海洋プラスチックごみの発生抑制・削減を求める意見書

プラスチックの誕生は人類に大きな利便性をもたらし、私たちは生活を楽しんできた。しかし、その反面、海や環境に深刻な影響を及ぼし、生命への悪影響を与えていることにようやく多くの人が気づいている。
環境省の2019年2月付の「海洋プラスチックごみ問題について」によれば、海洋プラスチックによる海洋汚染は地球規模で広がり、北極や南極でもマイクロプラスチックが観測されたとの報告もある。また、陸上から海洋に流出したプラスチックごみの発生量(2010年推計)を人口密度や経済状態等から国別に推計した結果、1位から4位までが東アジア及び東南アジアであった。
そして、2016年1月のダボス会議では、2050年までに海洋中に存在するプラスチックの量が重量ベースで魚の量を超過するとの試算が報告された。
しかし、2018年6月のG7シャルルボワ・サミットにおいて、深刻化する海のプラスチックごみを減らすための数値目標を盛り込んだ「海洋プラスチック憲章」に日米両国政府は署名しなかった。
しかしながら、2019年1月のダボス会議の基調講演において、安倍総理大臣が「大阪サミット(G20)で、海に流れ込むプラスチックを増やしてはいけない、減らすのだというその決意において、世界中挙げての努力が必要であるという点に共通の認識をつくりたい」と発言している。
わが国では、海洋プラスチック問題については、海岸漂着物処理推進法改正や2018年6月19日閣議決定の第4次循環型社会形成推進基本計画など、取り組みは行われているが、より一層の徹底した努力が必要である。
よって、国においては次の事項について、対策を早急に講ずるよう強く要望する。

1 容器包装リサイクル法を発生抑制(リデュース)、再利用(リユース)を重視した内容に早急に改正し、プラスチックボトルを代替品に切りかえることを促進すること。
2 海洋ごみの主要な発生源となっている河川について、国管理河川以外の河川管理者の厳しい財政状況に鑑み、国による新たな財政措置を含む発生源対策を確立すること。
3 「地域グリーンニューディール基金」のような市町村が迅速かつ機動的に活用できる海洋ごみ対策を推進すること。
4 海洋プラスチックごみについて、国際社会と連携してグローバルな視点から発生抑制及び削減に全力を挙げること。
5 マイクロプラスチックを含む海洋ごみの量等の実態を把握するための調査をさらに促進し、国民の生命だけではなく、全生命の危機回避の研究を進め、対策を実行すること。

以上 地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 

令和元年10月9日

葉山町議会

提出先
内閣総理大臣 衆議院議長 参議院議長 環境大臣

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更新日:2019年12月12日