平成22年 「議会基本条例説明会」報告

日時

平成22年1月23日(土曜日)
午前10時~午前11時45分

場所

教育総合センター研修室・会議室

参加者

28名

議長

鈴木 道子

副議長

畑中 由喜子

議運委員長

近藤 昇一

議運副委員長

佐野 司郎

記録係

伊藤 友子・山梨 崇仁

会場係

伊東 圭介

議運委員

金崎 ひさ・笠原 俊一

出席議員

阿部 勝雄・鈴木 知一・守屋 亘弘・森 勝美・待寺 真司
加藤 清・中村 常光

次第

(1)開会

議会運営委員会 近藤委員長

(2)議員紹介

議会運営委員会 近藤委員長

(3)あいさつ

鈴木議長

(4)意見交換

ア 議会基本条例の制定経緯等について(説明)
イ 質疑応答

(5)閉会あいさつ

畑中副議長

会議の概要

開会あいさつ(鈴木議長)

(午前10時~)

議会基本条例の制定経緯等についての説明(佐野副委員長)

  • 議会改革から議会基本条例へ発展した経緯と理由
  • 全員合意を基本とした条例づくりの手法
  • 参考とした他自治体の事例
  • 前文に見られる葉山の議会
  • 策定において得られたこと

参加者との質疑応答及び主な意見

Q:U氏 条例前文について、観念的ではなく具体的にすべきである。葉山町議会のビジョンが具体的に出てこないのでよく見えない。

A:近藤委員長 条例の前文は、各議員のさまざまな考えの基本的なものを網羅するという考え方で抽象的になっている。

Q:K氏 政務調査費の領収書を例にとっても、町民との信頼関係等を築くのであれば、一般的感覚と乖離する部分があってはいけない。他条例との整合性を図らなければ議会の憲法とは言えない。

A:近藤委員長 今後、改めるべきところは改める。条例の内容については、全会一致で決めたので抽象的にならざるを得ない部分もある。

Q:K氏 議会の憲法として透明性を謳うのであれば、疑念を抱かせるものは変更すべきである。政務調査費の領収書は原本とし、使途基準も具体にすべきである。会議規則等の文言も分かりやすい表現に変えるべきである。

A:佐野副委員長 この条例を作ってから他の条例も検討しなければならないという意見もあった。他の条例を検討する中でこの条例が役立てばよい。もう少し時間をいただきたい。

Q:K氏 条例の策定は大賛成であり、全会一致によることも賛成である。今後も町民が何に関心を持ち、困っているのか議会も見つめて欲しい。

A:近藤委員長 意見交換は、必要に応じて行っていく。町民からの開催要望も検討する。

Q:K氏 前文の中段部分は何をしたいのかを議会意思として表記しないと何も伝わってこない。まちづくりを町議会としてリードするという精神、根本原理をもう少し迫力を出して前文に入れるべきである。議会には、日本に冠たる町をつくろうと、町民と一丸となってまい進するようなリードを望みたい。

A:佐野副委員長 前文は色々と意見が出て議論の中でふるいにかけた結果である。改正する機会があれば検討する。

A:近藤委員長 議会は合議体であり、色々な意見を集約した結果、こういう内容となった。総合計画等はもっと具体な表現になる。

Q:M氏 このような機会を設けることは評価するが、今後、既存条例との整合性で、必要部分を変えていく意思があるのか。また、その作業を行う上で議会外の意見を聞く意思があるのか。

A:近藤委員長 策定に当たり、直接関係のある委員会条例の傍聴規定は、制限公開から原則公開に改正した。見直しをしなければならない関連条例などは、未だ十分ではないが、引き続き検討する。

Q:M氏 検討するための仕組みを作る方向には未だになっていないが、これからしようと思っているというレベルか。

A:近藤委員長 そのとおりである。

Q:M氏 議会基本条例を基に、景観条例をより厳しくする作業を行う組織体制を作るなど、案はないがその方向に向かいつつあるという理解でよいのか。

A:近藤委員長 議会としての考え方を一本化することは、役割や機能からも難しい。景観条例を一つとってもさまざまな意見がある。

Q:M氏 有識者とか、公募委員で構成する諮問委員会等を設置する考えはあるのか。

A:近藤委員長 これまで議会が第三者機関を設置することはできなかったが、基本条例で設置できるようになった。

Q:M氏 意見になるが、運用のルールをどのように策定するのかで条例が活きるかどうかが決まる。やる意思はあると理解する。

Q:Y氏 議会基本条例ができて、できるようになったことや今後への考えを全議員から聞きたい。

A:鈴木議長 条例ができて、議員がこの条例どおりに活動していると町民に納得していただくことが目的と思っている。そのために限りなく努力することであると認識している。討論ができる議会を目指すことが議長任期中の私の役目であると考える。
今日、意見を伺って議員がそれぞれ色々な考えを持つと思うので、議会運営委員会で議会改革について審議を願うつもりである。

Q:Y氏 議会運営委員会で審議するのはよいが、町民がそれを聞く機会が無いので、再度、各議員の考えを聞きたい。

A:近藤委員長 何十年かの経過の中で議会改革は進んできている。議員は4年に一度選挙があり、メンバーが代わる中でも、議会改革を後退させないということで基本条例を位置付け、引き続き改革を進めていくことを認識した。

A:鈴木議長 今までの議会改革において、一例として、副議長は通例として本会議では質問はしなかったが、自分は質問を行った。他自治体の事例では慣習として副議長は一般質問を行わないところがほとんどである。監査委員のときも一般質問を行った。突破口を開いたと思っている。

A:佐野副委員長 住民に議会が理解されていないので、議会がいずれなくなってしまうのではないかという危機感を議員が持っていた。また、議会改革に毎年のように取り組んできたが、多数決で決定しないという前提から、全員の賛成が得られなければ改革できなかった。
条例を策定する上で全員一致を願った。それが習慣になるとある意味では妥協になってしまうが、互いに譲歩して一つのことを生み出していくという可能性が、今後、議会改革を進めるうえで多くなってくると思う。

A:伊藤委員 この条例を作ったそもそもの要因は、町民にとって議会がより身近に感じられる機会を持つためと思っている。意見交換会についても、町民から色々と意見をいただくチャンスをつくるためのものと認識している。

A:阿部議員 改革してきたことを先例としてまとめてきた過程で、栗山町議会基本条例の制定がマスコミ等で取り上げられた。先例をまとめるより、議会基本条例を制定する方が議会改革が進むのではないかと考えた。何か問題があったからということではない。

A:待寺議員 目的は、議員同士の活発な議論の展開である。今までは全国的にも議員同士が意見を戦わせる機会はほとんどなかった。それを変えようとしたのが栗山町で、それをやりたかった。また、町民との意見交換の場を持ち、議員全員が町民と向き合って色々な意見をいただき、それを行政にぶつけるという場づくりが必要であった。自治基本条例の制定に向け、議会が率先して策定したという経緯もある。

A:金崎委員 立場を表明するときに、住民を代表している意見なのか、個人的意見なのかと迷うことがあった。今、会派の出前フォーラム等で町民の意見を反映させようと努力しているが、基本条例が制定されたことで、議会として町民の中に出て行き、意見を十分に聞き、町民の代表として自信を持って発言することができるようになったと思っている。

A:笠原委員 当時議長であり、任期中の策定を目指していた。基本条例の目的はまさしく、町民と議会との話合いの場を設けることである。これからの地方行政は住民の参画なくしてはできない。これからもこういう場を持ち、色々な活動についてお互いの意見交換ができるということが、目的と思っている。

A:畑中副議長 議員はそれぞれの信念に基づいて活動してきたが、議会としてどうあるべきか基本認識を一つにすることがこの条例の制定によって達成できたと思っている。議員が代わっても後世に引き継ぐために明文化したものが必要であった。これからは、この条例をどう活かしていくかが重要である。

A:山梨委員 議会基本条例の必要性は認識しているが、同条例がこれからの議会に対する要望にすべて応えていけるかどうか疑問であったことと、譲れない項目が取り入れられなかったため、本会議での採決は退席した。
今日の機会を踏まえ、考え方をぶつけ合い、新しい議会の攻めの姿勢を作っていくことが自分に課せられた使命と思っている。

A:守屋議員 本条例の制定段階から町民を含めて策定すべきという意見があった。しかし、二元代表制ということも含め、自分も町民から負託を受けて議員となっており、自分を支援している町民の意見も普段から十分聞いており、一部かも知れないが町民の意向を踏まえて考えてきたので、あえて町民の意見等を直接聞く必要性がないと、意見に反対した経緯がある。

A:加藤議員 条例をつくる当初では議会基本条例の必要性はあまり感じていなかったが、平成19年に全議員が参加して実施した「ご意見を伺う会」において、町民から意見を聞く機会を設ける必要があるとの要望があり、そうした機会を設けることを明文化することが必要であると認識した。町民の意見を聞く場を設けることが条例を策定した目的である。

Q:T氏 会の進め方が不親切である。この議会基本条例があるとないとでどう違うのか、意見の一致が見られなかった項目は何か、先例自治体との違いや特色は何かなど、説明資料を用意し説明すべきである。

A:近藤委員長 資料を用意していなかったことは不親切であった。条例を制定したことによって、委員会が原則公開となり自由に傍聴できるようになった。他には意見交換会を設けたことと議決事項に総合計画基本計画を組み入れたことなどである。
反問権や議会報告会については、意見が別れ論議したが一致できなかった。先進事例としては、栗山町と湯河原町の議会基本条例を参考とした。

Q:T氏 丁寧な資料をあらかじめ作成し、多くの町民が自由に参加できる設定をお願いする。

Q:T氏 議会が不要になるのではないかという危機感は、住民から議会の価値を疑われているということである。条例も大切であるが、議員に値する知識、見識が必要である。定数は、現在の3分の1か4分の1でよい。質と数の検討をお願いする。

Q:F氏 議員は、高い見識から町全体の意見をし、全体のために何をやるかが大事である。このような条例ができるということは問題が山積であったはずである。少数が正論という場合もあり、リーダーシップを発揮できる議員が説得すべきで、全員の合意がないといけないというのはおかしい。

Q:M氏 町民が議員の資質や資格をどこで確保するかというと、反問権と自由討論権である。反問権を認める代わりに、行政には罰則付きの徹底的な情報の公開を求めればよい。今後、反問権は是非入れて欲しい。また、自由討論についても極め重要な要素である。
今後も是非情報開示としてこのような会を行って欲しい。

A:近藤委員長 今日いただいたさまざまな意見は記録し、今後の議会改革に活かしていきたい。

閉会あいさつ(畑中副議長)

(~午前11時55分)

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更新日:2019年01月17日