介護保険制度の抜本改善、大幅な処遇改善を求める意見書
介護保険制度の開始から25年。利用料や施設での居住費・食費の負担が重く、必要な介護サービスを受けられない人が増えており、家族の介護を理由とした介護離職は年間10万人と高止まりしたままである。一方、介護事業所は低く据え置かれた介護報酬のもとで深刻な経営難に直面しており、2024年の倒産・休廃業件数は784件と過去最多となった。特に、訪問介護は基本報酬の引き下げの影響で事業撤退が相次いでおり、訪問介護事業所がゼロになった自治体が増加している。介護現場の人手不足も深刻さを増しており、政府は2026年度に介護職員が25万人不足する需要見込みを示しているが、有効な対策は講じられていない。肝心の処遇改善は遅々として進んでおらず、2024年度の全産業平均との賃金格差は、前年度月額6万9000円から8万3000円へと大幅に広がっている。
こうしたなか、政府は「利用料2割負担の対象拡大」や「ケアプランの有料化」、「要介護1・2の生活援助の保険給付はずし」など、さらなる負担増・サービス縮小を検討している。これ以上の制度の後退は許されない。
すべての人が安心して介護を受け、介護従事者も尊重される制度の実現には、国の財政支援の強化による制度の抜本改革と介護職員の大幅な賃金の引き上げが不可欠である。介護保険制度の改善、憲法第25条に基づいたケアが大切にされる社会の実現に向けて、国においては、次の事項について対策を講じられるよう要望する。
1.介護保険の利用に困難をもたらす利用料2割負担の対象拡大、ケアプランの有料化、要介護1、2の保険給付はずし(総合事業への移行)などの見直しを行わないこと
2.訪問介護の基本報酬の引き下げを撤回し、介護報酬全体の大幅な底上げを図る再改定を至急行うこと。その際はサービスの利用に支障が生じないよう、利用料負担の軽減などの対策を講じること
3.全額国庫負担により、すべての介護従事者の賃金を全産業平均まで早急に引き上げること。介護従事者を大幅に増やし、一人夜勤の解消、人員配置基準の引き上げを行うこと
4.必要なときに必要な介護が保障されるよう、介護保険料、利用料、居住費・食費などの費用負担の軽減、サービスの拡充による介護保険制度の抜本的な見直しを行うこと。介護保険財政に対する国庫負担の割合を大幅に引き上げること
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年12月16日
葉山町議会
提出先 内閣総理大臣 厚生労働大臣 財務大臣 総務大臣
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更新日:2025年12月23日








