少人数学級の推進を求める意見書

 児童・生徒たちに豊かな学びと学校生活を保障する観点から、教職員が一人ひとりに向き合う時間を増やして、きめ細やかな指導を展開することを可能にするため、少人数学級の実現を求める声が強くなっている。
 特に、このコロナ禍において、身体的距離を保ち、学校における感染症対策を推進するために、文部科学省が定めた「学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~『学校の新しい生活様式』~ 」に示された、児童・生徒の座席間を 2メートル、最低でも1メートル程度空けることを必要とするのであれば、ほとんど全ての公立学校において1クラス40人では不可能である。
 政府の2021年度当初予算概算要求の公立小中学校少人数学級対策では、金額を示さない事項要求となった。与党や教育関係者などからは、義務教育標準法で定められている「1学級 40人(小1のみ35人)」を「1学級30人」に引き下げるため、義務教育標準法の改正を求める声もあがっている。
 文部科学省はそのような声を受け止め、義務教育標準法の改正も視野に入れつつ、財務省との交渉を本格化させる動きが進んでいる。しかしながら、文部科学省は将来の児童・生徒の減少予測や今後10年間で約5万人の余剰教員を充てれば、人件費をほとんど増やすことなく30人学級が実現できる可能性があるとしている。このような姿勢からは、全てのこどもたちに学びの機会を保障し、早期に感染症対策を推進しようとする気概が全く感じられない。
 当町では、独自の対策として町費負担による非常勤講師を派遣して、チームティーチングや専科指導・少人数指導を行っているが、充分な教員数の確保や配置がされているとは言い難い。また、このような自治体独自の対応が進むと、自治体間に教育格差が生じる懸念が高まるものと憂慮する。そのためにも、教職員の定数を改善して、超過勤務解消が急務である、学校現場の労働環境の改善にもつなげることが喫緊の課題である。
 よって、葉山町議会は国に対し、2021年度当初予算において、義務教育の予算をしっかりと確保して、正規教職員の増員を計画的に進めつつ、少人数学級の実現に向けて、着実にまた早期に推進することを強く求める。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 令和2年12月11日

葉山町議会


提出先

内閣総理大臣、 財務大臣、文部科学大臣

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更新日:2020年12月15日