平成30年 NPO法人葉山環境文化デザイン集団との意見交換会

意見交換会の様子

意見交換会の様子

日時

平成30年11 月11 日 午前10 時30分~12 時

場所

町教育総合センター2 階 会議室

参加者

NPO 法人 葉山環境文化デザイン集団 8 人
高田、小島、野中、中村(東)、中村(賢)、柏谷、高松、福田

 

議員 10 人
総務建設常任委員会 6 人 土佐委員長、飯山副委員長、金崎、山田、近藤、畑中
傍聴議員 4 人 伊東議長、待寺副議長、窪田、石岡

 

議会事務局 2 人

次第

1 開会 議会広報常任委員会委員長 金崎ひさ
【進行:議会広報常任委員長 金崎ひさ】

2 あいさつ 議長 伊東圭介

   特定非営利活動法人葉山環境文化デザイン集団 高田明子

3 出席者紹介 (自己紹介)

4 テ ー マ   「まちづくり条例等の見直しの提案について」
【進行:総務建設常任委員長 土佐洋子】

5 閉会        総務建設常任委員会副委員長 飯山直樹

概要

1 開会挨拶

挨拶(金崎(議会広報)委員長)

総合司会を担当する。

伊東議長

議会基本条例にある通り、町民との連携を目指す。今回で7 回目の意見交換会となる。まちづくりは難しい問題を含んでいるが、一緒に勉強させていただきたい。

高田代表

このような機会が持てて嬉しい。元々は歴史的建築物や景観などの調査をしてきたが、下山口の開発問題で、地元の方から、一緒にグランドデザインを考えてほしいと頼まれた。
下山口のまちづくり推進協議会の立ち上げには苦労しているが、次世代によりよい環境を残せるよう、考えていきたい。昨年のうちに勉強会を行い、毎回20 人ほどの出席者を得ている。
条例の何が足りないのか、改正の方向を考えてきた。本日のプレゼンには、町民の総意が含まれていると思っていただきたい。

2 出席者自己紹介

3 高松氏による「まちづくり条例の見直しの提案について」プレゼンテーション

●下山口の開発計画がきっかけとなり、まちづくり条例がきちんと機能していないのではなかと疑問を持つようになり、勉強会を開いた。

●地域まちづくり基本構想制度は、活用されていない。

●景観計画とまちづくり条例が、きちんとリンクしていない。

●松本昭氏という専門家の講演を受けた。地方分権が進んだ結果、「協議調整基準」ができたことがわかった。これは、事業者と住民の考えが異なる時に、調整するシステムだ。

●勉強の成果として、8 項目の提案事項をまとめた。開発事業の事前協議をもっと適正にするためと、住民参加の門戸を広げるための提案だ。
1.開発事業の協議事項に「景観」の視点を明確にすること。
2.大規模な土地取引に事前協議義務を課すこと。
3.同一の所有者であれば、事業者が異なっても一体の開発とみなすこと。鎌倉市、逗子市ではこの考えを取り入れている。
4.特定開発事業に対する意見について、公聴会を経てもなお承服できない意見を解決する手段を設けること。逗子市のまちづくり条例には、議会の意見を聞く制度がある。
5.事前協議確認通知書の交付があった事業者に、相続または合併以外の転売等による継承があった場合は、町長の承認義務を課すこと。鎌倉市のまちづくり条例に規定がある。
6.地域まちづくり協定締結の権利者同意要件の80%を引き下げることなど。協議会の立ち上げ自体は三分の二の賛同でよいとし、地区計画に進んだ時80%、建築協定なら100%と段階的に引き上げてはどうか。そうなれば、もっと多くの協議会が立ち上げられる。
7.都市計画の提案制度について、提案できる団体等に地域まちづくり推進協議会を指定すること。
8.地域まちづくり基本構想の作成や、都市計画・景観計画の提案に関する住民向けの手引等を作成・公表すること。

●今後は議会・行政で議論を進めてほしい。その際、住民の意見を聞くと共に、「まちづくり審議会」を活用するべきだ。素晴らしいメンバーが揃っている。テクニカルな面も、解決できるはず。我々も協力を惜しまない。
 

4 質疑・意見交換

山田委員
下山口のまちづくり協議会の状況は、どうなっているのか。

中村(賢)
必要な署名を集めて、町に提出した。承認されたと聞いているが、実際の活動はまだ始まっていない。

柏谷
承認されたことが、まだメンバーに伝わっていないが。

野中
書類は受理されたが、まだ承認はされていない。

近藤委員
素晴らしい研究で、議会としては助かるが、行政との意見すり合わせはどうなっているのか。議会として改正を提案しても、町が納得しないと、魂の入っていない条例になってしまう。

高松
都市計画課には情報提供している。去年の勉強会でも、松本氏の講演時には課長と職員の方に参加していただいた。しかし、反応は鈍いと感じている。

近藤委員
行政はなかなか「うん」と言わない。町へ積極的に提案してほしい。こちらでも議論はしていく。

高松
本日の会合のことを報告し、コンタクトをとる。

金崎委員
この8 項目については、行政側に伝わっているのか。

高松
当時の課長には伝えてあるが、人事異動があったので、引き継ぎがなされているかは不明。

飯山副委員長
2.の大規模取引について、住民の意見を聞いてもらう期待を込めてのことと思うが、そもそもグランドデザインとはどんなものか。高さ制限だけではなく、恵比寿や吉祥寺、自由が丘のように、住んで楽しい町なのか。あるいは、武蔵小杉は利便性がよく発展しているが、葉山もそのように環境と利便性の両立を目指すのか。

高田
葉山には7 つの地区があり、箱庭のようになっている。それぞれ特色があるので、均一にはできない。しかし、御用邸の町であること、品格のある町であることははずせないと思う。自然が豊かで、穏やかに暮らせる町であることだ。大きな塊のような建物は必要なく、光や風の通る町であってほしい。気持ちよく散策できることが大切。町長にも、マニフェストなどでそういう考えを出してほしい。

飯山副委員長
「同一の所有者でないと、一体の開発と見なさない」という部分だが、テクニカル的に、所有者を分散させることはできる。それをされてしまったら、いたちごっこになり、歯止めが効かない。

高松
土地売買のずっと前に名義を分散されてしまうと、確かに難しい。開発目的かどうかも、わからない。

近藤委員
条例の中に「見直し規定」を入れている自治体もある。以前、町長にも条例見直しを訴えたが、規則の見直しで済まされてしまった。5 年くらいで、見直しをすればいいのではないか。

高松
後から見直し規定を入れるのは大変だ。景観計画の中で、行政が見直しを提案しているから、それを実行すればどうか。

近藤委員
「議会の同意を求めることができる」という項目は、開発する側の逃げ道になってしまう可能性がある。住民意思とのねじれが生じるかもしれない。

高松
そこは慎重にしないと、諸刃の剣になりかねない。他自治体の例も調べた方がいい。

金崎委員
2.の手続きには時間がかかる。町民が引き延ばしを図っても、事業者がびくともしない例があった。しかし、早期にあきらめた例もあった。改正する必要があるのか、疑問だ。

高松 「住民が開発のことを知るのが遅れる」点が改正のポイントだ。色々なケースを想定して、勉強しなければならない。

近藤委員
公聴会で住民から出た意見に対し、町長が見解を述べる規定がない。それは住民に失礼だ。聞きっぱなしでは困る。

高松
他の自治体ではどうなっているのか。

近藤委員
私の知る範囲では、かなり「首長の意見表示」が取り入れられている。

野中
補足したい。地域ビジョンについては、葉山町都市計画マスタープランに盛り込まれている。
景観計画の補足事項には、地域ごとの特色も書かれている。行政は「法と手続き」に従うものだが、町民が納得していないなら、町長が判断するべきだ。町長が的確な判断をしなかったら、住民に訴訟を起こされる。議会は陳情をどう受け止めるかで苦労すると思うが、議員が町民と一緒に考えることは必要だと思う。下山口のまちづくり推進協議会の立ち上げについては、住民の50%の同意は集めたのに、なぜこんなに時間がかかっているのか。連絡のつかない不在地主が多いことや、地主と住人が別人であることなどによる。都市計画課も、色々と条件をつけてくる。不同意の住民がいるなら、その理由も添えて提出しろとか。しかし、ようやく必要書類を提出できた。

中村(賢)
町は御用邸を、どう捉えているのか。私は、町の誇りと思っているが。

土佐委員長
議会側では答えられない。町長の考えになる。

小島
私は木古庭で生まれ、長柄に住んでいる。町中で素敵だと思うのは南郷上ノ山公園くらいで、あとは昔より魅力的になっているという感じがしない。人が増えると、住環境は悪くなる。別荘も減っている。葉山町は、昔の財産を食い潰している。町が生き残るために、住環境を守ることが必要だ。そのための町づくりなので、反目をやめ、互いに話し合って前へ進むべきだ。葉山小学校の裏側では鉄骨が錆びているし、歩道橋も老朽化している。町の値打ちを下げているものは、除去すべきだ。そもそも、この部屋の時計は曲がっているし、壁も汚れている。それが気にならないのなら問題だ。テレビで町歩きの番組を見ると、住民の努力が伝わってくる。たとえば、花をたくさん植えるために植木鉢まで統一するとか。お互い、足りない所をカバーするべきだ。

伊東議長
大枠では、8~9 割の町民が、同じ価値観を持っていると思う。町も議会も、森戸のマンション開発の時、高さ制限をしてきた。階段マンションの規制もした。その後、しばらく大型開発
はなかったが、ここへきて保養所の土地などが転売されるようになってきた。ピンポイントではなく、町全体として、持続可能なまちづくりが必要だ。今後も、一緒に考えていくべきと思う。

中村(賢)
葉山に住んで50 年になるが、目の前を通る電線が増えてきた。地中化は優先的に行ってほしい。

伊東議長
学校施設も老朽化してきた。そこは町側に強く要望している。歩道が狭いことも問題だ。議論していきたい。

高田
明治150 周年記念にあたり、12 月8 日に東伏見邸で「葉山の原風景について」というシンポジウムを開催する。そのために、「葉山らしい風景」に関して住民アンケートを行っている。その結果を、まちづくり条例の見直しに反映できたらと思う。より広く意見を集めるために、アドバイスをいただきたい。

意見交換会の様子

意見交換会の様子

意見交換会の様子
この記事に関するお問い合わせ先

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〒240-0192 神奈川県三浦郡葉山町堀内2135番地
開庁時間:8時30分~17時00分
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更新日:2019年01月21日