葉山の町政

平成18年度 町長施政方針

最終更新日:2006年2月23日

平成18年度 町長施政方針

葉山町長 守 屋 大 光

 平成18年度の当初予算案並びにその他の諸議案の提出にあたり、町政運営全般に関する基本的な考え方と諸課題について所見を申し述べたいと存じます。
 政府の「三位一体の改革」が本格的に動き出し日本の地方自治体の姿は大きく変わりつつあります。
平成11年3月末に2,562あった町村が平成18年3月末には1,044に激減する様相になってきております。
 ご案内の通り平成の合併は、各自治体が本格的な地方分権推進の担い手として、又、国と地方が抱える厳しい財政状況下における構造改革に対応するために進められているものであります。
 他方、国と地方の財政構造を分権社会に相応しいものへと転換するための「三位一体の改革」は昨年の11月末に平成18年度までの第1段階が決着しました。その結果を見ますと補助率の引き下げによる国庫補助負担金の削減は、依然として国の関与がなくならないため地方の自主性が向上したとは言えず、又税源移譲も自治体間の財政力の格差を拡大させかねない問題を包含しております。そして多くの課題が地方交付税改革に先送りされた今回の改革がこのまま進めば地方はささやかな自由を得る一方で大きな負担を背負うことになりかねないと危惧しております。
 こうした取り組みに加えて第28次地方制度調査会では道州制の導入が検討されており、その制度が導入されれば、都道府県の事務事業が市町村に割り振られることになり市町村の役割や責任は大きく変化し、従来の町村を形成してきた基盤や条件は様変わりすることが予想されます。
 特に今回の改正による税の配分は、当町にとりまして平成19年度以降に大きな影響が生ずることは明白でありますので平成18年度からその準備に執りかからなければならないような状況にあり、極めて遺憾な改正であると言わざるをえません。
 そこで平成18年度における財政見通しでありますが一般財源は老年者控除の廃止並びに定率減税の段階的廃止や給与所得者等からの個人所得による一時的な増額が見込まれるものの固定資産税が土地の負担調整措置により減収となり、又基金も漸減し全体的に見て歳入はほぼ横ばいで推移するものと思われます。
 一方歳出につきましては、変革の時代を迎え急速に進む少子高齢社会への対応として子育てのしやすい環境の創出や安全、安心対策又町並み保全といった喫緊な課題を重視した予算を編成させて戴きました。
 それでは総合計画の施策の体系に沿って順次ご説明申しあげます。
 まず、青い海と緑の丘のある美しいまちづくりでございますが。
 緑豊かな居住環境をつくるための市街地の整備関係では、景観計画や景観条例を平成19年3月までに策定し、より良好な景観の形成に努めてまいります。併せて町並みを保全する上で喫緊の課題となっておりました斜面地における建築物の制限に関する条例は本年7月1日の施行を目途に議会へ提案させていただく準備を進めます。又、一色上原地区では住民の方々が既存の市街地に地区計画を導入し、町並みや景観の保全に向けた取り組みを行っておりましたが基本的な方向がほぼ纏りましたので早速調査等の手続きを進めてまいります。
 次に緑地管理事業は、市街地緑地の崩落や倒木等が懸念される中で葉桜緑地では、台風による崩落防止工事を既に実施いたしましたが更に崩落箇所周辺の危険度調査を行い、又、逗葉新道沿いのイト-ピア地内における伐採等の崩落対策も実施いたします。このほか5年毎に実施している都市計画に関する基礎調査を行います。
 緑化事業は、近々策定いたします緑の基本計画に基づき、国、県、近隣市などと連携し、二子山地区を三浦半島国営公園圏構想の連携地区として、適切な利活用や保全策について協議を進めてまいります。
 公園運営事業は、一般公園・児童遊園は従来どおり適正な管理に努めるほか、南郷上ノ山公園の一部に愛犬家の要望をふまえて散歩や訓練を行うドッグヤードを設置いたします。
 次に重点事業の一つであります五ツ合森戸線等の街路整備事業は、引き続き地権者の協力が得られたところから順次整備してまいります。
 次に環境保全対策関係における公共下水道事業は、300ヘクタールの整備を目指した現計画が平成18年度で5ヶ年の終了年となり新たに認可申請を進めると共に現計画の面整備率80%を目指してまいります。
 又、自然環境全体の枠組みの中で海の自然は、しおさい博物館で調査研究を進めていますが一方緑被状況、動植物等の生息状況についての調査は、昨年度緑の基本計画改定に伴う基礎調査として実施いたしました。しかしながら、河川の流域における動植物の生態系に関する情報が乏しいことから下山川水系及びその周辺地域の水質や動植物の生息状況についての調査を2ヶ年かけて行います。
 廃棄物の再資源化、減量化の推進関係につきましては、関係法令の趣旨を踏まえつつ町民との協働により粗大ごみを含め13分別による収集を行い、ガラスビン類、ペットボトル及び廃家電については再商品化を、古紙、紙パック、トレー等についてもそれぞれ資源化を行ってまいります。そして本年10月より容器包装プラスチック及びそれ以外のプラスチック類の分別収集を新たに実施いたします。又、事業系ごみの戸別収集につきましては、本年10月からの廃止を目途に準備を進めます。
 尚、ごみ処理の広域化につきましては昨年12月末に新たな枠組みの方向が定まりましたので、今後横須賀市並びに三浦市と調整を図りつつ遺漏のないよう対応してまいります。
 第2は、文化をはぐくむうるおい,ふれあいのまちづくりでございます。
 「くれ竹の郷葉山」推進事業につきましては、NPO法人葉山まちづくり協会を中核とした団体、グループ等の輪が広がり地域に根ざした歴史、芸術・文化の振興、環境づくり、産業の創造など多岐にわたり協働での取り組みが行われ、まちづくりに関する施策は大きく前進しております。今後も更に協働で総合計画に沿ったまちづくりを推進してまいります。
 長柄桜山古墳群調査整備事業は、保存に向けた現地の崩落や範囲指定等の調査を行います。
 しおさい公園、博物館の運営につきましては、利用者に親しまれる施設として適正な管理に努めます。
 図書館につきましては、利用者に考慮した蔵書や貸し出しシステムのサービス向上に努めるほか、名誉町民であります堀口大学先生が没後25年の節目を迎え、記念事業としてご家族のご意向を踏まえて新たに(仮称)堀口大学文庫を図書館の中に開設し、次世代に伝承してまいります。
 豊かな自己表現力をはぐくむ学校教育の推進では、昨年度末に「教育総合プラン」が纏り次代を担う教育の基本的な方向が示され、そのプランにおける学びの憲章、基本理念、教育の重点、町民の学習活動等に関する具体的な事柄を協議する機関として「教育総合プラン推進懇談会」を6月頃に設置する方向で考えております。
 小学校の施設整備は、上山口小学校校舎耐震補強工事並びに葉山小学校屋内運動場の耐震化に向けた実施設計を行います。
 私立幼稚園就園奨励事業は、次世代育成支援対策推進法の趣旨や進展する少子化の現実を捉え、保護者への支援を引き続き実施してまいります。
 青少年育成事業、芸術・地域文化の振興のための文化公演事業並びに生涯スポーツ・レクリェーション活動は、各種団体等への支援、育成や振興に努めてまいります。
 人権意識の高揚と男女共同参画社会の実現につきましては、講演会、セミナーやコンサートなどを開催し、広く啓発に努めるほか男女共同参画プランの後期計画によりその推進を図ってまいります。
 活力ある産業をつくるための事業は、商業、工業、農業、漁業や畜産業関係団体等へ適切な支援を行いその育成と振興に努めてまいります。又、真名瀬漁港再整備事業は当初3ヶ年の計画でありましたが国・県との協議により、漁港機能の総体的な高度化を目指して6ヶ年に変更し今年度は沖防波堤の工事を行います。
 第3は、安全で安心して暮らせるまちづくりでございます。
 高齢者の増加に伴い、高齢者保健福祉計画・介護保険事業計画に位置付けた施設の整備については、前年度に引き続き助成し、介護老人保健施設は本年5月、特別養護老人ホームは本年12月の開所が予定されており、医療との連携による地域内の介護や保健は一層充実いたします。
 知的障害者授産施設「葉山はばたき」につきましては、引き続き指定管理者により通所者の利便や保護者の負担軽減などサービスの向上と円滑な運営に努めてまいります。
 在宅高齢者の生活支援事業は、昨年6月の介護保険法の改正により予防重視型システムへの転換、施設給付の見直し、新たなサービス体系の確立や負担のあり方等に関して制度改革が行われ、高齢者の自立支援、尊厳の保持を基本にした制度となりました。又、在宅介護支援センター運営事業は地域包括支援センターに機能を転換し、在宅高齢者への配食サービス事業、介護予防・家族介護支援事業は、介護保険特別会計へ移行いたします。そして介護保険の適用を受けない高齢者への生活支援型ディサービス、ホームヘルプサービス事業は、指定管理者や社会福祉協議会の協力を得て一体となったサービスの向上に努めてまいります。
 障害者機能訓練・社会参加支援啓発事業は、たんぽぽ教室の運営のほか精神障害者を含めた在宅の障害者の雇用促進と就労の機会の確保を図ります。
 又、聴覚障害者の相談や手続き等の利便を図るため手話通訳を窓口に配置いたします。このほか知的障害者更生施設「ゆう」における短期入所事業の開所に伴い、支援費の一部を助成し、負担の軽減を図ってまいります。
 子育て支援のための事業は、児童手当の支給対象年齢を小学校修了までに拡充し、4月より実施いたします。
 保育園・教育総合センターの複合施設は、竣工に合わせて適正な人材の確保や調度品の調達等を図り本年10月の供用開始に向け万全を期してまいります。尚この施設では発達につまずきのある未就学及び就学後の児童に対し福祉と教育が連携して、一貫した療育をめざすという東日本で最も先進的な取り組みを行います。又、保育園においても従来の保育に加え保護者からの要望に即した対応を図るべく検討してまいります。
 かねてより多くの方々から要望のありました子育て支援センターは、現保育園を活用する方向で検討しており平成19年度中の施設整備に向けて耐震2次診断並びに実施設計等を行い準備を進めてまいります。
 安定した児童の養育を図るため、保健師等による育児支援家庭訪問事業を新たに実施いたします。
 いきいきと誰もが健康に暮らすことができるまちづくりとして町民の健康の保持を図るため、いきいきセミナー、食生活改善講習会、健康いきいき教室や練功十八法指導員養成講習会を開催し、又、各種健康診査・相談、予防接種、健康教室、母子保健に関する事業につきましても従来どおり実施し、健康の維持増進に努めます。
 災害に強く安全なまちづくりにつきましては、食糧、資機材等の備蓄並びに整備はもとより消防庁舎・分団詰所、避難所などの防災拠点となるハード面の整備をはじめ町内会・自治会、自主防災組織等を通じた訓練や啓発活動も万一に備え重ねて実施してまいります。又、災害対策本部用電話回線の増設や県と防災行政の情報を円滑に行うための通信網の再整備も行います。そして地元自治会等と協働による防災倉庫内の資機材の点検や操作を行い、防災計画に基づいた模擬訓練を繰り返し実施し、的確な防災体制が図れるよう努めてまいります。
 一方、救急業務は救命士の養成や気管挿管研修への派遣など人材の育成に努め、より高度化を図ってまいります。
 交通安全・防犯対策は、犯罪を防止し、交通事故のない安全な町をめざして警察、地域、関係団体や機関との連携を緊密にし、防止に努めてまいります。又児童生徒にまつわる痛ましい事件が各地で発生し、昨年末から緊急の措置として「子どもたちを地域で守りましょう」を合言葉に様々のパトロールや不審者の発見通報などの強化対策を講じておりますが、更に教育委員会、学校、関係団体や家庭とも相互に連携を図り安全や安心対策を推進してまいります。
 日本国内において武力攻撃を受けたときや大規模テロが発生した場合に、国、地方公共団体を始め関係機関の役割や具体的な措置を定めた国民保護法が平成16年9月に施行されており、同法が定める市町村の役割に係る住民の避難等に関する計画書を作成いたします。
 第4は、住民が参加する自治のまちづくりでございます。
 住民と協働でまちづくりを推進するための「まちづくり町民会議」が昨年の6月に発足し、自主的な運営がなされておりますが町政運営に広く民意を反映するという所期の目的が達成されるよう調整を図りつつ委員との緊密な関係を更に構築してまいります。
 2点目は、検討を重ねておりました審議会、委員会の公開に関しまして、協議が整いましたので、その指針を3月1日に策定し、会議を公開いたします。尚、傍聴席の確保や諸条件の整備に関しましては、近々庁舎の改造を予定しておりますので並行して対応いたします。
 3点目は入札契約制度の改善に関してございますが、より競争性、公平性、透明性を確保する観点から一般競争入札を昨年10月から施行し、この4月からは神奈川県市町村電子自治体共同運営協議会を通じ共同システムによる電子入札を実施いたします。
 4点目は、時代の変化に対応した行政のあり方については、既に検討委員会より報告を得ておりますが教育委員会の10月移転に伴う庁舎の改造とも連動しますので平成19年度を目途にその作業を進める方向で考えております。
 以上、町政運営に関する主要な施策や事業を中心にその概要についてご説明いたしましたが、平成18年度の一般会計予算は、94億2,300万円、前年度対比マイナスの3.1%、3億200万円の減額予算となりました。
 特別会計は、国民健康保険特別会計予算が28億3,800万円で前年度比5.9%の増額、老人保健医療特別会計予算は25億5,300万円で1.1%の減額、介護保険特別会計は19億1,300万円で13.6%の増額、下水道事業特別会計予算は17億4,100万円で10.6%の減額となり、4特別会計の合計は、90億4,700万円で前年度対比1.8%の増額となっており、一般会計と特別会計を合わせた総予算額は、184億7,000万円で前年度対比では0.8%の減額になりました。
 いよいよ、少子高齢社会への対応はもとより地方分権の進展に伴う市町村の統廃合・税源の移譲、介護保険法、健康保険料率の見直しや年金の一元化への動きなど様々な改革が進められてきており、それらを踏まえて今年度の予算編成過程においては、かつての高度経済成長期から引き継いで来ているような諸々の施策を更に見直し、限られた財源を効率よく配分するために枠配分方式を取り入れて編成に当らせて戴きました。
 初めての試みであり定着するまでには多少の時間を要するかと存じますが将来を見据えた場合必ずやその効果が表れるものと確信しております。
 これからも更に厳しさが増すであろう財政事情を念頭におきながら財政の健全化と共に効率的な行政運営を全庁あげて推進してまいりますので一層のご理解とご支援ご協力をお願い申し上げますと共に平成18年度予算案並びに関係議案のご議決を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

※町長施政方針は、葉山町役場1階情報コーナーと図書館でも閲覧ができます。

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