平成31年度町長施政方針

平成31年度(2019年度) 町長施政方針

葉山町長 山梨崇仁

平成31年度(2019年度)予算案の提出にあたりまして、施政方針を申し述べる機会をいただき深く感謝申し上げます。昨年は大きな災害が全国各地で発生しましたが、葉山町では台風24号の被害などがあったものの、大規模な被害はなく、総じて平穏に過ごせたのではないかと感じています。一方、町の活性化において、夏にはオリンピックに向けて合宿する英国セーリングチームと異艇種レースをしたヨットフェス2018を開催し、フォルクスワーゲンジャパンや海外発の環境NGOセイラーズフォーザシーとご縁も頂きました。また、ジャパンタイムズの里山フォトコンテストで自治体最優秀賞を獲得する職員もいました。海外へ向けて町の価値を伝えていく「海と山とHAYAMA」の発信と位置づけて、新たな葉山ブランドの確立に挑戦を重ねてまいりましたが、本年も引き続き葉山好きな町の内外の皆様のお力をお借りして、葉山の名が、世界の「HAYAMA」として認知されるよう取り組んでまいります。
2019年度は行政のテーマを「学び合い」としました。これまで抑えてきた支出や皆様の協力で蓄えた基金を使って、いよいよ必要な施設整備、とりわけ子どもたちの安全と快適な空間整備のため、学校や生涯学習分野などの設備更新、修繕を中心に、「教育」に力を入れた事業を進めてまいります。そして知識や情報の交換など、ともに学び合う機会を増やすことで葉山を知り、葉山での暮らしを楽しめる、そんな学び合いを行ってまいります。また、「学び合い」は町役場内の課題としても実践しなければなりません。縦と横の連携を強化して、皆様の暮らしを支えられる役場として、組織強化に力を入れてまいります。
平成最後の年となる新年の幕開けの1月は、昨年同様、静かで穏やかな、心から葉山の環境の素晴らしさに感謝の気持ちが持てる日々でした。天皇皇后両陛下の行幸啓に際しては、町民の皆様はもとより、町外、県外からも多くの方がお越しになり、両陛下も喜びとともに葉山でのご静養を楽しまれたのではないかと拝察しております。なお、今後の改元に伴って、本年は葉山町が日本中から注目される機会が増えることが予想されます。一つになれる町、品格ある町として、これまでの私たちに自信を持って、御用邸の町、葉山の良さを誇ってまいりたいと思います。
 

さて、国では、1月28日に「平成31年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」を閣議決定し、今後の経済財政運営には引き続き、「経済再生なくして財政健全化なし」を基本とし、「人づくり革命」と、成長戦略の核となる「生産性革命」に最優先で取り組むとしています。また、本年10月に予定されている消費税率の引き上げに伴う対応については、あらゆる施策を総動員し、経済の回復基調が持続するよう、2019年度・2020年度当初予算において、臨時・特別の措置を講ずるとしています。また、県においては、「平成31年度予算編成方針」における財政見通しで、前年度より財源不足額は縮小したものの、概ね600億円の財源不足を見込み、引き続き厳しい財政状況にあるとし、廃止や休止を含めた事業の見直しや事業の優先順位の見極めを行うとしています。
国や県のこうした取組みは、町の財政へ確実に影響してくるものと考えられます。葉山町としましては、その都度、自主・自立的な財政運営を目指した考え方で身の丈に合った判断をしなければならないと、引き続き強く引き締めるところです。
葉山町の財政運営の基本は、プライマリーバランスを保ちながら、確実な債務の返済を履行することです。全会計の町債額を見れば、当分の間はこの方針を変えるべきではありません。しかし、一時的に大規模修繕等が発生し、起債に頼る見込みもあります。そういった場合は、財政収支の見通しを明確にして臨み、その審議には皆様のご意見を伺いながら、一つずつ慎重に判断をする必要があると考えております。
すでに昨年は、議会の皆様からのご指摘やご提言をいただき、学校給食センターを始め、学校を中心とした公共施設の再整備等に様々な議論を重ねてまいりました。二元代表制のまさに両輪が回転することで、非常に貴重なご意見と時間をいただいたと感じております。
本年は、行政テーマの「学び合い」の一つとして、公共施設の再整備を全庁的なプロジェクトとして捉えた「みんなの公共施設未来プロジェクト」を立ち上げます。14施設の劣化診断調査により修繕を必要とする公共施設の基本データを作成し、昨年より開始した稼働状況調査と合わせて、公共施設の中長期的なあり方を検討するための情報収集と議論を開始いたします。
今の私たちの選択が、若い皆様の後世において、「良い選択だった」と評価されるよう、今年はその具体策の基礎固めをしっかりと行わなければなりません。学び合いを進め、町民の皆様との協働のもと、強い覚悟と責任を持ってプロジェクトを推進してまいります。
さて、行政運営の効率化に広域連携を図っていますが、神奈川県町村情報システム共同事業組合において葉山町から議論を起こしてきた住民票や印鑑証明、税の課税証明等がマイナンバーを利用して、全国のコンビニエンスストアで取得できるシステムの導入が実現可能となりました。葉山町では、本年10月の導入を目指して準備を進めます。町役場までのアクセス難や日中働きに出られる方が多い地域として、その利便は格段に向上するものと確信しております。
一方、近隣自治体との連携においても、昨年春から葉山町の可燃ごみを逗子市で、逗子市のし尿及び浄化槽汚泥を葉山町で共同処理する業務がスタートし、順調に推移してまいりました。本年度は、新たに容器包装プラスチックの共同処理に向けて搬出ルートの確認等を実施し、2020年度からの共同処理開始を目指して準備を進めてまいります。
なお、再整備を計画しているクリーンセンターにつきましては、ごみ処理広域化に併せて、資源化を促進するための施設を整備するべく準備作業に取り組んでいるところです。本年度は、再整備に関する造成設計をはじめ、施設解体に向けた土壌汚染調査を実施いたします。
戸別収集や資源ステーションにつきましては、その効果として、ごみの減量化やリサイクル率の向上についてはともに順調に推移しておりますが、開始から5年が経つことを契機に、改めて町民の皆様と分別における悩みや課題の意見交換会を実施し、さらなる環境にやさしい町として、きめ細やかな対応を図ってまいります。
昨年は、SDGsが広く認知され、様々な場面で官民問わず話題になりましたが、その目標を達成するための行動の一つとして環境への取組みが挙げられます。そこで葉山町では、神奈川県の発表したプラごみゼロ宣言と海洋環境保全のための活動を行うNGOセイラーズフォーザシーのクリーンレガッタの推進を踏まえた独自の「はやまクリーンプログラム」を作成し、町内で各種イベントを行う団体や、各事業所の皆様にご協力をお願いすることで、より高い環境配慮の町を目指してまいります。そして、当然、事業所としての町役場も例外ではありません。総務課を中心に可能な限り環境配慮の事業運営の取り組みを推進してまいります。
さて、次に懸案の学校給食センターについて申し上げます。昨年はお時間をいただき、長期にわたって町内の新たな候補地の選定に努めてまいりました。その結果、当初より優位な民有地を候補に挙げることができ、2ヶ所への絞り込みを図ってまいりました。今後は可能な限り迅速に1ヶ所へ絞り込み、学校給食センターの建設に向けた必要な調査に入り、美味しく安全で栄養のある給食を提供するための、より具体的な準備を進めてまいりたいと考えております。
次に、「休日を葉山で楽しもう」という政策目標において、「葉山の魅力を高める実行委員会」にご議論いただいている山の魅力を創造する里山活用の構想は、葉山の価値や新たな自然との付き合い方、遊び方を発見するためにとても重要な施策であり、様々な可能性のあるフィールドだと認識しています。一部地域の方への説明が足りず、当初計画より縮小した整備箇所とはなりましたが、商工会青年部の皆さんの秘密基地プロジェクトと連携しつつ、学ぶ、楽しむ、育てる里山を提案し、体験を通じた学び合いを実践していければと考えております。また、地方創生交付金の終了と合わせて、来年度以降のあり方についても、運営体制を確立し、継続性を確保しなければなりません。葉山の大きな価値となる里山整備が今後も進捗するよう実行委員会とともに議論、準備してまいります。

それでは、平成31年度、2019年度の町民の皆様の暮らしにかかわる主な事業につきまして、第四次総合計画の基本理念に沿って、ご説明申し上げます。はじめに、「人を育てる葉山」につきましては、新学習指導要領の完全実施を見据えた学校教育の充実のために、引き続き小学校へ英語教育町費教員を配置すると共に、児童用パソコンを40台(1人1台)に増やし、「情報活用能力の育成」に向けた対応を図ってまいります。
老朽化が課題となっている各小中学校につきましては、設備の修繕や補修工事を手厚く行うとともに、教育教材備品を積極的に更新するなど、より良い教育環境の整備に努めてまいります。教育支援センター「ヤシの実教室」につきましては、上山口小学校本校舎に移転することとし、通室する児童生徒の安全安心のため必要な措置を実施してまいります。
図書館サービスの充実につきましては、情報化社会や少子高齢化社会などの進展により、町立図書館を取り巻く状況が変化する中、「町立図書館あり方検討委員会」を設置し、利用者のニーズに対応した図書館サービスについて検討してまいります。
東京オリンピック・パラリンピック2020大会に向けては、セーリング競技について、日本ヨット発祥の地として町全体の機運醸成のため、動画や応援旗を作成することや、英国チームとの交流イベント開催に加え、昨年も多くの参加者が訪れたヨットフェス2019を実施してまいります。
次に、子育て支援施策につきましては、妊娠期からの切れ目のない子育て支援の実現に向け、妊婦・産後健康診査費の助成単価を引き上げ、産後健康診査の回数を2回に増やします。また、昨年よりはじめた産後ケアについては、訪問型を追加することで利用しやすいものにしてまいります。児童虐待予防施策としましては、役場内に子ども家庭相談員などを配置した子ども家庭総合支援の整備や関係機関等との円滑な連携を進めるための相談支援システムを導入いたします。さらに喫緊の課題である待機児童対策には、現在、緑豊かな保育環境に優れた市街化調整区域などに計画中の2園の保育所設置を支援し、安心して子育てができる環境づくりに努めてまいります。

二点目、「暮らしを守る葉山」につきましては、高齢化が進展する中で、要支援者に対する住民主体の通いの場の増設や、不足する担い手支援のためにボランティアポイント制度を導入します。また、移動支援につきましては、現在の障害者移動支援を実情に合わせて高齢者向きに見直すとともに、地域サロンへの送迎サービスの拡充も図ります。介護予防を推進する貯筋運動は好評で、今年度も開設場所を増やしてまいります。なお、高齢者向けの制度案内や、認知症になっても住み慣れた地域で生活できるよう認知症ケアパスやリビングウィルのパンフレットを作成いたします。障害者施策につきましては、自動車燃料費助成及びタクシー券交付の対象者を3障害一元化で拡大いたします。また、聴覚障害者に対する情報保障のため、手話通訳者の配置時間を増やしてまいります。
次に、二子山山系に生息するイノシシ対策につきましては、これまで被害対策として鳥獣対策協議会を立ち上げ、実施隊による捕獲活動が行われてまいりました。近年では、技術の向上などから捕獲頭数も増加しており、本年度は、活動を担っていただいている実施隊の人員増と民家周辺出没への対策、増加する捕獲個体の処理対策など、更なる対策強化に取り組んでまいります。
下水道事業では、中長期的な視点から更新需要や財政見通しの把握及び執行体制を一体的に捉える「アセットマネジメント計画」を策定します。維持管理経費の最適化を図るとともに、今後の下水道施設の修繕・改築費用に対し国からの支援を受けるためにも早期策定に努め、将来にわたった持続可能な事業経営を推進してまいります。
次に、消防につきましては、消防防火服の一括更新整備を図り、消防隊員の安全性、活動環境の向上に努めます。また、消防団新型活動服も議会の皆様からご意見をいただいたことを参考に、消防団員の士気向上等に資する観点から、夜間活動時等の視認性、機能性及びデザインの向上を図ったものを採用し2019年度で全団員に配布いたします。さらに第4分団消防ポンプ車の更新を行います。道路交通法の改正に伴い、現行の普通免許で運転可能なオートマチック車を導入し、消防団員の確保・加入促進等更なる消防団の充実強化を目指してまいります。
自主防災組織につきましては、地域防災力の強化を目的として、自主防災組織の防災訓練実施を支援するため、奨励金制度を創設し、積極的な訓練の実施を促進してまいります。また、葉桜、イトーピア地区の避難体制充実のため、指定緊急避難場所である県立逗葉高等学校に防災倉庫を設置し、防災備蓄品を配備します。そして、避難所の良好な環境を確保することを目的として、複数の指定避難所に大型扇風機と停電時の対応のための発電機とLEDバルーンライトを配備いたします。
次に、昨年6月に発生した大阪府北部地震において、倒壊したブロック塀の下敷きになり、登校途中の小学生が死亡した悲しい事故を受けて、同様の被害防止のため、ブロック塀所有者における適切な対応を啓発いたします。そして、従来から推奨している、いけがき助成のブロック塀撤去にかかる補助額を増額するとともに、防災面の促進のため、一定の条件にある危険なブロック塀の撤去のみについても補助金を交付することとしました。なお、対応につきましては、防災安全課に周知・案内等の窓口を一元化し、補助制度を所管する関係課が横断的な連携をして対応を進めてまいります。

三点目、「活力を創造する葉山」につきましては、ペットとの共生において、防災時対応やお散歩のマナー、保護犬の里親活動等について、飼い主や獣医師会、関連NPOなどと幾度となく議論を重ね、実行してまいりましたが、本年は南郷上ノ山公園のドッグヤードの利用向上が大切であると考え、町民の皆様やその愛犬が安心して使えるよう、再整備をしてまいります。
道路の安全管理におきましては、台風や異常気象の自然災害によって、道路付属物の街路灯やカーブミラーの老朽化に伴い、支柱倒壊や断線、鏡面破損を未然に防ぐため、街路灯点検を3カ年にわたって町内3643カ所、カーブミラー点検は496ヵ所すべての点検調査を行い、交通安全の確保に努めてまいります。
次に、原動機付自転車に交付するナンバープレートを町独自のオリジナルプレートとして作成いたします。そのデザインは町内外の方々から広く公募して選考し、町民の皆様に親しまれるものとしてまいります。

四点目、「みんなでつくる葉山」につきましては、協働の理念のもと、まちづくりのあらゆる場面において、様々な主体と互いを尊重した「学び合い」の議論を重ねてまいります。行政においては、第四次総合計画の第2期基本計画の策定を開始いたします。
そして、今年は日本として、葉山としても大きな変化の時を迎える改元の年です。春や秋の国による改元の行事に合わせて、すでに町商工会長を委員長とした改元奉祝実行委員会では、葉山町として独自に感謝とお祝いの気持ちを表す取組みや行事などの検討を重ねていただいておりますが、記念として後世に残るものをという視点から、行政としては、旧役場前のバス停にバスを待つ方々のための趣のある屋根を設置したいと考えております。また、その他、御用邸前の臨御橋の再整備や南郷公園には休息できる空間の設置を検討していただき、そこで安らぐ方々が平和な平成の世を思い出していただけるような空間作りをしてまいりたいと考えております。財源としましては、町民の皆様をはじめ、全国の方々からご厚志をいただきたいと考えており、使途を明確にしたクラウンドファウンディング型のふるさと納税やご寄付を募ってまいります。皆様が、御用邸の町としての誇りや魅力を改めて感じて、気持ちがつながり、共感する素晴らしい機会となることを期待して、奉祝の機会を盛り上げてまいります。

さて、2015年以降、葉山町には総人口の減少と少子高齢化の緩やかな進展が見られます。行政としては地方分権の推進や社会福祉の多様化により、業務量の増大や公共施設の維持補修など、歳出の増大に常に健全財政維持の緊張を強いられてきました。しかし、その中にあっても、御用邸の町としての誇りをもって業務に臨み、各課が努力を重ねてきた自負があります。
2019年度においては、こうした取り組みで培った財源や葉山の人財力、ネットワークをさらに活用して、より高度な取り組みが図れるよう、町民の皆様や関連する企業や団体などのお力をいただいて、互いを尊重した情報交換や学びの機会を増やし、信頼と合意の協働を進め、葉山町を磨いていきます。特に、公共施設の管理計画には、町全体の将来を見据えたバランスのある判断をするために、より高い水準で議論し、将来へ無駄のない投資判断をするための学びを進めなければなりません。緊急的な補修は迅速に対応し、長寿命化や再配置を検討するような中長期的な課題については、情報交換に時間をかけて方針を決めてまいります。眼前の成果を求めることよりも、互いを尊重した学び合いの議論に多く時間をかけ、チーム葉山が次の妙手を繰り出すための大切な時期としてまいりたいと思います。
町長職をお預かりして、その2期目の任期も最終年となりました。自身の力不足でいまだ達成できていない公約もありますが、これまでのように、葉山町の政治は人々の理解と協力、そして裏づけとなる財源があっての判断、進捗だと肝に銘じております。保身のためや独善的、強権的な判断は決してあってはなりません。反省を重ね、経験におごることなく、より活動の幅を広げるつもりで働き、議会の皆様、町民の皆様、関係各位のご協力のもと、着実に事業を推進をしてまいります。
本年も多くの町民の皆様が町を楽しみ、そしてそんな葉山町を多くの方々に「いいね」、「いつかは住みたいね」と言ってもらえる魅力的な町として磨き、守ります。議員の皆様におかれましては、一層のご理解とご協力、また、ご指導ご鞭撻をいただきながら、ご賛同賜りますよう、なにとぞお願い申し上げます。

 

  • 町長施政方針は、下記からダウンロードできます。

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更新日:2019年02月12日