平成26年 「町民との会議」報告

日時

平成26年8月17日(日曜日) 14時00分~16時25分

場所

教育総合センター研修室

参加者

17名

議長

金崎 ひさ

副議長

近藤 昇一

司会進行

長塚かおる

報告

横山すみ子

記録

田中 孝男・土佐 洋子

マイク係

窪田 美樹・鈴木 道子

受付

笠原 俊一・守屋 亘弘

案内

畑中由喜子・中村 文彦

パワーポイント兼意見記載

荒井 直彦・待寺 真司

次第

  1. 開会
    司会進行 議会運営委員会 長塚副委員長
  2. 議員紹介 各自自己紹介
  3. あいさつ 金崎議長
  4. テーマ 議会力アップ!~これからの議会活動・議員報酬等のあり方~
    1.基調講演
    山梨学院大学 法学部政治行政学科 教授 江藤 俊昭 氏
    2.議会からの報告
    議会運営委員会 横山委員長
    3.テーマに関する質疑応答
  5. 閉会 近藤副議長

町民との会議の概要

江藤教授に対する質疑応答

町民

  1. 戦後、日本の財政が破綻していることは事実ではないか。このままでやっていけると考えているか有識者の意見を聞いてみたい。
  2. 議員のレベルが低く、行政をチェックすることができていないのではないか。できるだけ、色々な人間が議員になりやすい環境が必要という話だが、議員にはどのくらいのレベルが必要と考えているか。
  3. 町民が満足していれば、議員定数は何人でも構わないと考えている。議員定数及び報酬について大まかな基準を示してもらいたい。また、その基準と、葉山町(定数14人、報酬40万円)を比較して意見をもらいたい。
  4. 日当制についてのお考えも聞かせてもらいたい。

江藤教授

  1. 千兆円規模の財政赤字となったのは、議員だけではなく我々も責任を負っていると思っている。また、財政危機だけではなく、人口減少により2040年には現在ある自治体の半分が消滅するといわれており、従来とは違うシステムを国と自治体が考えていかなければいけないと考えている。そのためには、住民自身の活動とともに、住民自治の根幹としての議会が従来と違った動き方をしていく必要がある。
  2. 住民の方々は、元々、市民的な感覚と専門的な知識をあわせ持っていると考えている。議員になるためには、さらに選挙にうかるネットワーク、情熱があることが必要である。自治のためには、議員になることで誇りを持てる人々が増えることが大切であり、議員報酬はそういった人たちのことも含めて考えていかなければならない。葉山町議会は男女比が1対1だが、他の議会では大半が男性で、65歳以上の高齢者である。そういった点から考えれば、葉山町議会は正常である。
  3. 議員定数及び報酬を答えのないテーマと表現したが、それは自らの自治体で住民と議会がともに決めるべきという意味である。定数については多ければいいというものではなく、住民の意見が反映されるかどうかであり、議会にも住民参加を積極的に取り入れればと考える。また、定数を少なくすることで機動力を発揮できるという意見もあるが、これは行政の論理である。議員定数は、議論できる人数であると考えている。
    日本は、世界に比べ、それぞれの自治体の財政規模が非常に大きく様々な事業を行っており、それをチェックしていくためには、委員会主義である必要がある。経験則では、委員会ごとに7~8人は必要ではないかと考えており、葉山町議会の14人は適正ではないか。
     議員報酬については、今回、葉山町議会が出した数値をたたき台として、住民と議論し決めていく必要である。
  4. 日当制を取り入れた場合、40万円より増えることが考えられる。矢祭町では、本会議及び委員会開催日を対象とし、日当3万円としているが、それ以外の活動も含めた場合、金額は増えるのではないか
    正式な会議に出席するだけが議会活動ではない。会議に出席するだけの議会であれば、明らかにパワーダウンする。議会をパワーアップさせていくためにはどうすればいいか。そのうえで報酬について考えていく。そのための仮説を、本日、葉山町議会は提案したものと考えている。
     なお、恒常的な夜間議会が可能になれば報酬を下げる議論もありえないわけではないが、夜間議会を実施すると、行政職員の拘束が増え、行政が機能麻痺に陥る可能性がある。いろいろなことを含め、全体的に考える視点を持っていただければと思う。

議会に対する質疑応答

町民

議会の活動について報告をうけたが、その結果がどれだけ町民にフィードバックされているかが気になるところである。
議会ホームページを見ると、陳情の取扱いについて議会運営委員会で決定したとのお知らせが載っているが、その経緯を知りたくても委員会の議事録が更新されていない。陳情の取扱いを変更した理由と、会議録は最短どのくらいで掲載されるのか知りたい。

議会

本町議会としては、陳情も町民の皆様からの政策提案と捉え、すべての陳情を請願と同等に委員会に付託して丁寧に審査を行ってきた。しかしながら、陳情の中には、個人攻撃に近い内容や全国一律に郵送によるものがあり、取扱いに困る陳情が増えたため、基準を定めたものである。
 会議録掲載の遅延については、全体の流れを確認し対応するようにしたい。

町民

平成25年3月4日の議会運営委員会における陳情審査では、委員から「本町ではすべての陳情を取り上げてきた。これは誇るべきである」との発言があった。1年経たないうちに基準を策定するのは、自分たちに都合の悪い陳情を取り扱わないという意図を感じる。陳情の取扱いについて基準を定めるのであれば、もっと時間をかけるべきではと考える。

町民

議会力をアップしてもらいたいと思い、応援のつもりで来た。議員も町長も、葉山町の課題はごみ問題だというが、何にも解決されていないように思う。議員は大変な権限をもっていることを自覚し、議会力をアップしてもらいたい。議会力をアップし、町の課題を解決することが、議員報酬をもらっている議員の町民に対する責任ではないか。

議会

町の問題に対し、どのように町と話し合っていくかが大切であると考えている。

町民

質問したことへの回答に、質問者が納得したかを司会は確認してもらいたい。江藤先生の議員定数に対する考え方はわかったが、報酬に対する考えはよくわからなかった。たたき台の数字は労働時間で按分し計算しているが、議員の報酬は労働時間で測っていいものなのか疑問である。
議会基本条例には「住民の多様な意見を的確に把握」としており、本日の会も、そういう場のひとつであると考えるが、実績作りに終わっているのではないか。本当に町民の意見を聞くことが大事というのであれば、目標動員数を定めるなどして、町民を集めることを考えてもらいたい。
 町民との会議をこういった形式で開催しても、限られた町民との対話になってしまう。アンケート調査を行うなど、町民のニーズを把握する方法を考えてほしい。

議会

今後、少ない人数で町民の意見を伺っていく活動を行う必要があると考えている。

町民

資料の活動日数と時間数は、議員14人の平均値か。

議会

議長以外の議員13人の平均値である。

町民

一番多い者と一番少ない者で、どのくらいの幅があるか興味がある。

江藤教授からのコメント

情報公開は当然のことであり、委員会議事録の公開が遅いという指摘は、真摯に受け止めるべきである。
今後、住民と歩む議会となるためには、このような対話集会だけでなく、ワークショップ、個別の団体との会合などが必要ではないかと感じた。ようやく今、始まったところと捉え、町民におかれては、議会に対し厳しく指摘すると同時に温かく見守ってもらいたい。

町民

町内会で行政職員を招いて話をすることがあるが、議会とはできるのか。

議会

以前、地域の老人会に招かれ、正副議長で意見交換等をしたことがある。議会に要請があった場合、議会運営委員会に諮り、出席者を決め対応したい。

町民

その場合、そこで述べられる意見は公式見解と考えていいのか。

議会

老人会の会合の中で出た要望については議会または行政に伝えることとした。個人の意見を聞かれることもあるが、議会への要請の場合、出席議員は立場をわきまえ発言すると思う。

町民

議員は、行政職員の話を鵜呑みにせず、内容の検証を行ってもらいたい。例えば、本年4月からし尿汲取り手数料が許可制になり、これまでの1.8倍の料金がかかるようになった。そのことが発覚してから議会は調査を開始しているが、もっと町民の目線に立ち、行政をチェックしてもらいたい。

議会

議会として調査していくことは、議員の義務でもあると考える。
 町民との対話をどのようにやっていくかが課題である。出席者の中には個々の意見を聞いてみたいという希望もあると思うので、今後、どのように取り組むか話し合っていきたい。

町民

陳情の取扱いについて、議会運営委員会でどのような話合いがされたのかわからない。

議会

議事録は、早くアップできるよう心がけていきたい。

江藤教授からのコメント

請願提出人や陳情提出人が説明できる場の設定や、参考人制度・公聴会制度を活用し、議会自体を開かれたものとしていく必要がある。それと同時に、こうした集会を様々な場所で設定していくことが大切である。会津若松市議会のように、住民との意見交換の場を基点としながら、議会として調査研究を行い行政に政策提言するようなサイクルとしていってもらいたい。議会に関心を持っている住民を味方につけて、議会としてバージョンアップしていってもらいたい。

議会

本町議会では、政策形成サイクルを実現させるため、昨年、決算特別委員会での意見・指摘・要望と決算をテーマにした議会報告会での町民の意見を、議会からの意見としてまとめ、町長に対し政策提言を行った。
 また、町に関する陳情で議会が採択したものについて、これまで棚上げ状態であったものについて、議会に対し、対応状況の報告を文書で提出してもらうことにした。さらに、その文書は提出人あて送付することとした。
 町民の皆様には、何か要望があるときは議会に対し陳情を提出する等、議会を活用してもらいたい。

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更新日:2019年01月17日