最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書
急激な物価高騰による生活困窮に追い込まれているのが、最低賃金近傍で働くパートや派遣、契約など非正規雇用やフリーランスで働く労働者となっている。神奈川県のパートタイム労働者比率は2019年では35.1%、2023年では37.8%と増加しており、女性労働者の55.4%がパートタイム労働者である。また、神奈川県における最低賃金の影響率は、事業所規模30人以上では28.6%・全国平均21.6%、事業所規模5人以上では10.3%・全国平均8.1%(厚生労働省「令和5年賃金構造基本統計調査特別集計」から引用)と全国一高くなっており、最低賃金を含めた賃金の引上げによる非正規雇用労働者の処遇改善が社会的に求められている。また、長引く物価高騰により、中小零細企業を中心に大きな打撃を与えている。この難局を乗り越えるには、国民の消費購買力を引上げること、賃金の底上げを図ることが不可欠である。さらに格差と貧困を縮小するためには、最低賃金大幅引上げがこれまで以上に重要になっている。
最低賃金の引上げに伴った賃上げを行う際に、中小企業の大きな負担となっている社会保険料の事業主負担の軽減が求められている。この間、中小企業団体や健康保険協会の強い要望や国会審議など、その実現は喫緊の課題となっており、2014年の小規模企業振興基本法制定の際、国会では「中小零細事業者の社会保険負担軽減に効果的な支援策を講ずる」との附帯決議がなされている。国内事業者数の99%を占める中小規模事業者に対しては、最低賃金の引上げとともに、社会保険料負担の軽減と国庫負担増が必要であり、社会保険料の事業主負担の軽減が、賃金への転嫁や正規雇用の増大につながると考える。
労働者の生活と労働力の質、消費購買力を確保しつつ、地域経済と中小企業を支える循環型地域経済の確立によって、誰もが安心して暮らせる社会をつくりたいと考える。
以上の趣旨より、下記の項目の早期実現を求める。
1 政府は、労働者の生活を支えるため、最低賃金を抜本的に引上げること。
2 政府は、最低賃金の引上げができ、経営が継続できるように、中小企業への支援策を最大限拡充し、国民の生命とくらしを守ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和7年3月14日
葉山町議会
提出先 内閣総理大臣、厚生労働大臣、中央最低賃金審議会会長、衆議院議長、参議院議長
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更新日:2025年03月17日