葉山の町政

平成28年度 町長施政方針

最終更新日:2016年2月16日

平成28年度(2016年度) 町長施政方針

葉山町長 山梨 崇仁

 平成28年度予算案の提出にあたりまして、施政方針及び所信を申し述べる機会をいただき、ありがとうございます。平成28年度は、私の2期目の任期の初年度にあたり、長年の懸案であった行政課題を改善や安定に導き、一方で協働によるまちづくりを着実に推進させる年であると考えております。各方面において、町民の皆様、議員各位や多くの職員の力をいただきながら、第四次総合計画に則った行政推進に全力で取り組んでまいる所存ですので、広くご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 はじめに、当町に影響の大きい日本経済の情勢に目を向けますと、アベノミクスはいまだ安定的に果実を実らせる状況にはありません。国内経済は、1990年代初頭のバブル崩壊後、およそ四半世紀ぶりの良好な状況を達成しつつありました。しかし、昨年10月の月例経済報告では景気判断を1年ぶりに下方修正し、「緩やかな回復に向かうことが期待される。ただし、アメリカの金融政策が正常化に向かうなか、中国を始めとするアジア新興国等の景気が下振れし、我が国の景気が下押しされるリスクがある。」との見方を示しております。そして、年明けの日経平均株価の大幅下落のように、金融市場を中心に経済はいまだ不透明感を増しております。

 ご承知のとおり、当町の歳入の根幹は町民税収入であり、平成26年度は株式等譲渡所得などの臨時的所得の増加により29億円台まで回復したものの、平成27年度は譲渡所得が減少したことなどから、前年度比では減収が見込まれる状況にあり、経済動向には常に注意を向けなければなりません。また、中期財政計画のとおり、少子高齢化の進展に伴う生産年齢人口の減少等もあって、今後の町税収入は引き続き減少傾向にあると予測されております。

 昨年度に続き、国全体の地方交付税総額も前年度対比で2.0%の減少となっているなど予断を許さない状況にあり、自立を目指して自らを律する町として、あらゆる可能性に注目し、模索することに努めなければなりません。安倍内閣総理大臣は本年1月の施政方針演説において、「イノベーションによって新しい付加価値を生み出し、持続的な成長を確保する。」としておりますが、当町においては、イノベーションにより付加価値を生み出し、持続的な暮らしを目指して、町の将来像を確かなものにしてまいりたいと考えております。

 このような厳しい状況を踏まえ、平成28年度は、効率的な行財政への改革は当然のこととして、葉山を愛する方々の想いを寄付という形でご支援いただき、まちづくりの原資にしてまいります。

 具体的には、ふるさと納税への返礼品制度をシステム化し、地場産品を中心に、町外の方が葉山を訪れたくなるような品を農水商工業、観光業と連携して用意してまいりたいと考えております。そして、政府内で企業版のふるさと納税についても検討が進められておりますが、「多くの社長が住む街」として評価されたこともある当町としては、制度の全容が明らかになり次第、積極的に導入の検討を進めてまいります。また、ご寄付いただく方のお気持ちを実現できるよう、目的を明確にした寄付制度も充実させます。町を愛する気持ちを将来の子どもたちに残すため、多くの関係者のご厚意を大切にしながら、葉山町の持続に尽くしてまいります。

 さて、平成27年度は「健康」をテーマとし、高齢化が進む中で生活習慣や社会環境の改善を通じて、年齢に関係なく健やかで心豊かな生活が送れる活力ある町を目指し、心と体の元気維持を実現する政策を展開してまいりました。小児医療費を小学6年生まで所得制限なく無料化し、人間ドックや脳ドックなど各種健診補助を充実させ、また、体力測定会の開催など、医療分野から見た身体の健康増進に努めてまいりました。

 平成28年度は、生活習慣病予防のために皆様のライフスタイルを見直してもらう講座や勉強会の開催、有志の町民に制作いただいた葉山体操や介護予防の貯筋体操の普及など、生活習慣の改善を促す講座やイベントを増やし、多くの方に活動に参加していただき、具体的に暮らしを変えていただくような取組みを増やしてまいりたいと考えております。他にも、協働の概念のもと、個人の社会参加や事業者の連携を増やすことで、さまざまな分野において、地域社会の健康、活力に資するとも考えております。

 例えば、福祉施策における福祉活動委員の活動と同時に、地域包括ケアや在宅医療などを積極的に推進することで、専門機関を含めたきめ細かな連携と情報交換が盛んになり、支援する人とされる人の双方が、顔の見える関係により地域のつながりを実感し、犯罪や非行の抑止、災害時の共助、公衆衛生の向上など、健やかで豊かな日々の暮らしにつながるものと考えております。

 自治体間の協力関係につきましては、引き続き三浦半島サミットを中心に連携を強化してまいりますが、特にごみ処理事業に関しては、処理のフェーズにおいて、逗子市とのパートナーシップを模索しております。

 一昨年の6月から開始したごみの全町無料の戸別収集と資源ステーションによる収集は、開始から1年半、大きなリバウンドはなく、当初の20%の減量率を維持しており、「小さくても一つになる町、葉山」の可能性が証明できました。これは本当に素晴らしいことで、町民の皆様のモラルや意識の高さ、その町民力には敬服しております。そのご尽力に続いて、町としても収集及び処理のコスト削減、環境負荷の軽減に向け更なる改善を図ってまいります。引き続き、逗子市との勉強会を続ける中で、双方にとって安定的な処理体制が構築できるメリットが見出せ次第、具体な連携内容とその方針についてお知らせいたします。

 下水道事業におきましては、昨年10月の公共下水道審議会からの答申に従い国土交通省の協力を得ながら、10年間の下水道事業の概成を図ってまいりたいと考えております。同時に、市街化調整区域における合併処理浄化槽の普及促進及び維持管理の啓発を進め、汲取り便槽や単独処理浄化槽からの転換費用の一部補助や、合併処理浄化槽の適正な維持管理に対する一部補助を引き続き行ってまいります。

 さて、昨年は東京オリンピック・パラリンピック2020のセーリング競技の江の島での開催決定という喜ばしいニュースが県内を賑わしましたが、これを契機に、多くの外国人、国内旅行者、町民に向けて、当町が日本ヨット発祥の地であることを知っていただくために、町民が体験する機会の創出はもちろんのこと、情報の発信力強化を課題として取り組んでまいります。

 どのような取組みも、情報として伝わることが大切ですが、町内はもとより、町外への情報発信には、町の内外の方々の発信力と、町の発信力の連携が欠かせません。神奈川県広報コンクールにおいて、2年連続で最優秀を受賞している「広報はやま」は、「町民向けに読みやすく、分かりやすく」をモットーに作成してまいりましたが、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、葉山の魅力を世界に発信することも必要であると考えております。これにつきましては、スマートフォンアプリの「インスタグラム」を活用して葉山の魅力を発信する、国内でも珍しい取組みを昨年の夏に開始しており、写真や動画による広報力の強化を図っております。また、町職員の一人ひとりが自立し、自己表現し、コミュニケーションの機会を増やすことで、町民の皆様へのサービス向上につなげてまいります。

 なお、インバウンドへの対応や、児童・生徒の外国語教育の充実と、葉山町の国際化を目指して、町民の協力を広く募りたいと考えております。そして、人材のネットワーク化の推進や多言語文化と交流の機会創出に努め、生涯学習の充実も図りながら、町内外において広く活躍できるよう、町民の国際力の強化を目指してまいります。私自身も、セーリング競技を経験した数少ない首長として、今後は東京オリンピック・パラリンピック2020の成功へ向けて、町外との交流や神奈川県への協力を積極的に行う責任を感じており、「日本ヨット発祥の地」をアピールしつつ、町の誇りを高めることを新たなミッションとして取り組んでまいります。

 良好な教育環境の維持につきましては、上山口小学校グラウンド整備工事や長柄小学校急傾斜地崩落対策工事、各小中学校窓ガラス落下防止工事を行い、児童・生徒の安全確保に努めてまいります。また、小中学校の給食事業につきましては、基本構想(案)に基づき、引き続きセンター化の説明や検討を行ってまいります。

 町全体の安全対策といたしましては、懸案でありました消防第6分団の詰所整備に伴う移転工事の着手、三ヶ岡山緑地津波避難路の整備や、災害時の避難所である南郷中学校に太陽光パネル等を設置する工事を行い、これまでの防災対策に加えて、さらなる防災力の強化を進めてまいります。また、木古庭・上山口・長柄地域を中心にイノシシの被害が報告されておりますが、個体が成長すれば、人に対する危険度も増すため、生態系保全と人的被害の防止を目的に、防護のみならず、駆除のための捕獲にも取組みを強化してまいります。

 行政内部におきましては、今後も職員組合との話し合いを進め、職員の地域手当など待遇面の早期抑制を行わなければならないと考えております。しかし、昨年4月の機構改革以降、さらにお客様へのサービスを向上できる改善を続けなければならないとも考えており、本質的なサービス向上と組織力の活性を目指し、一階カウンターのローカウンター化にとどまらず、顧客目線での役場改革を進めるとともに、ワークフローやERPの見直しなどでコスト削減と業務効率の改善を進め、地方分権の推進に対応するために、職員の増員も検討してまいります。

 このたびの選挙において、2期目の任については、これまでの基礎固めから、描く町の姿を本音で進めようと覚悟をもってまいりました。1期目は、問題の立て直しに尽くしてきたと振り返って実感しており、前進する前に、止まって整理するような時間に多くを費やしてまいりました。それは、過去の町政の流れを変え、葉山町政の安定化を目指したとも言えます。

 この点につきましては、まだまだ途上でありますが、近隣自治体や県、国など関係機関との円滑な協議が増えたこと、もしくは「町が変わった」という評価をいただく機会が増えたこと、ご意見にお褒めの言葉も増えたことなどで、一定線は到達したと考えております。それは町民の皆様を中心に、議員の皆様も、町職員も、様々な場面でそれぞれの活動や仕事を実践してくださった結果であり、町の活性が進んだという一つの成果です。

 しかし私個人では、様々なケースで説明不足があり、安心して任せておけるか、頼れる町政として信頼を得ているか、という点にはまだまだ未熟であったと反省があります。今後はより丁寧でゆっくりな説明の機会創出を図ってまいります。

 そして一方では、対外的には恐れず進む町として、町民のまちづくりを支える町政の実現のために、大切な場面で陣頭に立ってまいりたいと考えております。

 かつて、風速が15mを越え、手足の感覚を失い視界も確保できないような暴風雪や極寒の荒波の中で、はたまた無風の炎天下で熱中症と戦う日差しの下で1時間セールを扇ぎ続けるなど、3.7mのボードと畳4枚分のセールを広げて、実に8年間もレースをしてきた精神力と忍耐力をもってすれば、乗り越えられない困難はないといつも思っておりました。そしていまは、一人ではなく、支えてくれる多くの皆様がいらっしゃいます。また、この町には葉山が好き、という同じ想いで町を創る皆さんがたくさんいらっしゃいます。だから、他自治体ではできないことでも、葉山町ではできるかもしれない。大きな期待をもって夢と希望のある町を創ってまいります。

 御用邸と別荘の町の根本には、葉山の地勢があります。その地勢とは海と陸地の7割を占める山々です。これから、その大自然に飛び込める町として、さらに葉山の価値を高めてまいります。

 それは、お住まいの町民の皆様がワクワクしながら大自然を楽しめること。そうして町の良さが維持され、ときには一役買っていただけること。日中働きに出られる方は、土日を楽しめる町に。町外からは、いつかは葉山に住みたいと思ってもらえる町であり続けることに。小さいけれど一つになれる町、大自然に包まれ飛び込める町が、彩りを豊かにこれからもいい町であるよう、全力で働いてまいります。

 以上、私の施政方針及び所信を述べさせて頂きました。今年度に引き続き、第四次総合計画の施策体系に沿った詳細な事業説明は、別紙「第四次葉山町総合計画 前期基本計画 基本目標別主な事業概要書」にまとめましたので、ご参照ください。

 平成28年度の行政運営には引き続き全力を挙げて取り組んでまいりますので、議員の皆様におかれましては、一層のご協力と、ご賛同を賜りますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

※町長施政方針は、葉山町役場1階情報コーナーと図書館でも閲覧ができます。

※町長施政方針は、こちらからダウンロードができます。(PDFファイル 351KB)  

過去の施政方針等はこちらよりご覧ください。

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