神奈川県が設置する葉山港は、県が指定した指定管理者がその管理に関する業務を実施している。
日本ヨット発祥の地である葉山町は、年間を通じてヨットレースを始めとした多くのマリンスポーツやマリンレジャーで賑わっており、葉山港の指定管理業務においては、利用者の安全を図ると同時に、海面の安全と、そのための近隣マリーナとの協議、連携の取れる運営が求められる。
また、荒天時の出艇判断や遭難、レスキュー事案が発生した際には、利用者が納得できる安全と危険の判断を行い、いざというときには率先して行方不明者の捜索を行うなど、港湾管理者における責務は非常に重く多岐にわたる。
葉山町では、長らく直営のヨットスクールを運営したり、消防本部のレスキュー艇を艇置したり、青少年育成やマリンレジャー全体の活性化のために海水浴場や各種イベントについても協力いただくなど、葉山港の管理者と幅広い連携を行っている。
葉山町としては、このような町の教育や町民にとってのシンボル的な施設、全国大会など頻繁に行われる対外的に著名な場所として、葉山港の位置づけは非常に重要で、海の町としての連携をこれからも強く望むものである。
しかし、本年9月に公表された新たな指定管理者候補については、同月に当該候補の所在地である横須賀市の市議会議員により神奈川県に対して住民監査請求が行われていることに加え、葉山町議会議員や葉山町役場、葉山港関係者にも横須賀市佐島港芦名地区における開発行為に関する疑義の文面が寄せられている。
よって、指定管理者と利用者の信頼関係構築について不安視されることがないよう、早急に県として事実関係の確認と公表をすることを求めるとともに、今後も葉山港において適正かつ人々との親和性のある港湾運営がなされることの確認を要望する。
以上、地方自治法第99 条の規定により意見書を提出する。

令和4年10月11日
葉山町議会

提出先 神奈川県知事