海上自衛隊イージス艦「あたご」による衝突事故の原因究明と再発防止策を講じること等を求める意見書

意見第2号

 本年2月19日午前4時過ぎ、海上自衛隊のイージス艦「あたご」と新勝浦市漁業協同組合(千葉県勝浦市)所属の漁船「清徳丸」が、千葉県房総半島野島崎の南約42キロメートルの沖合いで衝突するという重大事故が発生した。
 連日の必死の捜索にもかかわらず、「清徳丸」の乗組員である親子2名は依然として行方不明である。親族及び関係者の心労、嘆きは想像するに難くないところであり、この悲惨な事故は、漁業関係者をはじめとし、多くの国民に大きな衝撃を与えている。
 海上自衛隊艦艇による海難事故は、昭和63年7月23日、東京湾横須賀沖で潜水艦「なだしお」と大型遊漁船「第一富士丸」の衝突による30名が死亡した事故があり、当時の裁判では「なだしお」の回避が遅れたことが主因とされたところである。この事故は、周囲を航行する船舶に対する動静監視が十分でなく、衝突を避ける措置をとらなかったなどの人為的ミスなどがあったとされている。
 また、海上自衛隊の艦艇乗務員に対する安全航行についての教育指導が十分でなかったことも指摘されたところである。 海上自衛隊はこの時の教訓を生かし、安全航行に万全を期すべきであったにもかかわらず、漁船が多く行き交う千葉県などの漁業者の主要漁場において、今回の衝突事故を発生させたその責任はまことに重大といわざるを得ない。
 よって国においては、下記事項について特段の措置をされるよう強く要請する。

  1. 引き続き行方不明者の捜索に全力を挙げること。
  2. 衝突事故の徹底した原因究明と万全の再発防止策を講じること。
  3. 漁船の操業の安全確保に万全を期すこと。
  4. 地方自治体、関係機関への情報連絡体制を整備すること。
  5. 被害家族及び関係者への十分な配慮を講じること。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 平成20年3月18日

葉山町議会

提出先
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、防衛大臣

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更新日:2018年02月01日