(書記)
委員 山田 由美(書記)

次第

1 開会 議会広報常任委員会委員長 荒井 直彦

2 あいさつ 議長 伊東 圭介
鳥獣対策協議会 会長 沼田 久雄

3 出席者紹介 (自己紹介)

4 テ ー マ 鳥獣対策の現状と今後の課題

5 閉会 鳥獣被害対策実施隊 隊長 三堀 修一

あいさつ

葉山町議会 伊東 圭介議長
本日はお忙しい中、ご出席いただき、誠にありがとうございます。日頃からの罠のパトロール、草刈り、防護柵の設置などに感謝を申し上げます。本日の会議は、議会基本条例5条に位置付けられた、町民との連携のための意見交換会です。鳥獣被害対策について、忌憚のないお話をお願いします。

鳥獣対策協議会 沼田 久雄会長
日頃の活動へのご理解とご協力に感謝致します。本日のテーマは鳥獣害対策の現状と今後の課題です。町は第3期までの鳥獣被害防止計画を実行し、第4期の計画を策定中です。毎年イノシシを捕獲していますが、捕獲が繁殖に追いついていないのが現状です。今後、一層のご理解とご協力をお願い致します。

テーマ

鳥獣対策の現状と今後の課題

石岡 今後に向けた課題の抽出ができればと思っている。まずは現状のご説明を。

三井 私は主にデータ管理や、カメラによる監視を担当している。江戸時代末期には絶滅していたイノシシが、なぜ今いるのかから話したい。2013年1月に、上山口と長柄で畑が荒らされる被害があったのが発端だ。箱根で目撃した事例と、田んぼの荒らされ方から、これをイノシシによる被害だと断定した。最初は2013年6月8日に30kg程の幼獣を捕獲したが、捕獲者の不誠実な対応で、DNA鑑定ができなかった。議員には、ある人物によって、無断で持ち込まれたイノシシだということを覚えておいてほしい。この人物がイノシシを逃がしたらしい。2014年4月18日に2頭目(5頭の子連れ)が新沢の石井本家の牧場の上の方で捕獲され、大学院大学のDNA鑑定で丹沢山系の野生のイノシシだということがわかった。翌2015年3月16日には、その母イノシシが産んでいたと思われる5頭の内の1頭を捕獲。既に盛りがついて受胎していた。イノシシは、栄養状態がよければ、1歳を過ぎた頃には子どもを産んでしまう。10頭目くらいからデータ化し始め、突き合わせて考えるようになったので、2013年1月に逃がされたイノシシは5頭だったのではないかとわかってきた。2018年2月に、最初に持ち込まれたと思われる雄を捕獲。実際には2015年に一回捕獲していたが、蹄をちぎって逃げ、生存していた。イノシシは人に会うと、膝と太ももの間を牙でえぐる。すると大動脈から大出血し、急激な血圧低下でショック死することがある。雄の牙は、3歳を超えると危険性が高い。雌は体当たりして、転んだ人に噛みつくことがある。顎の力が強く、肉を潰して引きちぎるので、縫っても縫えないような傷になってしまう。また、イノシシは子煩悩で子育てをするのが上手く、繁殖力も高い。子は頭胴長30cm位1kg弱で産まれる。当初は1回の出産で4~5頭しか産まないと思っていたが、7頭の胎児を抱えた雌を捕獲した。子煩悩に育てると、7頭とも育ってしまう。既に上山口小学校近くでは、100kg級の個体も捕獲された。
 

●スライドを用いて、過去に出現したイノシシの個体に関する説明

●動画にて、現場の見回りや、罠にかかったイノシシの処分、解体などの様子を説明(96センチメートル、32kgの雄)

 

捕獲後は頭を取り、ゆでて標本にし、乳歯と永久歯を確認することで、イノシシの出生年を確認している。2022年は二子山山系で80頭捕獲したが、その後の調査によって100頭を越える出産があったことがわかった。出産データを調べると隔年で出産が多い年と少ない年が交互にきている。1度出産した雌も1年少々で次の出産をするため、結果的に個体数が増加してしまう。つまり、個体数が減っていないのが現状だ。2024年には相当数、生まれるかもしれない。逗子、横須賀では、1年のうち2~3カ月しか捕獲しない。逗子では沼間1、3、5丁目のグリーンヒル、アーデンヒルあたりだ。県道より向こうには行っていない。横須賀では田浦から按針塚辺りに広く繁殖している。

三堀 捕獲→解体→歯式確認→埋設という流れで動いている。課題としては、処分方法だ。解体してから、食べられる部分は自家消費するようにしているが、皮や骨は埋設しなければならない。大和さんの土地に、ユンボで穴を掘って埋設しているが、今後はもう埋めてほしくないと言われている。現在、町の処理業者に依頼もしているが、20kg単位の細かいパッケージにしないといけない条件があり、それが負担になっている。将来的には、町の生ごみ処理施設で丸ごと処分できると聞いたが、クエスチョンマークがついてきた。今は隊員の作業場を借りて処理作業をしているが、水道はあっても電気がない。排水も垂れ流しになってしまう。今後は、排水処理もでき、雨風も防げる作業場がほしい。普段は2~4人の班で動いているが、もう10年近くやっているので、隊員も高齢化が進んでおり、若いメンバーが必要だと感じている。今はボランティアが10名程いるが、日程が合わないこともある。うまく調整するか、町で専従の要員を作るかだ。これまでは農業被害で限定された場所だったが、今は生活被害の声も出ている。罠をかけても、管理しきれない。イノシシも学習をしており、過去出現した場所に罠を仕掛けても捕獲できるわけではない。見回りは2~3時間から半日で済むようにルートを組んでいるが、その範囲で罠にかかるとは限らない。もっと山奥に入って罠をかけることになるが、そこまでは動けないのが現状だ。国・県・町も防護柵の設置という方向になってきたが、一昨年から始めてまだ2000mに達していない。設置は今後もしていくが、山の中に網を運ぶのは人海戦術で、その作業自体も大変になってきている。

沼田 まとめると、高齢化と処理の問題がある。今後は、町が主導してやってほしい。隊員の平均年齢は、70歳を超えている。

三堀 防護柵の設置には県・町からも人が来ているが、地域の協力が必要不可欠だ。本来、当事者である自治会が柵を立てるべきで、その補助を我々がやるべきだと考えている。住民から、柵が邪魔だと苦情を言われたりすると、やる気が失せる。協力してくれる誠意が欲しい。

三井 主体者は自治会になって、我々は技術協力をする形が良いと考える。

意見交換

石岡 荒井議員から聞いていることもあるが、改めて認識できたことも多い。町と既に話を進めていることや、まだ動きがないことなど整理してお伺いしたい。

三井 大沢谷の入口で、物置小屋をまず建ててもらい、頭をゆでるスペースを確保し、水道も入れてもらった。石井造園さんの場所を間借りして、解体などをしている。しかし、浄化槽がないので臭気があり、イノシシを怖がる人もいるので、今後は大沢谷を整備して、電気や浄化槽を導入した場所が欲しい。もう一つの問題は残渣だ。現状は、大和さんの敷地にユンボを使って埋めている。小さいユンボなら無資格で使えるが、途中の斜面で転がる危険がある。焼却のためには、細かくしないと容器に入らず、手間がかかる。負担を減らしたいのに逆方向だ。中には、疥癬症のダニに取りつかれた個体もいる。その場合は解体せずに埋設する必要があるが、深さ1mを120~130cm四方で掘る必要があり、これを手作業でやるのは負担が大き過ぎる。今後、町から専任者を出して欲しい。データ化や捕獲についても人員が欲しい。大沢谷に基地ができれば、そこの管理もお願いしたい。もう住宅街を歩いて三ケ岡にも出るようになった。どこまで我々がやるべきなのか。

石岡 議員からも質問を。

笠原 まだ引き続き防護柵を設置する可能性はあるか。

三堀 料金所の上からイトーピアの裏手、逗子との境まで、追加で1000m分の設置予定がある。

笠原 協力してほしい自治会とは、イトーピア自治会のことか。

三堀 そこは県が行うが、国の予算で買える柵はまた別で、それなら町内でやれる。

三井 イトーピアをやれば、なぜパークドはやらないのかと言われるだろう。三ケ岡でも、山を丸ごと囲めと言われる可能性もある。

窪田 同じことを町に話している中で、動いてくれないので、議会にということになったと思う。クリーンセンターには、一頭丸ごと入れて大丈夫と言われているのか。町は、どこまで要望を聞いてくれているのか。

三堀 前部長には、二年後にはできると言われていた。町長も言っていた。

荒井 高梨部長から、生ごみ処理施設完成後では、1頭丸々引き受けできると聞いている。

金崎 本来、団体のやっていることは、町がやるべきことだと思う。おんぶに抱っこしすぎだ。町民は、町がやっていると思うから傲慢な態度になるのだと思う。町民に勘違いさせてはいけない。話を聞いていると、腹立たしい。作業場についても必要性を感じる。炎天下で吊るし切りは大変すぎる。それでは、若い人も来てくれない。小屋を建ててもらうなど、町に提案はしたのか。

三堀 大沢谷を使わせてもらえる運びになっているので、次の段階では倉庫がほしい。作業所はまだだ。

三井 予算がつくまで、竹を切って屋根だけ載せたりしている。

金崎 20kgのパッケージはけっこう小さい。町は、要望しても動かないということか。

待寺 拠点づくりは大切だ。命を大切する心を持たないといけない。焼却炉も必要だ。しかし、ジビエに繋げるのは流通量的に難しい。ボランティアは、あくまでお手伝いなのか。

三井 罠猟の免許は持っているメンバーだ。やる意志はある。これまでは農業被害の人(農家)がほとんどで、被害を受ける地域から来ていたが、一色堀内からだと、技術を教えても、趣味になりかねない。週2回、見回りに参加することが義務となると、次第に来られなくなる。農業被害と生活被害、どちらを受けているかによって、続く続かないがある。続ける意思があるかどうかの見極めが難しい。オブザーバーとして同行はしてもらっているが、イノシシを仕留める(危険な作業)のは隊員がやっている。町長は、私が面接しましょうかと言ってくれたが。我々が面接しても、判断の基準が持てない。

三堀 手伝ってくれるのは、熱心だが。

三井 12人いるが、誰を選ぶか難しい。

窪田 荒井議員と視察に行っているが、頭数からいって、ジビエの店まで望むのは無理だ。どこかの庭先では負担が大きい。流通は無理でも、作業所は必要だ。イノシシの根絶は無理なので、ずっと繰り返していくことになる。ユンボは事故になりかねない。

三井 初めは農業被害だったから、上山口主体で協力してもらえた。堀内、一色の人に同じことを望むのは無理だ。

石岡 他にご意見は。

動画を見せて頂いて、険しい山を歩いて、大変なことだとわかった。これまで作業中に、隊員の方が怪我をされたことなどはないか。

三井 私はズボン、隊長は帽子を噛まれ、田村隊員はひっくり返ったなど被害はあったが、怪我は今のところない。ショック死という意味が、最初はわからなかった。

命がけで動いて下さり、感謝する。

三堀 二子山山系は葉山、逗子、横須賀がからんでいるので、情報交換をしてほしい。以前は県の会議に我々も参加していたが、今は県が動いていない。2市と話し合い、協議会の設置なども検討できないか。こちらで柵を作ると、そちらへ逃げていきかねない。

石岡 私も逗子の担当課と話したことがあるが、連係がとれていなかった。町に進言する部分と、メンバー確保のリクルーティングの手伝いは、議員の課題とする。これまで、いつも荒井さんにお任せしていたが、我々も後ろ盾できるようにしたい。今後も、こういう意見交換を続けたい。

閉会

鳥獣被害対策実施隊  三堀 修一隊長
今日はお時間を頂き、ありがとうございました。団体の平均年齢が70を超えて、動きが鈍くなってきています。少しでも、我々の仕事量を減らして頂けると助かります。今後も協力をお願いします。

意見交換の様子
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更新日:2024年03月13日