令和3年 葉山芸術祭実行委員会との意見交換会

葉山芸術祭実行委員会との意見交換の様子

オンラインでの意見交換会の様子

開催日時

令和3年11 月15 日(月曜日) 午前10時30分~午後0時30分

場所

Zoomによるオンライン会議

参加者

葉山芸術祭実行委員会  6人
松澤、朝山、堀、長谷川、清水(えり)、清水(淳)

教育民生常任委員会 7人
荒井委員長、山田副委員長、飯山委員、鈴木委員、土佐委員、窪田委員、伊東委員

議会広報常任委員会
飯山委員長(兼 教育民生常任委員会委員)、金崎委員(書記)

オブザーバー
待寺議長

議会事務局

次第

1 開会 議会広報委員長  飯山 直樹
2 挨拶 議長  待寺 真司
            葉山芸術祭実行委員  松澤 利親
3 自己紹介 参加者は資料で提出済み
4 テーマ
(1)今年新型コロナ下での開催と来年第 30 回の記念開催について
(2)町民アート教育への提案(主に子 ども)
(3)アーカイブ機能を備えた市民ギャラリー建設
5 閉会 教育民生常任委員会委員長 荒井直彦

概要

(1 )今年新型コロナ下での開催と来年第 30 回の記念開催について

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

昨年度の第 28 回 葉山芸術祭 は 新型 コロナ禍のため中止したが、今年の第 29 回はオンラインと屋外 企画 で実施した。オンラインセミナーも行った。森山神社 境内でのイベント は警察と保健所の許可が必要であり、 状況を考慮し 実施 しなかった 。参加企画は 50 で例年の半数ほどだったが、これを多いと見るか、少ないと見るか。ミラノや インドネシア・ バリ島など、海外からの参加もあった。山梨から 参加 した 美術作家は、各地 から のワークショップ参加者が この 作家の YouTube を見ながら制作した個々の作品を山梨に 送ってもらい、 それを基にした全体作品を作家自身が 役場 前の明鏡止水で 制作 展示した。 その他 マンションの中庭での作品展示や、自宅の塀の 展示 利用、オンラインコンサートなどもあった。来年は通常開催を目指す。町・県・他団体と も 連携したい。 新たな事業企画として 子どものためのアート ワークショップ とメディアアートの 2 つ を予定しており 、メディアアートは写真に特化する。第 6 波が来ても 対策を取って実施 する 予定 。 30 回記念事業もあり 補助金を多めに申請するので、議会の協力を得たい。議会向けガイドツアーも実施したい。

鈴木委員

ガイドツアーのアウトラインを教えてほしい。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

目的は、議員の皆さんに芸術祭をもっと知ってもらうこと。数時間かけて歩いて回ってもらう。参加するかどうか、お返事を早く頂きたい。そうしたら、担当者同士でスケジュールを組める。
議長は笑っていらっしゃるので、参加していただける? 鈴木議員も?

鈴木委員

ぜひ参加したい。日程調整が合えばですが。

荒井委員長

予算要望は、どのくらいか。

鈴木委員

既に町と交渉中だが、例年の30 万8000 円の2 倍で61 万6000 円を希望している。多少の増減はあると思うが。

荒井委員長

開催期間は。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

4 月23 日の土曜日から、5 月15 日の日曜日まで。毎年、ゴールデンウィークの1 週間前の土曜日から、その後の日曜日までのだいたい3 週間を期間にしている。

窪田委員

第28 回の竹あかり展で、議会の協力を求められたが。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

新たに制作するかは未定だが、行うとすれば自然環境保護団体の協力で、そこで管理している土地の竹を使わせてもらう。切り出す際に、議員の皆さん他のボランティアの参加があればありがたい。

飯山委員

決算(予算の誤り)の資料では54 万8000 円になっているが、その2 倍で100 万ほどになるのか。

待寺議長

令和3 年も当初予算54 万8000 円となっている。規模を縮小したら減額するとして、それで改めて申請してもらえばいいと思う。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

それは、しおさい公園で行う竹あかりのイベントの分も入っての金額だと思う。芸術祭本体では30 万8000 円だ。

清水えり( 葉山芸術祭実行委員会 )

今年、会場でもオンラインでもいいが、芸術祭を見て下さった議員さんは挙手してほしい。(鈴木、窪田、金崎、待寺が挙手)

飯山委員

これからリモートでの企画が増えると、遠方からの参加も増えるのではないか。隣の逗子市でも芸術祭のようなイベントを行っているが、コラボレーションは考えているか。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

逗子アートフェスティバル といい、 葉山芸術祭として 私と朝山で立ち上げを手伝った。前の市長からの依頼で、 5 年間ほど 関わった 。逗子の海岸映画祭も、元は葉山芸術祭の 参加 企画の一つだった。今も関係は続いている。逗子の目的は、葉山とは少し異なる と思う が。

朝山( 葉山芸術祭実行委員会 )

鎌倉、逗子、葉山、各地の文化風土は少し違う。逗子で立ち上げを手伝ったが、イベントが育つと違う形になる。相互参加はできているので、数年待ってからコラボすればよい。逗子のフェスティバルが育つのを待ちたい。

飯山委員

葉山に住む前から、芸術祭のことは知っていた。手作りの芸術祭が、大きなイベントに育ったと思う。更に拡大し、外への発信もするとよい。来年の参加者の見積もりは。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

逗子のアートフェスティバルは公設民営だが、葉山は有志で行っているので自由度が高い。
葉山では調査してアンケートをとっているが、 常に リピート率や参加希望 数 はよい状況だ。来年度も 100 くらいの企画参加があると思われる 。

 

(2 )町民アート教育への提案(主に子ども)

清水えり( 葉山芸術祭実行委員会 )

私が担当者だ。普段はアートコーディネーターをしている。葉山芸術祭は、全 国的に見ても一番古いと思う。行政の事情で中止になることがなく、ずっと続いているというのは珍しい。
子どもたちが実体験できる場は重要だ。期間中だけでなく、通年で行うために、議員のお力添えを頂きたい。毎年行っている竹あかり展は、親子参加で人気がある。ドリルを使った工作や、影絵のワークショップも人気だ。「文化芸術振興基本法」の前文に、文化を享受することの重要性が凝縮されている。「子どもプロジェクト」(仮称)でネットワークを構築し、情報発信したい。これまで、企画と企画をつなぐことが手薄だった。格差社会は明らかなので、 親が興味を持てば子どもも参加してくれるが、そうでなければ難しい。我々も発信しているが、情報をキャッチしてくれる人を増やすには、議員にも SNS などで発信してほしい。材料費などがかかるが、なるべく無料で参加してほしいので、町が持っている機材を貸してほしい。まちづくり協会のコピー機を貸してもらっているが、有料だ。通年活動が新たな企画で、美術館訪問や、学芸員の移動教室などを考えている。町内に 2 つも美術館があることは稀有で、恵まれている。他の自治体の小学校からの美術館訪問はあるが、町内からの訪問はまだ実現していない。 10 歳までに美術に触れることが、大人になってからの大きな糧になる。金沢市によい例がある。学校単位の行事は負担が大きいので、町や議会の協力が欲しい。
子どもは美術館の入場が無料だが、交通費や安全面の問題がある。議会に複数の担当者を置いてもらい、情報共有や、学校との連携の窓口になってもらいたい。子どもに美術は不要と考える議員はいないと思う。文化面が弱いので、ぜひ促進してほしい。

荒井委員長

町の機材貸し出しとは、どんなものが必要なのか。

清水えり( 葉山芸術祭実行委員会 )

10 人ほどの参加で、県立近代美術館の屋外彫刻を案内したことがあるが、 プリントを 5~6枚用意したし、鉛筆、スケッチ用の紙ばさみなどが必要だった。鉛筆は寄付してもらったが、絵具やハサミなどの工作用具などを共有できたらありがたい。机や椅子、ブルーシート、ホワイトボード、カラーコーンなど、その都度、借りたり買ったりするのは大変だ。町や学校にあれば、貸してもらいたい。

荒井委員長

荒井 リストを出してもらって、協力してもらうとよい。後日、提出を。

鈴木委員

2 つの美術館で、小中学生に見学してもらっていないのは残念だ。以前、海上自衛隊の音楽隊に来てもらい、福祉文化会館で音楽祭を行ったことがある。中 学校のブラスバンド部にも参加してもらい、終了後、子どもたちに個人指導してもらって喜ばれた。小中学校の美術の先生にお声かけは。

清水えり( 葉山芸術祭実行委員会 )

個別にはしていない。昔は小学校に声をかけたが、今はチャンネルがない。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

過去には、 葉山芸術祭から 小中学校に企画を持って いったことがある 。 今後は そういう個別対応ではなく、 葉山芸術祭と小中学校が繋がる 「仕組み」を 行政が 作ってほしい。 その対応 窓口を作っておいてほしい。 そうした窓口 担当者がいる方がよい。 そして、 人材には恵まれている 葉山町民を行政 はもっと 利用 すべきだ 。

鈴木委員

現状はわかった。先生方は忙しく、カリキュラムも大変だが、ルートを作ることを要望したい。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

学校や教育委員会などが怠慢だと言いたいのではない。あくまでも提案だ。学校の忙しさはよくわかるので、働きかけをあきらめてきた。 数年前、 近代美術館の中に 葉山芸術祭との連絡や相談の 「仕組み」を作ってもらい、 学芸員は葉山芸術祭との連携を 仕事として行うようになったので、我々も 進めやすい。町もそうしてほしい。

飯山委員

子どもたちが美術館に行くことは、すぐにでも提案したい。通年でアートを学ぶことはとても葉山らしいが、どんなイメージか。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

朝山と私で以前学校と協力している時、「スポーツ関係の顧問を呼ぶ時は予算がつくのに、文化系ではそういう仕組みがない」と聞いた。そういう 予算の 仕組みも欲しい。

 

(3 )アーカイブ機能を備えた市民ギャラリー建設

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

一般に ギャラリーは展示のみだ。 美術館の様な作品修復や調査研究や教育などの機能はない。アーカイブと は 保存保管 機能 の事で あり、図書館のように展示機能を持つ場合もある。最近 では、デジタルデータでタグ付けや検索などができる仕組みが増えてきた。こういうものが、まちづくりにも必要だ。町のデータを蓄積し (アーカイブ 、表現できる場所 (ギャラリー があると、 地域のブランド化やオンリーワンにつながる。 今更 工場を誘致したり人口を増やしたりするより、創造的地域を作ることが 葉山には 望ましい。 こうしたアーカイブやギャラリー作りは 個人では限界があるので、行政で この 2 つ を持つべきだ。 この場で詳細を説明する時間はないので 議会では こうした事を意見交換する 担当者を 先ず 決めてほしい 。

飯山委員

たとえば、近代 美術館の中に常設展のコーナーを作るとかいうことか。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

色々な形があると思うが、新しく町立ギャラリーを作るとか、空き家を借りる、買い上げるという方法もある。行政が行うか、我々のような団体に委託するかなど、そういうことを検討する場がまず欲しい。アーカイブはデジタル化できる部分もある。何をどこまで保存するか、議論が必要だ。

朝山( 葉山芸術祭実行委員会 )

何年か前にも議会の皆さんと面談したが、色々な 文化人がいるのに 町の形の中に残っていないことに危機感を覚えている。ぼくは建築家なので、 近代建築がずいぶんなくなったことが残念だ。
杉浦さんが頑張って本にしたが、議員さんはその本を持っているか。アーカイブがあれば保存できる。ギャラリーより保存が優先だ。

長谷川( 葉山芸術祭実行委員会 )

 ギャラリーは、出したい人はここに展示してもいいですよという器になりうるが、文化的な町の資産を残すことを、もっと能動的に発信したい。大切なものなのに、既に失われた部分がある。守らないと、なくなってしまう。

飯山委員

イメージとして、芸術祭はアマチュアの手作りから始まったと思う。ギャラリーでは、プロとアマチュアの差が出てくるのでは。お金を取れ るレベルのプロもいる。どういう位置づけになるのか。

松澤( 葉山芸術祭実行委員会 )

まだ、我々の活動 (葉山芸術祭 を理解されていないと思う。当初 (葉山芸術祭の第 1 回目
2 回目) はプロが中心だったが、 3 年目に朝山が入り、 4 年目に私が入って、そこから参加型 芸術祭に変えた。プロ・アマを問わ ず、評価もしない。プロ、プロとアマの中間、アマ が 同 じ所 (葉山 に同じように住んでいる。その全てが対象だ 。ロサンゼルス の 美術館に作品が展示されている人も、趣味で手毬を作っている高齢女性も同等の扱いだ。 こうした葉山芸術祭の記録や先程から話の出ている近代建築物など失ってからでは取り戻せないから未来へ 保存したい。亡くなった杉浦さん (葉山芸術祭を立ち上げた中心人物で建築家)は、 町内の 近代建築他の 建物を巡るガイドツアーを行い、終了 後 、その時の 写真 を使いレクチャーしていた( 葉山芸術祭で行われて いた葉山ウォッチングという企画) 。 たしか 、第 6 回か第 7 回の時、逗子からの参加者が レクチャー中に 言っていた「逗子は、古い建物を全部壊してきた。 こんなにたくさん近代建築が残る 葉 山がうらやましい」と。その言葉が忘れられない。モーツァルトの作品の中で、我々が聞けるのは、今残っているものだけだ。本当は、もっとたくさんあったかもしれない。山梨町長が議員の頃、一緒に東日本大震災の被災地に支援に行ったが、貴重なものは全て流された後だった。失ってからでは遅い。
議会でもアーカイブを検討してほしい。もちろんそれを展示、表現するスペースとしてのギャラリーも。

 

議員からの感想

荒井委員長

3つテーマを頂いたが、期限のあるものは返答する。仕組み作りも早目に結論を出す。町政100 周年に向けてのギャラリー建設は、複合施設とからめて考えたい。

山田副委員長

医療や介護に目が向いていて、文化や芸術についてあまり考えていなかった。これから考えたい。

土佐委員

初めてのオンライン会議ができ、マスクなしでみな さまにお会いできて嬉しい 。明鏡止水の花のアートを見た時は、目からウロコが落ちた。子どもの実体験は重要なので、ぜひ美術館に行ってほしい。近代美術館の水沢館長が絶賛した児童の絵が SNS で発信され、町内の絵画クラブの子どもたちが見学できたことがある。

伊東委員

格差社会が鮮明になったのは確かだ。価値観は多様化しているが、生活を豊かにし、人生に潤いを持つことは重要だ。課題として検討する。

鈴木委員

公明党が力を入れて、 2001年に文化芸術振興基本法が制定され、2018年には、障害者文化芸術活動 推進法 が成立した。 海外の ストリートピアノのテレビ番組 等を見ると、演奏者や鑑賞者の話 から 文化の豊かさを感じる。 大船でも、 駅構内で 期間限定で実施している らしい 。 個人的な話だが 歌舞伎の坂東玉三郎と 会談 する予定も 今後ある 。 外から見た葉山町についての話も聞けると思う。 これからも、色々と生まれてくるものがあると思う。 子どもたちだけではな く、 町民全体がもっと芸術と触れ合う町に なって欲しいし、なる可能性を秘めている 。

窪田委員

今ある財産をいかに残し、生かしていくかが願いだと感じた。しおさい博物館の一部とか、まちづくり協会の壁とか、常設できたらと思う。水沢氏が教育委員会で、子どもたちと芸術について話されている。お手伝いできたらと思う。

飯山委員

すぐにアクションがとれるものから、大きな枠組みのことまで色々ある。美術館見学は、なぜしていなかったのかと思う。すぐに動きたい。芸術祭は始 まった頃から見てきたが、これからも芸術面のシンクタンクとして活動してほしい。小田原はミュージシャンが多くて、町とミュージックフェスティバルを行ったことがある。町に音楽を知っている担当者がいるから、できたことだ。
葉山町としても、考える時期にきている。また 2 回目、 3 回目の会合をズームで行いたい。

 

 

オンラインでの意見交換会の様子
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更新日:2022年10月05日